授乳中にトローチや風邪薬（咳止め）の服用は大丈夫？【市販薬を検討中の方必見】

「授乳中に風邪薬を服用しても問題ないだろうか…」
「授乳中の風邪薬選びで注意が必要なものがあれば知りたい…」
授乳中は薬だけでなく食べ物にも気を使うものですが、風邪の症状が辛く耐えられないということもあるでしょう。特に乳幼児と一緒に過ごしていると、母親は自分の体調を後回しにしてしまいがちで、風邪が長引いてしまう方も多いです。

今回は、授乳中にトローチや風邪薬などを服用して良いのかについて解説していきます。風邪症状を和らげるために、市販薬の購入を検討しているのなら、ぜひ参考にしてください。

授乳中に市販の風邪薬を服用しても問題ない？

服用後に授乳が可能なものも存在しますが、母乳に移行してしまう薬もあります。そのため、授乳中の薬の服用は、風邪薬や咳止め薬に限らず全ての薬に注意するべきです。妊娠前・授乳前に服用していた風邪薬など、手元にある薬を安易に服用することは避けてください。

また、医療機関や薬局で薬を手に入れる時には、必ず自分が授乳中であることを医師・薬剤師に伝えなくてはいけません。病院に行く時間がないという方は、薬剤師に相談の上で薬を選ぶべきでしょう。

授乳中にトローチを服用しても問題ない？

トローチとは、口の中で溶かして使用するタイプの口腔内錠剤です。トローチには殺菌・消毒作用や、咳を鎮める・痰を出しやすくするなどの働きがあります。トローチはゆっくり時間をかけて舐めると、喉の炎症による喉の痛みや違和感を抑えられるでしょう。

トローチは飴のような感覚で食べられることから、薬と意識せずに摂取してしまっている方もいます。しかし、トローチは医薬品であり、授乳中の摂取には医師・薬剤師・登録販売者への相談が必要です。トローチも風邪薬と同じように、授乳中の無闇な摂取は避けてください。

授乳中は薬を諦めなればならないということではない

授乳中は無闇に薬を服用してはいけないことをお伝えしましたが、風邪薬を含む全ての薬を服用できないわけではありません。母乳に移行する薬の成分が非常に微量だという理由から、赤ちゃんへの影響が低い薬も存在するのです。

そのため、医師に授乳中であることを伝えた上で処方された薬なら、授乳中の服用も可能でしょう。母親の体調をいち早く回復させるためにも、必要な時には薬の服用を検討するべきです。母親の不調が続けば、赤ちゃんの世話も難しくなるでしょう。

授乳中は添付文書の確認と医師・薬剤師への相談が大切

薬の添付文書などには、服用中の授乳を控えるように記載されていても、医師からは「授乳中も服用可能」と言われることがあります。薬の添付文書には、裏付けが不足している場合も考えられるため、医師や薬剤師に相談した上で処方された薬なら、服用に問題はないでしょう。独断で服用する薬を選ぶのは避けましょう。

授乳中に気を付けるべきこと

授乳中に気をつけるべきことは、薬の服用以外にも数多くあります。普段通りの生活を送っていると、赤ちゃんに悪い影響が出てしまう恐れがあるのです。

喫煙

タバコに含まれるニコチンは、赤ちゃんの喘息・呼吸器の病気・アレルギーなどを引き起こす可能性があります。妊娠中と同様、授乳中は喫煙をしないでください。

飲酒

アルコールを過剰摂取すると、赤ちゃんの発達が遅れる・母乳の出が悪くなると言われています。お酒を飲んでしまったら、2時間以上授乳を控えましょう。喫煙と同じように、アルコールも妊娠中・授乳中ともに避けるべきです。

カフェインの過剰摂取

コーヒー・コーラなどに含まれるカフェインは、赤ちゃんに悪い影響を与える恐れがあります。過剰摂取でなければ良いと言われていますが、ノンカフェインを活用すれば、安心してコーヒーなどの飲み物が楽しめます。普段から飲んでいる飲み物でも、カフェインが含まれていないかどうかを確認してください。

母乳のメリットについて

母乳で育児をするには、母親が口にするものに気を遣わなくてはいけません。しかし、母乳育児には大きなメリットがあることも知っておきましょう。母乳には、赤ちゃんを育てるための栄養素が多く含まれており、抗アレルギー物質・免疫も得られます。さらに、授乳中には赤ちゃんと母親の間に深い愛情が生まれ、赤ちゃんの心を落ち着かせる効果もあるのです。

授乳中は新型コロナのワクチンは接種可能？

授乳中はもちろん、妊娠中も新型コロナのワクチンが接種可能です。新型コロナワクチンは作られてからの歴史
が浅いため、開始当初は科学的知見が限られていましたが、現在は妊娠中・授乳中の両方で高い有効性があり、安全性の懸念点が特段見つかっていないことから、推奨されています。

また、授乳中に接種したワクチンは母乳に移行する可能性は低く、万が一移行したとしても、赤ちゃんの体内で消化可能と予想されています。

参照：厚生労働省　新型コロナワクチンQ＆A
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0027.html

まとめ：授乳中にトローチや風邪薬（咳止め）の服用は大丈夫？【市販薬を検討中の方必見】

いかがでしたか？今回の内容としては、
・授乳中の薬の服用は、風邪薬や咳止め薬に限らず全ての薬に注意する必要がある
・授乳中は、飴のような感覚で食べてしまいがちなトローチも、医師や薬剤師に相談すること
・授乳中は薬の他にも、喫煙や飲酒、カフェインの過剰摂取を避けること
・母乳には、赤ちゃんを育てるための栄養素が多く含まれており、抗アレルギー物質・免疫も得られる
・授乳中はもちろん、妊娠中も新型コロナのワクチンが接種可能
以上の点が重要なポイントでした。風邪の症状が辛いのであれば、授乳中であることを伝えた上で、医師から薬を処方してもらうか、薬剤師に薬選びの相談をするべきでしょう。授乳中には多くの注意点があるものの、授乳で得られるメリットは大きいです。赤ちゃんの健康を維持するためには、授乳中の注意点を理解して生活を送りましょう。