アルコールと肝臓病の関係|肝臓が悪いとかゆみが出る?

2022.10.03

「過剰なアルコールは肝臓に悪いって聞くけどなぜ?」
「肝臓が悪いとかゆみが出ることはあるのだろうか…?」
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、何らかの問題が生じても、なかなか自覚症状があらわれません。しかし、肝臓にトラブルが発生している時には、かゆみなどの症状があらわれることがあります。

今回の記事では、肝臓に問題がある時に発生するかゆみと、肝臓とアルコールの関係について解説していきます。

Contents

肝臓の役割とは?

肝臓は右脇腹下の肋骨内側に位置し、人間の体の中でも最も大きく成人の肝臓は1kg以上の重さがあります。そして、一部が傷ついたとしても、他の部分でカバーできるという特徴を持っています。

肝臓にはさまざまな役割がありますが、ここでは肝臓の代表的な役割を4つ紹介します。

代謝機能

食事から摂取した栄養は胃や腸で消化された後、肝臓に送られて体内で使えるエネルギーに変わります。肝臓は、代謝の中核を担っていると言えるでしょう。

脂質の消化吸収を助ける働き

肝臓から作られる胆汁は、脂質の消化吸収を助けたり、古くなった赤血球や微量金属などの不用物の排泄や、血中のコレステロール濃度の調整をする役割があります。

ブドウ糖の備蓄と供給

肝臓はブドウ糖を備蓄し、血糖値が上がり過ぎないようにしながら、常に脳にエネルギーを供給しています。この働きは24時間継続され、睡眠中も脳に栄養が行き渡るようにしています。

解毒作用

肝臓ではアルコール・アンモニア・薬などの人間の体に有害な物質をろ過する役割があります。アルコールを飲みすぎると肝臓に悪いというのは、肝臓がアルコールの分解を担当しているためです。

肝臓に問題がある時の自覚症状

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、問題が生じていても自覚症状があらわれにくい器官です。しかし、下記のような症状がある場合は、肝臓に何らかのトラブルが発生している可能性も考えられます。
・体のかゆみ
・全身がだるい
・目や皮膚の粘膜が黄色くなる
・食欲不振
・むくみ
・意識障害
・お腹が張る
自覚症状が現れるまでに、一定の時間が必要な器官であることには違いがないため、このような症状があるのなら、すぐに医療機関を受診してください。

肝臓が悪い時のかゆみ

肝臓の機能が衰えて胆汁の流れが悪くなると、かゆみが出ます。中年以降の女性に発生しやすい原発性胆汁性肝硬変は、胆汁の流れが滞って、黄疸などの症状とともにかゆみがあらわれます。また、アルコール性肝炎・C型肝炎・肝臓がんなどの疾患でも同じようにかゆみを感じる場合があります。肝臓から来るかゆみは、かいても改善しないことから、かゆみで不眠になるなど、さまざまな不調を招きます。

アルコールと肝臓の関係

肝臓では体内に入ったアルコールの約90%を分解しています。そのため、アルコールの摂取量が多過ぎたり、摂取頻度が高過ぎると、肝臓に問題が生じてしまうのです。

肝臓のトラブルは自覚症状が感じにくいことから、日常的に飲酒をしている方は、何らかの症状がなくても定期的に肝臓の状態を検査するべきでしょう。アルコールの飲み過ぎが原因の一つとなる肝臓疾患は次の通りです。

脂肪肝

アルコールの摂取によって肝細胞の中に脂肪が沈着し、肥満や糖尿病を合併します。アルコールが原因の脂肪肝であれば、禁酒によって症状を改善可能でしょう。

アルコール性肝炎

肝臓に脂肪が溜まるだけでなく、肝細胞に炎症が起こり、肝臓が壊死・変性している状態です。症状としては、吐き気・食欲不振・発熱・黄疸などがあらわれます。禁酒が治療の基本ですが、アルコール依存症になっている場合には、専門治療も同時に実施しなくてはいけません。

肝硬変

アルコールによる肝臓障害の中でも、最も重篤な疾患です。肝細胞が壊死・変性して繊維化し、肝臓が硬くなり
ます。大量のアルコールを長期間飲み続けることで発症することから、治療には禁酒・食事療法・薬物治療・アルコール依存から抜け出すための精神的な専門治療も必要でしょう。肝硬変は、アルコール性のものだけでなく、C型肝炎やB型肝炎の肝炎ウイルスが原因となることもあります。

まとめ:アルコールと肝臓病の関係|肝臓が悪いとかゆみが出る?

いかがでしたか?体内に入ったアルコールは肝臓で分解されるため、アルコールを大量に長期間摂取するようなことがあると、肝臓がダメージを受けてしまうということでした。また、肝臓に問題がある時には、かゆみなどの症状が出る場合があるということでした。普段からアルコールを飲んでいるという方は、定期的な検査を受けたり、節酒を心がけましょう。

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