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風邪に抗生物質が効かない理由とは?そもそも抗生物質とは?
「抗生物質は風邪に効くのだろうか…?」
抗生物質を飲むことで、すぐに体調が改善する、抗生物質はウイルスや細菌を退治する、風邪は抗生物質で治ると考えている方は多くいらっしゃいます。しかし実際には、風邪ウイルスに抗生物質は効きません。では、なぜ風邪に抗生物質が効かないのでしょうか?
今回は、「抗生物質が風邪に効かない理由」と「抗生物質服用時の注意点」について解説していきます。
Contents
そもそも抗生物質とは?
抗生物質は細菌を退治する力のある薬です。イギリスの細菌学者であるフレミングがぶどう球菌の培養中に、青カビがシャーレーの一部にでき、そのまわりはぶどう球菌が成育されなかったことから、青カビの中に菌を抑える物質があることを発見しました。これが、初めて発見された抗生物質のペニシリンです。抗生物質が生まれたことで、不治の病と言われていた結核などの病気が、治療できるようになったのです。しかし、ウイルスと戦う力は持っていないため、ウイルス性の疾患には効きません。
抗生物質を使うのはどんなとき?
抗生物質が処方される疾患は、下記の通りです。
・肺炎球菌による肺炎
・大腸菌による膀胱炎
・サルモネラ属菌による食中毒
・溶連菌による咽頭炎 など
抗生物質は、これらの疾患などに罹っている患者に向けて、医師の診断の上処方されます。
風邪について
風邪は主にウイルス感染を原因として起こり、風邪を引き起こすウイルスは200種類以上あると言われています。具体的な風邪ウイルスの例は次のようなものです。
・ライノウイルス
・コロナウイルス
・RSウイルス
・アデノウイルス
・パラインフルエンザウイルス
・エンテロウイルス
聞き覚えがないと感じる方も多いと思いますが、風邪をひくたびに何らかのウイルスに感染しているということです。感染したウイルスによって症状に多少の違いはあるものの、風邪をひくと発熱・咳・くしゃみ・倦怠感・鼻水・鼻づまり・喉の痛みなどの体調不良が現れます。これらの風邪ウイルスは年々変異し、何度も感染を繰り返します。
なぜ風邪には抗生物質が効かないのか?
風邪の原因は9割がウイルス感染によるものです。そのため、細菌をターゲットとした薬である抗生物質を服用しても、効果を得られません。風邪ウイルスには特効薬がないことから、風邪は対症療法をしながら、自分の免疫力で治さなくてはいけないのです。
耐性菌とは?
抗生物質は無闇に服用してはいけない薬です。抗生物質を飲む機会が多い方は、抗生物質が効きにくくなる作用がある耐性菌が増えてしまいます。耐性菌が増えれば増えるほど、抗生物質が効かない体になっていくでしょう。
耐性菌の存在によっていざというときの治療が、難航してしまう可能性があります。日本は抗生物質の使用頻度が高いことから、日本人は世界的に見ても耐性菌が多い国と言われています。
抗生物質の副作用について
抗生物質の代表的な副作用は下痢です。腸内細菌が抗生物質によって死んでしまい、下痢を引き起こすのです。その他にも、蕁麻疹・肝機能障害などの副作用が出る場合もあります。抗生物質の副作用が出やすい方は、抗生物質が処方されるタイミングで医師に相談しましょう。
抗生物質の注意点について-医師の指示を守り使い切ること-
医師から抗生物質が処方された時には、医師の指示通りに抗生物質を服用することが大切です。例えば、症状が良くなってきたからと言って「1週間で飲み切るように」と言われた抗生物質を、中断してはいけません。医師が抗生物質を処方したということは、抗生物質が必要な状態だと診断されています。
症状が良くなったとしても抗生物質を自己判断で中断すると、細菌が残っており症状が再発・長期化してしまう恐れがあります
風邪をひいたら休養をとることが大切
風邪の辛い症状を和らげたいという思いから、薬に頼ってしまう方は多いですが、風邪を治すために重要なこと
は休養です。人間の体は、本来風邪ウイルスを退治する力があります。水分と栄養をとってしっかり体を休めれば、体の免疫力によって風邪は治っていくでしょう。
まとめ:風邪に抗生物質が効かない理由とは?そもそも抗生物質とは?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・風邪のほとんどがウイルス感染によるものである
・抗生物質は細菌を殺すための薬であるため、風邪に抗生物質が効かない
・抗生物質の主な副作用に下痢がある
・抗生物質が処方されたら必ず医師の指示通り使いきること
以上の点が重要なポイントでした。風邪の治療には休養が重要であることを理解し、薬だけに頼らず、しっかり体を休めると良いでしょう。
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