鉄剤とは?鉄剤の効果や副作用などについて解説!

鉄剤とは、精製した鉄粉を主原料にした貧血の治療に用いられる薬のことで、鉄欠乏性貧血の治療に用いられます。この記事では、鉄剤についての基本的な知識とともに、その効果や副作用を説明しましょう。

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鉄剤の作用とは?

鉄剤は主に鉄欠乏性貧血の治療に用いられる薬剤で、鉄剤を服用すれば体内に鉄分を効率良く補給できます。鉄剤によって、ヘモグロビンの合成が促進されることで赤血球が増え、辛い貧血などの症状を緩和できるでしょう。

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は体内にある鉄分・ヘモグロビンが不足することで、酸素の運搬能力が下がり、体中に十分な酸素を供給できない状態を指しています。貧血の他、息切れ・倦怠感・動悸などの症状が現れ、発症者の多くは女性です。

鉄欠乏性貧血の原因には、以下のようなものがあります。
・子宮筋腫や子宮内膜症による月経過多
・妊娠などによる鉄の需要量増大
・十二指腸切除後などの鉄の吸収不良
・偏った食事による鉄分不足
・激しい運動
・胃がんや大腸がんなどを原因とした慢性的な出血
このような原因によって、体の鉄のバランスが崩れてしまうのです。

鉄剤の効果と服用方法について

1日1,2回食前に鉄剤を飲めば効率良く鉄分が補えるため、通常2〜3週間程度で鉄欠乏性貧血の症状が改善していきます。しかし、治療を中断するとすぐに症状が戻ってしまう場合が多も多く、数ヶ月間の服用が必要になる場合もあります。

鉄剤の副作用

鉄剤にはいくつかの副作用があり、あまりに副作用が辛い場合には服用タイミングや薬の種類の変更などが検討されます。代表的な副作用の例は下記の通りです。

消化器症状

鉄剤の服用によって吐き気・嘔吐・胃痛・腹痛・便秘などの副作用が現れる可能性があります。

抗菌薬と鉄剤の飲み合わせについて

キノロン系抗菌薬・テトラサイクリン系抗菌薬と鉄剤を一緒に服用すると、薬の吸収を阻害し合う恐れがあります。そのため、服用タイミングをずらすなどの調整が必要でしょう。

食事から鉄分を摂取する

鉄剤の服用だけでなく、食事から積極的に鉄分を摂取すれば、より早く鉄分不足を改善できます。鉄分を多く含む食材の例は次の通りです。
・小松菜
・レバー
・大豆製品
・赤身の肉
・赤身の魚
・ひじき
野菜よりも肉に含まれる鉄の方が吸収率は高く、ビタミンCと同時に摂取することでより吸収しやすくなります。赤身の肉料理にレモンをかけるなどの方法で、効率良く鉄分が摂取できるようにしましょう。また、意外と思われるかもしれませんが、鉄鍋や南部鉄器を使用して調理すると鉄分が溶け出して、鉄分摂取につながります。

ヘム鉄と非ヘム鉄について

鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類あり、レバー・牛肉・いわし・かつお・まぐろに多くヘム鉄は含まれており、野菜や海藻などには非ヘム鉄が多く含まれています。前項で、野菜よりも肉に含まれる鉄の方が吸収率は高いとお伝えしましたが、それがヘム鉄になります。

鉄分を過剰摂取するとどうなる?

鉄分を過剰摂取すると、吐き気・嘔吐・便秘といった胃腸障害があらわれることがあります。ただし、鉄分は基本的に不足しがちであるといわれています。

まとめ:鉄剤とは?鉄剤の効果や副作用などについて解説!

いかがでしたか?鉄材は鉄欠乏性貧血の治療に用いられる薬のことで、服用すれば効率良く鉄分を補給可能です。また、鉄剤からだけではなく、食べ物から鉄分を摂取することも大切です。鉄分はレバー・牛肉・いわし・かつお・まぐろなどに含まれていますから、鉄分不足が気になる方は参考にしていただければと思います。