ビタミン剤に副作用はある?

「ビタミン剤には副作用はあるのだろうか…?」
「ビタミンをたくさんとっても副作用はあらわれない…?」
ビタミン剤を日常的に服用して食事から補い切れない分のビタミンを補給している方は多いですが、ビタミン剤にも副作用があるとしたら、毎日の服用に問題はないのでしょうか?

この記事では、気軽にビタミンを摂取可能な方法である、ビタミン剤の副作用や特徴をテーマにお届けしていきます。ビタミン剤の服用に不安を感じているのなら、ぜひ参考にしてください。

Contents

医薬品のビタミン剤とは?

ビタミン剤には医薬品とサプリメントが存在します。医薬品のビタミン剤は厚生労働省によって医薬品として製造・販売が承認されており、特定の症状や疾患に対しての服用のために利用されます。

医師の診断が必要なビタミン剤の中には、食品からビタミンを必要量摂取することが困難な場合のみに処方されるものもあります。

ビタミン剤とサプリメントの違いとは?

医薬品のビタミン剤とサプリメントのビタミン剤では、ビタミンという意味では違いはありません。しかし、サプリメントには法律上の明確な定義がなく、食品衛生法のもとで保健機能食品として規定されています。そして、サプリメントの販売に関して、国への許可申請や届出は必要ありません。また、医薬品のビタミン剤は効能・効果をうたうことができます。

そのほか、医薬品のビタミン剤は、用法・用量が決まっていますので、服用に際してしっかり守ることが必要です。

ビタミンの重要性|役割

人間が生きていくためには、炭水化物・タンパク質・脂質の三大栄養素が欠かせません。ビタミンはこの三大栄養素以外の有機化合物の総称であり、人間の体の中で三大栄養素の代謝を助ける役割を持っています。

そのためビタミンが不足すると、三大栄養素がうまく働けなくなり、病気になったり成長に問題があらわれてしまったりするのです。しかし、人間はほとんどのビタミンを体内で作り出せず、食品から摂取しなくてはいけません。そのため、食生活に問題があると、慢性的なビタミン不足に陥ってしまうのです。

水溶性ビタミンとは?

ビタミンは水溶性と脂溶性に種類に分けられ、水溶性のビタミンは水に溶けやすい性質があります。また水溶性ビタミンの9種類のうち、ビタミンCを除いたビタミンは「ビタミンB群」と呼ばれます。
・ビタミンC
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・ビタミンB12
・葉酸
・ナイアシン
・パントテン酸
・ピオチン
水溶性ビタミンは過剰摂取してしまった場合も尿から排出されるため、こまめな補給が必要です。調理方法によってはビタミンが失われてしまう可能性があることも知っておきましょう。

脂溶性ビタミンとは?

脂溶性ビタミンは水に溶けにくいという特徴を持っており、油と共に調理すると吸収しやすくなります。
・ビタミンA
・ビタミンD
・ビタミンE
・ビタミンK
脂溶性ビタミンのうちビタミンA・D・Kは体に蓄積されやすいため、過剰摂取には注意しなくてはいけません。

ビタミン剤のとりすぎはよくない

ビタミンは摂取量が多いほど体に良いのではないかと考える方もいますが、ビタミンの過剰摂取によって健康を害してしまう恐れがあることも知っておきましょう。

先ほどもお伝えしたように、水溶性のビタミンは体に蓄積されずに尿と一緒に排出されるため、摂取量を気にする必要はありません。しかし、脂溶性ビタミンには注意が必要です。

ビタミン剤の副作用・過敏症について

脂溶性のビタミンを過剰摂取してしまうと、副作用として過剰症を起こす恐れがあります。

副作用として起こり得る具体的な過剰症の症状は次の通りです。
ビタミンA:食欲不振・吐き気・脱毛など
ビタミンD:食欲不振・頭痛・口渇・腎臓や血管などへのカルシウム沈着など
ビタミンK:下痢・吐き気など
そのため、ビタミン剤の過剰摂取はもちろん、これらのビタミンが豊富に含まれている食材にあわせてサプリメントを多く摂ることは避けるべきでしょう。

ビタミン不足が招く症状について

ビタミンの過剰摂取が副作用を招く問題について説明しましたが、ビタミン不足も体に悪い影響を与えます。ビタミンは適量を摂取するようにしなくてはいけません。

ビタミン不足で引き起こされる症状は次の通りです。
・ビタミンB1不足:脚気
・ビタミンC不足:壊血病
・ビタミンA不足:夜盲症
・ビタミンD不足:くる病・骨軟化症
これらの病気を総称して「ビタミン欠乏症」と呼び、病気にならなくても日常的に体調の不調を感じる方も多いです。

ビタミン摂取にバランスの取れた食事も大切

ビタミンは採れたての野菜に多く含まれており、本来であれば食事からビタミンを摂取することが好ましいです。バランス良く多くの食材を摂取すれば、ビタミン以外の栄養素も補給できるでしょう。しかし、忙しい毎日を送る方は積極的に野菜を摂ることが難しい場合もあります。野菜不足を感じた時は、ビタミン剤の服用を検討しても良いでしょう。

まとめ:ビタミン剤に副作用はある?

いかがでしたか?今回の内容としては、
・ビタミン剤には医薬品とサプリメントが存在し、医薬品のビタミン剤は効能・効果をうたうことが可能である
・ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあり、脂溶性ビタミンの過剰摂取には注意が必要
・ビタミン剤の過剰摂取による副作用として食欲不振や吐き気などが挙げられる
・ビタミン不足も体に悪い
以上の点が重要なポイントでした。ビタミン剤を服用する時には副作用の面を考えて定められた用法用量を守るだけでなく、食事から摂取する栄養素にも注意し、過剰摂取にならないようにしてください。

薬剤師からの一言

ビタミン剤に限らず、お薬に副作用はつきものです。一般用医薬品であれば添付文書を読み、医師に処方されたお薬は医師の指示通りに服用しましょう。