医薬品の個人輸入は違法なの?個人輸入の注意点について

2022.10.04

「海外の薬が欲しい…」
「薬の個人輸入は違法になるのだろうか…?」
海外で医薬品を購入して持ち帰ったり取り寄せるなどの行動は、医薬品の個人輸入に該当します。では、医薬品の個人輸入は違法になるのでしょうか?この記事では、医薬品の個人輸入の方法や注意点について詳しく説明します。

Contents

医薬品の個人輸入とは?違法なの?

医薬品の個人輸入には、自分で使用する目的で医薬品を海外から取り寄せるものと、販売目的で海外から医薬品を取り寄せるものが考えられますが、販売目的で個人輸入することは認められていません。

医薬品の個人輸入は個人的な使用が前提であり、販売だけでなく誰かに譲ることも認められておらず、もし個人輸入したものを販売したり譲ったりすると、医薬品医療機器等法違反となる恐れがあります。

医薬品の個人輸入に対する基本的な考え方

医薬品の個人輸入は、日本での有効性や安全性の確認がなされていない点、劣化品や偽造品である可能性がある点、自己判断での使用によって危険なことがあるという点から、厚生労働省でも注意喚起がおこなわれています。ですので、基本的には何らかのやむを得ない事情がない限りは医薬品の個人輸入は避けた方が良いでしょう。

医薬品等を海外から購入しようとされる方へ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
参考:https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/sonota/9005_jr.htm

医薬品を個人輸入する時の注意点

医薬品を個人輸入する際には、多くの注意点を知っておく必要があります。

輸入できないもの・法律に反するものを把握しなくてはいけない

医薬品の中には輸入することで規制に反してしまうものが存在します。そのため、医薬品を個人輸入するのであれば、事前に規制や制限を十分確認しなくてはいけません。

詐欺被害に遭う可能性が考えられる

海外サイトや代行業者の中には、代金が振り込まれても商品を送らない・連絡が途絶えるなどの詐欺業者も存在します。残念ながら海外の業者は日本の法律が適用されないため、失った損害を取り戻すことは困難です。

健康被害のリスクがある

海外で販売されている医薬品は、日本の医薬品医療機器等法に基づく安全性・有効性の確認が行われていません。そのため、服用によって健康を害してしまう恐れがあるのです。また、海外では医薬品などの表示方法の規制も日本と違うことから、誇大広告に騙されてしまう方も多いです。安心のメーカー名が記載されているとしても、その記載事実が嘘である可能性も考えられます。

海外で医薬品を購入して持ち帰る|個人輸入することについて

最も単純な方法として海外の医薬品を購入する方法が、海外で医薬品を購入して持ち帰るというものです。原則としては、地方厚生局に必要書類を提出して医薬品医療機器等法に違反する輸入でないこと、営業のための輸入でないことの証明を受ける必要があります。ただし、特例的に一定の範囲において税関の確認を受けたうえで輸入ができます。

一般の人が個人で持ち込み輸入可能な医薬品は、あくまで自分で使用するもののみです。基本的には、海外で受けた薬物治療を継続する必要がある場合・海外からの旅行者が常備薬として持ち込む医薬品への配慮として、医薬品の持ち込みが許可されています。

医薬品の持ち込み可能な数量は下記のとおりです。
・外用剤(軟膏・点眼薬など):1品目につき24個以内
・毒薬・劇薬・処方箋薬:1ヶ月分以内
・その他の医薬品や医療部外品:2ヶ月分以内

自己判断での使用によって重大な健康被害につながる恐れがある妊娠中絶薬などの医薬品は、個数や金額に関わらず、医師の処方箋がない限り持ち込みが禁止されています。

重大な健康被害の起きるおそれがある医薬品(数量にかかわらず厚生労働省の確認を必要とするもの)については、下記をご参考ください。

数量にかかわらず厚生労働省の確認を必要とする医薬品の改正について.pdf (mhlw.go.jp)
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/000790481.pdf

インターネットで海外の医薬品を購入することについて

海外の通販サイトから医薬品を購入して輸入するという方法に関しては、手軽に欲しい海外の医薬品を入手することができるため、誰にでも実践できてしまいます。

ただし、これまでお伝えしてきたとおりさまざまなリスクがあり、また、個人輸入した医薬品による健康被害では、医薬品副作用被害救済制度を利用することはできませんので、どうしても医薬品を海外から購入したいという場合は、その前に医師や薬剤師などの専門家に相談することをおすすめします。

まとめ:医薬品の個人輸入は違法なの?個人輸入の注意点について

いかがでしたか?今回の内容としては、
・医薬品の個人輸入は自分で持ち込む、インターネット通販で購入するといった方法で実現可能
・個人輸入には非常に多くのリスクが潜んでいる
・個人輸入した医薬品を誰かに譲ったり販売するのは違法である
・個人輸入をする時の注意点には、法律・規制に反していないかや数量について十分確認する、健康被害のリスクを知っておく、などがある
以上の点が重要なポイントでした。医薬品の個人輸入にはリスクがありますので、海外の医薬品で試したいものがある時などは医師や薬剤師に相談することをおすすめします。