カロナールとロキソニンは市販されている?それぞれの違いとは?

解熱鎮痛薬として有名な医薬品にはカロナールとロキソニンがあります。一般の方であっても、カロナールとロキソニンは耳にされたことがあるでしょう。それぞれ同じ解熱と鎮痛の効果がある薬ですが、異なる医薬品であるため、もちろんさまざまな違いがあります。また、おそらく皆さんも馴染みのある薬だと思いますので、市販されていれば近場で購入したいと思われる方もいるでしょう。

そこで今回は、カロナールとロキソニンは市販されているのか?という点と、カロナールとロキソニンの違い、それぞれの基本情報をお届けしていきます。

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カロナールとは?

カロナールの有効成分はアセトアミノフェンであり、カロナールと一口に言っても、以下のとおり多くの種類があります。
・カロナール錠200/カロナール錠300/カロナール錠500
・カロナール細粒20%/カロナール細粒50%
・カロナールシロップ2%
錠剤タイプ、細粒タイプ、シロップタイプがあゆみ製薬株式会社から製造販売されています。

そのほか、アセトアミノフェンが含有された薬としては、
・アセトアミノフェン細粒20%(TYK)
・アセトアミノフェン細粒20%「JG」
・アセトアミノフェン錠200mg「NP」
・アセトアミノフェン錠200mg「JG」
・アセトアミノフェンDS小児用20%「タカタ」
・アセトアミノフェンシロップ小児用2%「トーワ」
など、さまざまな会社から販売されています。上記で挙げた全ての医薬品は後発医薬品であり、アセトアミノフェンが含有された医薬品には先発医薬品は存在しません。先発医薬品が存在しないというのは珍しい話ですが、アセトアミノフェンは昔より解熱鎮痛に使用されていたため、それぞれの医薬品が後発医薬品として登録されているのです。

カロナールの効能・効果

カロナール(錠剤・細粒)の効能・効果は以下のとおりです。
・下記の疾患並びに症状の鎮痛
頭痛・耳痛・症候性神経痛・腰痛症・筋肉痛・打撲痛・捻挫痛・月経痛・分娩後痛・がんによる疼痛・歯痛・歯科治療後の疼痛・変形性関節症
・下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
・小児科領域における解熱・鎮痛
※カロナールシロップ2%の効能・効果は小児科領域における解熱・鎮痛のみとなっています。

カロナールは市販されているのか?

カロナールは市販されているのか?という点ですが、結論からして医療用医薬品であるため市販されていません。薬には医療用医薬品とOTC医薬品が存在し、医療用医薬品には基本的に処方箋が必要です。ですので、医師の診察を受けてから処方箋を発行してもらい、その後調剤薬局で薬を受け取るという流れになります。一方のOTC医薬品は処方箋が必要なく、ドラッグストアなどでも購入できます。ただし、カロナールの成分であるアセトアミノフェンが含まれた市販薬は複数存在します。

例としては、
・タイレノールA(製造販売元:東亜薬品株式会社-第二類医薬品)
・ノーシンAc(製造販売元:株式会社アラクス-第二類医薬品)
が挙げられます。上記はそれぞれ、アセトアミノフェンのみが有効成分となっています。

ロキソニンとは?

ロキソニンの有効成分はロキソプロフェンナトリウム水和物であり、内服薬には細粒タイプのロキソニン細粒10%、錠剤タイプのロキソニン錠60mgがあります。(先発医薬品)これらは第一三共株式会社が製造販売しています。

後発医薬品には、
ロキソプロフェンナトリウム細粒10%「日医工」
ロキソプロフェンNa細粒10%「サワイ」
ロキソプロフェンNa錠60mg「トーワ」
ロキソプロフェンNa錠60mg「ツルハラ」
などが存在します。

また、内服薬だけでなく、第一三共株式会社が製造販売する外用薬も存在します。
・ロキソニンテープ50mg/100mg
・ロキソニンパップ100mg

ロキソニンの効能・効果

ロキソニン細粒10%と錠剤タイプのロキソニン錠60mgの効能・効果は下記のとおりです。
・下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ・変形性関節症・腰痛症・肩関節周囲炎・頸肩腕症候群・歯痛
・下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
・手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎

ロキソニンテープ50mg/100mgとロキソニンパップ100mgの効能・効果は下記のとおりです。
・下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
変形性関節症、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛

ロキソニンは市販されているのか?

ロキソニン細粒10%やロキソニン錠60mgといった医療用医薬品は市販されていません。その理由はカロナールと同様に、そもそもが医療用医薬品だからです。しかし、医療用医薬品のロキソニンは市販されていませんが、有効成分であるロキソプロフェンナトリウム水和物が含まれた市販薬は存在します。

例としては、
・ロキソニンS(製造販売元:第一三共ヘルスケア株式会社-第一類医薬品)
・ロキソニンSプレミアム(製造販売元:第一三共ヘルスケア株式会社-第一類医薬品)
これらが挙げられます。

ロキソニンSは、ロキソプロフェンナトリウム水和物が含まれた国内初のスイッチOTC医薬品です。これまで医師の判断でしか使用できなかった医薬品が、ドラッグストアなどでも買えるようになったもののことを、スイッチOTC医薬品といいます。

ロキソニンSとロキソニンSプレミアムの違いは、有効成分にあります。ロキソニンSはロキソプロフェンナトリウム水和物のみが有効成分であり、ロキソニンSプレミアムは、ロキソプロフェンナトリウム水和物に加えて、無水カフェイン・アリルイソプロピルアセチル尿素・メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが含有されています。

カロナールとロキソニンの違い

続いて、カロナールとロキソニンの違いについて見ていきましょう。

ロキソニンは子供には処方しない

カロナールは子供から大人まで処方されることのある薬です。特にカロナールシロップ2%は、乳児にも投与されることがあります。しかしロキソニンは子供に対しての安全性が確立されておらず、基本的に処方されることはありません。

カロナールは子供にも処方されることがあり、ロキソニンは基本的に大人にしか処方されないという点は、大きな違いと言えるでしょう。

カロナールとロキソニンはアプローチ方法が違う

カロナールとロキソニンは解熱・鎮痛効果が得られますが、どのように症状を抑えるかが違います。カロナールは中枢神経に働きかけることで痛みや熱などの症状を改善しますが、ロキソニンは痛みを起こさせるプロスタグラジンの生成を抑えることで症状を緩和します。

カロナールは錠剤のほかにシロップがあり、ロキソニンには外用薬がある

そのほか、カロナールとロキソニンは剤形の種類にも違いがあります。カロナールは錠剤・細粒のほかにシロップがあり、ロキソニンにはシロップがありません。また、ひどい肩こりや筋肉痛に使われることがあるロキソニンは、内服薬以外にパップ剤やテープ剤などのタイプもあります。

医薬品は正しく服用すること

ロキソニンとカロナールはどちらも解熱・鎮痛効果がありますが、服用可能な年齢が違っています。ロキソニンは子供への安全性は確立されていないため、余った薬を子供にも使う…というのは辞めましょう。また、副作用の面もありますので、用法・用量は必ず守ることが大切です。

まとめ:カロナールとロキソニンは市販されている?それぞれの違いとは?

いかがでしたか?今回の内容としては、
・カロナールとロキソニンはどちらも解熱鎮痛薬である
・カロナールもロキソニンも有効成分が含まれた市販薬は存在する
・カロナールは小児にも使用することができる
・カロナールとロキソニンはどちらも解熱鎮痛薬だが症状を抑え方が違う
以上の点が重要なポイントでした。カロナールとロキソニンのどちらも有効成分が含まれた市販薬は存在しますので、セルフケア時の参考にしていただければと思います。ただし、市販薬は自己判断での使用が可能な分リスクもありますので、もし購入にあたり不安な点や疑問があれば、医師、薬剤師または販売登録者に相談しましょう。