嗅覚障害はなぜ起こる?鼻炎による影響について

「鼻炎によって嗅覚障害がおこっている…」
「嗅覚障害について深く理解したい…」
皆さんご存じのとおり、人間には味覚・嗅覚・聴覚・触覚・視覚の五つの感覚があり、嗅覚は匂いを感じ取るための感覚です。人間は多くの情報を視覚や聴覚から得ており、嗅覚で察知する情報はわずかだと言われていますが、匂いは危険を知らせる、生活を豊かにするために欠かせないものです。

今回は、嗅覚の働きが鈍くなったり、なくなったりする「嗅覚障害」をテーマにお届けしていきます。嗅覚障害や鼻炎にお困りの方はぜひご覧ください。

Contents

嗅覚障害とは?

嗅覚障害になると、匂いを正確に感じることが難しくなってしまいます。嗅覚障害の具体的な症状は下記の通りです。
・匂いを感じない
・匂いが分かりにくくなる
・本来の匂いと別の匂いを感じる
・本来の匂いよりも強く匂いを感じる
匂いを感じにくくなる、感じなくなるという症状が嗅覚障害では多く、匂いが分からなくなる状態を「無臭症」と呼びます。

嗅覚障害はなぜ起こる?

風邪やアレルギーで鼻がつまり、単純に匂いが鼻の奥まで届かない状態になっているのなら、鼻づまりが治るとともに嗅覚も戻ってきます。しかし、ウイルスの侵入によって嗅粘膜が変化してしまった場合や、何らかの病気で脳が障害を受けている場合にも嗅覚が感じられなくなることがあるのです。嗅覚障害に悩んでいるのなら、まずは原因を特定するために病院を受診するべきでしょう。

匂いがわからない場合に考えられる病気について

続いて、匂いがわからない場合に考えられる病気について見ていきましょう。

副鼻腔炎

代表的な嗅覚障害の原因に、副鼻腔に炎症を起こす副鼻腔炎があります。副鼻腔炎になると、鼻の粘膜が腫れ、鼻の中の空気の通り道が狭くなることから、匂いが感じにくくなります。

風邪

風邪で鼻づまりになると、匂いが鼻の奥まで伝わりにくくなります。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、ハウスダストや花粉などのアレルゲンにより起こる鼻炎です。鼻水・くしゃみ・鼻づまりが主な症状ですが、嗅覚障害によって生活の質を低下させることもあります。

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスの後遺症として、嗅覚障害が起こることも知られています。新型コロナウイルスによる嗅覚障害は早期に回復する症例が多く、早期に改善する嗅覚障害は、鼻粘膜のむくみや分泌物が増えることによる「気導性嗅覚障害」が考えられます。また、長期に続く場合には鼻腔や副鼻腔に異常が見られないことが多いため、「嗅神経性嗅覚障害」となっていることが考えられます。気導性嗅覚障害や嗅神経性嗅覚障害については後述します。

参照:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」
https://www.mhlw.go.jp/content/000860932.pdf

嗅覚障害の種類について

続いて、嗅覚障害の種類について見ていきましょう。

嗅神経性(嗅粘膜性)嗅覚障害

嗅神経性(嗅粘膜性)嗅覚障害は、匂いを察知する嗅神経が傷害を受けることで起こる嗅覚障害です。嗅神経を傷つける原因には、風邪のウイルスや有害なガスなどがあります。

気導性(呼吸性)嗅覚障害

気導性(呼吸性)嗅覚障害は、鼻から入った匂いが、鼻づまりやポリープなどのせいで鼻の奥まで届かずに起こる嗅覚障害です。最も多い嗅覚障害の種類となっています。

中枢性嗅覚障害

中枢性嗅覚障害は、嗅神経や鼻粘膜には問題がないものの、脳にダメージがあって匂いを感じる情報が正しく処理されていない状態です。脳出血や頭部外傷、アルツハイマー病やパーキンソン病などで起こります。

まとめ:嗅覚障害はなぜ起こる?鼻炎による影響について

いかがでしたか?嗅覚障害は、鼻炎で鼻が詰まり匂いが鼻の奥まで届かなかったり、脳が障害を受けるなどして起こるということでした。また、下記も重要なポイントですので覚えておきましょう。
・嗅覚障害は匂いが分かりにくくなったり、本来の匂いと別の匂いを感じたりする状態である
・匂いがわからない場合には風邪やアレルギー性鼻炎、副鼻腔などが考えられる
・嗅覚障害の種類には嗅神経性嗅覚障害、気導性嗅覚障害、中枢性嗅覚障害がある
鼻がつまっているせいで匂いを感じなくなる状態は、鼻づまりが改善するとともに良くなりますが、その他の症状がないのに匂いを感じないのであれば、神経の病気の可能性もあるでしょう。