零売薬局はどのような人が利用されるのか?

「零売薬局はどのような人が利用しているのだろう…」このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか?零売薬局は新しい業態であるため分からないことが多いと思いますが、どのような利用者がいるのかを知ることで零売薬局はより身近なものになります。そして、身近なものになれば零売薬局に足を運びやすくなるでしょう。

今回は、「零売薬局はどのような人が利用されるのか?」というテーマでお届けしていきます。

零売薬局はどのような人が利用している?

それでは早速、零売薬局はどのような人が利用しているのか見ていきましょう。

子育てで忙しい人

はじめての子育ては、ミルクをあげたりおむつを替えたり、そして離乳食づくりと慣れないことだらけで疲れてしまうものです。そのなかで食事作りや洗濯といったことをしなければならないので、自身の健康は二の次になりがちです。また、幼い子供を複数人育てている場合には、病院の長い待ち時間などが大きな疲労につながります。

そのため、医療用医薬品が欲しくても長い待ち時間が苦痛となるので病院を避けてしまったり、そもそも病院に行く時間がないため、買い物ついでに市販薬で代用している方もいるかもしれません。その点零売薬局は処方箋なしで病院の薬が買えるため、自身の健康を後回しにすることなく子育てもおこなえます。零売薬局は、子育てが忙しい人にはとても重宝されて利用されています。

日中仕事をしている人

健康を二の次にしてまでも働いてしまいがちな日本人ですが、仕事を休むことができず病院に行って医薬品をもらいたくても、それができない人は多くいらっしゃるでしょう。実際に、今まで仕事が忙しくて医療用医薬品をなかなか手にできなかった人から、「零売薬局を利用すれば、処方箋なしで対応してもらえるので助かっている」という声が届きます。
零売薬局の場合であれば医薬品を受け取るまでに10分程度の時間で済みますので、半日休みなどをすることなく、仕事の合間や昼休憩時に医薬品を手にすることができます。

新型コロナウイルスの感染リスクを避けたい人

どのような病院でも新型コロナウイルスに対する対応はおこなっていますが、通院による新型コロナウイルスの感染リスクを避けるために、零売薬局を利用する人もいます。新型コロナウイルスに感染しないためには人混みを避ける必要がありますが、長い待ち時間が必要な病院の場合、どうしてもリスクは高まってしまいます。

待合室での感染が危惧されるため、極力待ち時間を減らす努力をしている病院も多いですが、患者や受診者が病院に行きたいと思う時間は重なりますし、初診の場合には問診票をその場で書くなど、患者の状態の把握に時間がかかることもあって待ち時間は生まれてしまいます。その点零売薬局の場合は、スムーズに医薬品を受け取ることができ、感染リスクを軽減させることができます。

処方されている医薬品を継続して使用したい人

処方されている医薬品があり、継続して服用したい場合には、再度医師の診察を受け処方箋を出してもらう必要があります。

しかし零売薬局であれば直接医薬品だけを購入することができますので、処方されている医薬品を継続して使用したい人にも利用されます。いつもの医薬品を処方してもらうためだけに、病院に出向いている人にすれば零売薬局はとても助かるサービスです。

処方箋なしで医薬品を購入する際の注意点について

処方箋なしで医薬品を購入する場合には以下の点に注意しましょう。

・なるべく過去に購入したことのある医薬品を選ぶ

・用法用量は正しく守る

・服薬指導やカウンセリングをしっかり受ける

・症状が改善しなかったり副作用があれば薬剤師に相談したり医師の診察を受けること

医薬品の効果や副作用は人それぞれで細かく変わってきますので、効果や副作用の面を考慮してなるべく過去に使用経験のある医薬品を選びましょう。

また、零売薬局側には、処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売ルールとして厚生労働省の通知で明確にしています。

処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売ルール

1.必要最低限の数量に限定する

2.調剤室または備蓄倉庫での保管と分割

3.販売品目、販売日、販売数量ならびに患者の氏名および連絡先など、販売記録の作成

4.相互作用・重複投薬防止のための、患者の薬歴管理の実施

5.薬局において、薬剤師が対面により販売をする

このようなルールがあることを利用者も知ることで、安全面を意識することができるでしょう。まだまだ法整備がなされていないですが、必要最低限の数量に限定するというのは厚生労働省が通知しているものであり、遵守すべき項目です。利用者側もそれを正しく理解して、最低限度の量の医薬品を購入しましょう。

どのような人でも零売薬局は利用できる

零売薬局で販売できるのは「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」ですので、購入予定の医薬品の分類が「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」であれば、基本的にどのような人でも利用できます。

ただし、「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」であっても受診して処方箋をもらうことが基本であることは忘れてはならず、零売薬局で医薬品をもらっていれば病院に行く必要がないというわけではありません。

もちろん、「処方箋医薬品」は保険調剤になるため通常の調剤薬局を利用する必要がありますが、セルフケア薬局グループのおだいじに薬局のように保険調剤と零売をおこなっている薬局も存在します。

零売薬局で受診を勧められるケースもある

「仕事が終わるころには病院の診療時間が終了しており受診ができない…」といった、忙しい人に零売薬局は適していると言えますが、前項でお伝えしたとおり「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」であっても受診が前提にあります。そのため、利用者は適切な判断が求められますし、零売薬局で受診を勧められるケースもあります。

零売は受診できない人たちに適切に医薬品を販売することが肝ではありますが、利用者の人が医薬品を欲しがっているからとりあえず販売する、という倫理観に欠けた判断をする状況になれば、健康被害につながってしまう可能性があります。
ですので、もし零売薬局の薬剤師から受診を勧められる場合は、利用者のことを考えたうえでの推奨であるため、素直に病院に行きましょう。

零売薬局は相談からはじまる薬局

零売薬局は、利用者から薬剤師が相談を受けて医療用医薬品を提供する、つまりは相談からはじまる薬局と言えます。零売薬局に興味を持ち、どのような人が利用されているのだろうと気になる人はきっとほかにも知りたい疑問があるはずです。
セルフケア薬局のコンテンツに掲載する内容は、利用検討者の方が知りたいであろう情報を掲載していますので、他の記事も参考にしていただければと思いますが、もし不明な点などあれば零売薬局に聞いてみることをおすすめします。セルフケア薬局は業界の発展を願い、多くの人の疑問解決や、セルフメディケーションのお手伝いができれば幸いです。

まとめ:零売薬局はどのような人が利用されるのか?

いかがでしたか?零売薬局は、子育てをしている人や日中仕事をしている人といった受診する時間がない人や、新型コロナウイルスの感染リスクを避けたい人に利用されているということでした。また、いつもの医薬品を処方してもらうためだけに、病院に出向いている人にすれば零売薬局はとても助かるサービスであり、感染リスクを軽減できる時代に即したサービスであると言えます。

ただし、今回の記事にあったように、零売薬局の薬剤師から受診を勧められる場合は、重大な病気の発見が遅れてしまわないように受診するようにしましょう。

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