咳嗽や喀痰とは?咳嗽反射が起こる誤嚥などについても解説!

「咳嗽や喀痰とはどういう意味なのだろう…」
咳嗽は咳のことを指しており、体が異物を排除するために行う生体防御反応です。この記事では咳嗽と喀痰の関係や、誤嚥について解説していきます。これらの言葉に馴染みがないという方は、ぜひ参考にしてください。

Contents

咳嗽とは?

冒頭でもお伝えしたように咳嗽は咳のことで、「がいそう」と読みます。咳嗽は風邪やアレルギーによって起こり、その症状が長く続くと、話しにくさを感じたりストレスを感じたりするでしょう。咳嗽は症状が続いている期間によって3つの分類に分けられます。
・3週間未満の咳嗽:急性咳嗽
・3週間以上続く咳嗽:遷延性咳嗽
・8週間以上続く咳嗽:慢性咳嗽
急性咳嗽の主な原因はインフルエンザ・風邪・急性気管支炎で、遷延性咳嗽の主な原因には、咳喘息・アトピー咳嗽・胃食道逆流症・副鼻腔気管支症候群などがあります。

ほとんどの咳嗽は急性咳嗽であり、自然に治癒する可能性が高いものの、長引く咳嗽は肺がんや結核などの疾患も疑われます。また、3週間未満の咳嗽であっても、いつもの咳嗽と様子が違うと感じたら、医療機関を受診するべきでしょう。

咳嗽反射はなぜ起こる?

咳嗽が起こる原因には、刺激や炎症があります。異物が喉に入り込んだ時には、咳によって異物を体外に排出するのです。咳嗽反射はウイルスや細菌の侵入によっても引き起こされます。次に、具体的な咳嗽が起こるメカニズムを説明します。

まず喉に異物が入り込んだことを、気道の粘膜表面にある咳受容体というセンサーが感じ取ります。この刺激が咳中枢に伝わると、横隔膜や肋間膜に司令が送られ、咳嗽が起こるのです。また、咳嗽には体内の入り込んだ異物を外に出す働きの他に、気道に溜まった痰を体の外に出す役割もあります。

咳嗽の種類について

咳嗽は症状の長さによる分類の他にも、その症状によって2つの種類に分けられます。続いて、それぞれの咳嗽の特徴を見ていきましょう。

湿性咳嗽

湿性咳嗽では、粘り気・色のついた痰が出ます。痰が絡む咳だと考えれば良いでしょう。このような湿った咳は、風邪などのウイルス感染によって起こる場合が多いものの、気管支喘息やCOPDなどの症状でも見られます。

乾性咳嗽

痰が出ない咳または透明の痰が少量程度出る咳を、乾性咳嗽と呼び、コホンコホンという乾いた咳が特徴です。乾性咳嗽の原因には、咳喘息・感染後咳嗽・アトピー咳嗽・百日咳・心因性咳嗽などがあります。

喀痰とは?

喀痰は「かくたん」と読み、口腔・鼻腔・咽喉頭腔・気管支などからの分泌物の総称です。喀痰はウイルスや細菌の感染を防ぐ役割を持っており、ウイルスなどの異物の侵入を体が察知すると、喀痰の量が増えます。喀痰で異物を包み、体外に押し出しやすくするのです。

喀痰を伴う疾患の例は次の通りです。
・風邪
・インフルエンザ
・肺炎
・気管支炎
・気管支拡張症
・肺水腫
・副鼻腔炎
上記の疾患では、湿性咳嗽が起こります。また、ウイルスや細菌などが体に侵入していなくても、煙やほこりを吸うことでも喀痰が出ます。そのため、喀痰自体は悪いことではありません。喀痰の量が増えた時には、体が異物を察知していると考えれば良いでしょう。

喀痰の種類について

喀痰にはさまざまな種類があり、色や形状の違いによって喀痰を分類できます。
・粘膿性:粘液性と膿性がまじったもの
・血性:血がまじったもの
・漿液性:水のような透明でサラサラとしたもの
・漿液粘膿性:漿液性と膿性がまじったもの
・粘性線維素性:透明度のある赤褐色で粘り気がある
・粘液性:白色でネバネバしている
・膿性:黄色で強い粘り気がある
痰のまじっていない血は喀血と呼び、血性には分類されません。痰の種類によって疾患が推測可能なこともあるため、痰が増えたと感じている時には、その形状を確認しましょう。

痰の色でわかる疾患について

先ほども説明したように、痰にはさまざまな色・形状のものがあります。痰の色を見れば、その原因である疾患が推測できます。
・白色:気管支喘息・気管支炎など
・茶色:肺炎・肺結核・肺がんなど
・赤色:肺出血・肺がんなど
・緑色や黄緑色:慢性副鼻腔炎・緑膿菌の感染など
・黄色:細菌感染など
本来、喀痰は無色透明であり、上記のような色がついている状態は、何らかの疾患が疑われます。そのため、色のついた喀痰が出る場合には、医療機関を受診するべきでしょう。医師にその他の不調の説明とともに、痰の状態も伝えてください。

誤嚥とは?

誤嚥(ごえん)とは食べ物が食道ではなく気管に入り、むせる状態のことを指します。食べ物は気管を刺激し、咳として排出されるでしょう。誤嚥と似た言葉に誤飲というものがありますが、誤飲は食べ物以外のものを口から摂取する行為を示しています。

また、誤嚥によって気管に入ってしまった食べ物が、咳で体外に排出しきれなかった時に、肺炎につながる恐れがあります。この状況を「誤嚥性肺炎」と呼び、体力が低下した高齢者に多い疾患です。一度誤嚥性肺炎を起こすと、気道粘膜を完全に回復させるまでに時間がかかります。その間に粘膜の感覚が鈍り、咳が起こりにくくなることから、誤嚥による肺炎のリスクが高まるという悪循環に陥ってしまうのです。

まとめ:咳嗽や喀痰とは?咳嗽反射が起こる誤嚥などについても解説!

いかがでしたか?咳嗽は咳、喀痰は痰、誤嚥はむせることを意味する言葉であるということでした。咳嗽・喀痰・誤嚥には深い関わりがあり、どの機能も、人間の体内に入り込んだ異物を外に排出するために欠かせない防御反応となっています。

咳嗽の多くはウイルス感染によって引き起こされますが、他の疾患に罹っている可能性は否定できません。喀痰の様子がいつもと違ったり咳嗽が長引いている時には、医療機関を受診して適切な治療を受けてください。

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