朝の血圧が高い「早朝高血圧」とは？

「朝の血圧が高いのはなぜだろう…？」
「早朝高血圧について知りたい…」
朝の血圧が高くなる「早朝高血圧」を知っていますか？血圧は本来一日中一定ではなく、人間の行動や感情に合わせて変動しているものですが、早朝高血圧になると朝の血圧が上がり過ぎてしまうのです。

今回の記事では、早朝に血圧が上がりやすい理由や、早朝高血圧の危険性について解説していきます。

早朝高血圧とは？

早朝高血圧とは、朝起きてから血圧上昇までの時間が短く、急速に血圧が上がってしまう状態のことを指しています。本来人間は眠っている間に最も血圧が低くなり、朝起きて活動を始めてから少しずつ血液量が増えて血圧も上がっていきます。昼までにゆっくりと血圧が上がって行く状態が、健康的な状態だと言えるでしょう。

早朝高血圧は、起床後1.2時間以内の上の血圧が135mmHg以上、または下の血圧が85mmHg以上まで上がるのが、診断の基準になります。夜間に血圧が高い状態が維持されるものは、夜間高血圧と言います。

早朝高血圧のリスクとは？

早朝は、心筋梗塞や脳梗塞などの発症が多く、早朝高血圧は心血管疾患リスクと関連していると言われています。本来であれば緩やかに上がっていくべき血圧が、急上してしまうことで心疾患や脳血管疾患を引き起こす恐れがあるのです。特に、高齢者の場合には血液がドロドロした状態で、急激に血圧が上がると、血管が詰まってしまう場合があります。

早朝高血圧の原因は？

早朝高血圧の原因と考えられるものは、次の通りです。

寒さ

寒くなると、体温を逃さないように全身の血管が収縮するため、血圧が上がりやすくなります。ですので、特に冬の朝には気を付けなければなりません。

高血圧の治療の効果が不足している

すでに高血圧の治療として投薬をしている方は、その降圧剤の効果が不足している状態です。服用した薬の効果が朝の段階で切れており、血圧が上がりやすくなっていると考えられるでしょう。

ストレスなどによる自律神経の乱れ

ストレスなどを原因として自律神経が乱れると、血圧のコントロールが上手くいかなくなります。睡眠中は副交感神経が血圧を下げるように働きかけますが、副交感神経よりも交感神経の方が優位な状態が続くと睡眠の質が下がるだけでなく、朝まで血圧が低くならないままになってしまうのです。

飲酒や喫煙の影響

アルコールは睡眠の質を下げて脱水症状を起こし、翌朝の血圧を高くします。また、タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激して血圧を上げてしまうのです。普段から喫煙習慣のある方は、早朝高血圧に注意するべきでしょう。

持病を持っている

糖尿病・腎臓病・睡眠時無呼吸症候群などの病気の影響で自律神経が乱れ、朝の血圧が高くなることもあります。

早朝高血圧を防ぐためにできることとは？

早朝高血圧を防ぐ、改善するためには、次のような取り組みが効果的です。

寒さ対策をする

お風呂に浸かる、就寝前にストレッチをするなどの方法で寒さ対策をします。しっかりと体を温めることで血圧の急上昇を防ぎましょう。また、特に寒い時期には暖房器具のタイマー機能を使って、起床前に部屋を暖かくしておきます。お風呂に入る際は、熱すぎるお風呂は避け、脱衣所との温度差に気を付けましょう。

起床後に体に負担のかかる動きをしない

起床後すぐに立ち上がる、朝風呂に入る、冷たい水で顔を洗うなどの行動を避け、ゆっくりと血圧を上げていくことを意識して過ごしてください。

毎朝血圧を測る

家庭用の血圧測定器を購入して、毎朝血圧を測る、記録する習慣をつけましょう。朝と夜で血圧測定をして記録を残せば、自分の血圧が上がるタイミングや平均の血圧が分かりやすくなります。血圧を上げる要因を見つけられる可能性もあるでしょう。

生活習慣を整える

早朝高血圧の方は、高血圧を改善させるための生活習慣の見直しを積極的に行うべきです。
血圧を低くするためには
・果物や野菜を積極的に食べる
・禁煙する
・お酒を控える
・肥満を解消する
・塩分を制限する
・適度な運動をする
・ストレスを溜めない
などの対策があります。健康的な生活を送ることで、その他の疾患も予防できるでしょう。

服用を見直す

すでに高血圧の投薬治療を行なっている方は、朝に血圧が高くなっていることを医師に相談し、薬の種類・服用タイミングなどを見直してもらいます。より効果的な治療が進められるようになるでしょう。

まとめ：朝の血圧が高い「早朝高血圧」とは？

いかがでしたか？今回の内容としては、
・早朝高血圧は、朝に急速に血圧が上がってしまう状態のこと
・朝に急激に血圧が上がると血管が詰まって、心筋梗塞や脳梗塞につながる場合がある
・早朝高血圧の原因は寒さや自律神経の乱れなどが挙げられる
・早朝高血圧を防ぐためにできることは、生活習慣の見直しや寒さ対策である
以上の点が重要なポイントでした。早朝高血圧は心疾患や脳血管疾患を引き起こす可能性のある状態ですので、血圧を毎日図り、放置せずに対処しましょう。