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市販の解熱剤について徹底解説!市販の解熱剤にはどのような製品がある?
解熱剤はさまざまな種類のものが販売されているため、「どれを買えばいいのかわからない…」「安くて効果的な解熱剤はどれだろう…」「病院でもらえる解熱剤と同じ強い効果がある市販の解熱剤はあるのか…」と悩まれる場合が多いかと思います。
そんな方に向けて、今回は市販の解熱剤をテーマに以下について解説していきます。
・解熱剤のメリット・デメリット
・解熱剤の成分であるロキソプロフェンについて
・ロキソプロフェンを含む市販の解熱剤について
・市販の解熱剤と処方薬の違い
・解熱剤のリスク
ぜひ最後までご覧ください。
Contents
そもそも解熱剤とは?
解熱剤とは、発熱時に熱を下げるために使われる薬剤のことをいいます。解熱剤は病気を治すものではなく、一時的に和らげる対症療法の薬です。
熱がでるメカニズムについて
風邪などで熱がでる理由は、体内に入り込んだウイルスや細菌の増殖を抑えるための防御反応になります。つまり、体温を上げることにより免疫機能を高めて、ウイルスなどに対抗しているということです。体温の高さや熱が持続する期間は、ウイルス、病気の種類によって変わります。
解熱剤のメリット・デメリット
続いて、解熱剤のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
解熱剤のメリット
解熱剤のメリットは、一時的に熱を下げることができるため体力の消耗を抑えられる点です。熱が高い場合に解熱剤を利用すれば、自覚的にだいぶ楽になります。
解熱剤のデメリット
発熱は2週間以内に治癒するものですが、安易に解熱すると症状が長引く可能性もあります。熱が出るメカニズムがウイルスや細菌と戦うための防御反応であるため、その防御反応を防いでしまうことになります。
そのため、「熱が出れば解熱剤を必ず使うべき」というものではありません。熱があっても、食事や睡眠をしっかりとることができ、苦しいものでなければ解熱剤は使わないという選択肢もあります。
どんなときに解熱剤を使う?
解熱剤を使うタイミングとしては、
・高熱のため眠ることができない
・熱によって体力を消耗している
・高熱によって水分や食事の摂取がしっかりとれない など
以上が挙げられます。発熱自体が悪いわけではありませんので、ただ単に熱を下げるために使うのではなく、上記を解消するために利用すると良いでしょう。
ロキソプロフェンやロキソニン(医療用医薬品)・ロキソニンS(市販薬)について~
頭痛薬・解熱剤と言われると、医療用医薬品のロキソニン(製造販売元:第一三共株式会社)や、ロキソニンSなどの市販薬を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?医療用医薬品のロキソニンの主成分は、ロキソプロフェン(ロキソプロフェンナトリウム水和物)であり、このロキソプロフェンが、解熱効果をもたらします。
そもそもロキソプロフェンナトリウム水和物は、第一三共株式会社が開発した非ステロイド性消炎鎮痛剤であり、1986年にロキソニン(医療用医薬品)として承認を得て発売されました。
その後2011年には「ロキソニンS」の名称で、市販薬(スイッチOTC医薬品)も販売されるようになったのです。現在ではロキソプロフェンが含まれた市販薬は、第一三共だけでなく、さまざまな会社から販売されています。
「ロキソプロフェン」の特徴
「ロキソプロフェン」の主な作用は鎮痛作用・抗炎症作用・解熱作用であり、これら3つの作用がバランス良く働きます。医療用医薬品であるロキソニンの効能・効果としては、関節リウマチ・変形性関節症・腰痛症・肩関節周囲炎・顎肩腕症候群・歯痛・解熱・鎮痛・消炎が挙げられます。この、効能・効果を見れば、抗炎症症などがあることはすぐに理解できますね。
ロキソプロフェンの副作用
解熱鎮痛剤は、胃粘膜の防御因子であるプロスタグランジンという物質を阻害するため、胃粘膜がダメージを受けてしまいます。(ただし、ロキソニンS(第一類医薬品)などは、成分が体内で吸収されてから活性型に変化するプロドラッグ製剤であるため、副作用は軽減されています。)
ロキソプロフェンは、他にもさまざまな副作用が起こり得ます。
皮膚:発疹・かゆみなど
消化器:腹痛・食欲不振・吐き気・嘔吐・胸やけなど
循環器:血圧上昇・動悸など
精神神経系:しびれ・めまいなど
その他・顔面のほてり・貧血など
重大な副作用としては、アナフィラキシーショック・うっ血性心不全・喘息発作なども挙げられます。もちろん、どのような薬でも副作用はありますので、それは理解しておきましょう。
市販で購入できる解熱剤を紹介
市販で購入できる解熱剤として、ロキソプロフェンの配合された薬がある点は知っていただけたかと思います。実際に、ロキソプロフェンの配合された市販の解熱剤は数多くの商品が販売されていますので、続いてそれぞれについて紹介していきます。
ロキソニンS (製造販売元:第一三共ヘルスケア株式会社-第一類医薬品)
有効成分は医療用医薬品のロキソニンと同様に、ロキソプロフェンのみの解熱鎮痛薬です。他の有効成分は含有されていませんので、医療用医薬品のロキソニンのようにシンプルであると言えるでしょう。
成人15歳以上は、基本的に2回までの服用回数になります。(再度症状があらわれた場合には4時間以上を空けて3回目を服用できる)そして、15歳未満は服用することができません。
効能・効果は、頭痛・月経痛・歯痛・咽頭痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛・悪寒・発熱時の解熱となっています。
ロキソニンSプラス(製造販売元:第一三共ヘルスケア株式会社-第一類医薬品)
ロキソニンSプラスは、ロキソプロフェンの他に、酸化マグネシウムが含まれている薬です。酸化マグネシウムは胃粘膜を保護するはたらきがあるため、ロキソニンSに胃を守る成分がプラスされているということになります。
服用回数はロキソニンSと同じであり、15歳未満は服用できない点も一緒です。
ロキソニンSプレミアム (製造販売元:第一三共ヘルスケア株式会社-第一類医薬品)
ロキソニンSプレミアムは、ロキソプロフェンの他に、痛みを抑える効果を高めるアリルイソプロピルアセチル尿素、痛みを抑える働きを助ける無水カフェイン、胃粘膜を保護する働きを持つメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが含まれています。
ロキソプロフェンに加えて、胃粘膜保護作用で胃を守ったり鎮痛効果を高めたりする成分が含まれているのが、この製品のポイントです。
ロキソニンS、ロキソニンSプラス、ロキソニンSプレミアムを服用している間は、他の解熱鎮痛薬や風邪薬、乗り物酔い薬は併用してはいけません。また、服用後の飲酒、長期連用もNGです。ロキソニンSプレミアムに関しては、眠気があらわれることがありますので、服用後、車の運転などはしないでください。
コルゲンコーワ鎮痛解熱LXα(製造販売元:興和株式会社-第一類医薬品)
コルゲンコーワ鎮痛解熱LXαは、ロキソプロフェンに加えて、トラネキサム酸が配合されています。このトラネキサム酸には、炎症を起こす酵素であるプラスミンを抑制する働きがあります。そして、ノンカフェインであるため、就寝前の服用にも適していたり、車などの運転に関する注意書きもありません。
ロキソプロフェン錠「クニヒロ」(製造販売元:皇漢堂製薬株式会社-第一類医薬品)
解熱鎮痛薬のロキソプロフェン錠「クニヒロ」は、ロキソニンSと同じくロキソプロフェンのみが有効成分となっています。ただし、添加物はロキソニンSと違いがあります。
<ロキソニンSの添加物>
ヒドロキシプロピルセルロース・ステアリン酸Mg・乳糖水和物・三二酸化鉄
<ロキソプロフェン錠「クニヒロ」の添加物>
乳糖水和物・セルロース・ポビドン・部分アルファ―化デンプン・クロスポビドン・無水ケイ酸・ステアリン酸マグネシウム・三二酸化鉄
ロキソニンSの方が添加物の種類は少ないことがわかりますね。また、ロキソプロフェン錠「クニヒロ」には、眠くなる成分や習慣性のある成分は含まれていません。
エキセドリンLOX (製造販売元:ライオン株式会社-第一類医薬品)
エキセドリンLOXも、有効成分がロキソプロフェンのみになっています。ここまで紹介した他のロキソプロフェンを含んだ市販薬では、頭痛や生理痛にフォーカスしていましたが、この製品は腰痛・肩の痛みにフォーカスした製品展開をしています。(ただし、有効成分は先述した通り、ロキソプロフェンのみ)
バファリンEX (製造販売元:ライオン株式会社-第一類医薬品)
バファリンEXの成分としては、ロキソプロフェンの他に乾燥水酸化アルミニウムゲルが含まれており、この成分が胃酸を中和し、胃粘膜を保護してくれます。乾燥水酸化アルミニウムゲルは他の薬・成分による胃の荒れを予防する効果がありますので、バファリンEXだけでなく小林薬品工業株式会社のユニペインや、アラクス株式会社のオトナノーシンピュアなどにも含有されています。
ロキソプロフェンが含まれた薬でも効能・効果は異なる
「ロキソプロフェン」が有効成分である薬でも、他の成分が含まれていたり、添加物が違ったりしますので、全て全く一緒の効果であるというわけではありません。その点を踏まえて、自分に合った市販薬を選ぶようにしましょう。
これまで市販で購入できる解熱剤について、具体的な商品を交えて紹介してきました。市販薬は処方薬と比べて「本当に効果があるのか」「安全なのか」不安に思う方もいらっしゃると思います。次は、市販で購入できる解熱剤の効果が処方薬に比べてどれほどのものなのか、また、安全性は保たれているのかについて話したいと思います。
市販薬(一般用医薬品)と処方薬(医療用医薬品)の安全性の違い
医療用医薬品と一般用医薬品のどちらがより安全なのか?安全性の定義は様々だと思いますが、基本的に一般用医療品(市販薬)は、多くの人が安心して使用出来るように安全性の高い成分が使用されています。
有効成分の量も控えめに作られている薬が多く、副作用が起こりにくいようになっています。また、一つの薬で幅広い症状に対応できるようになっているのが特徴で、医療用医薬品と比較して効き目も穏やかなものが多いです。
処方薬(医療用医薬品)と市販薬(一般用医薬品)について
市販薬と処方薬の違いは何か?ということで、一般的にドラッグストアやオンラインでも購入できる市販薬と医師から処方箋をいただき調剤薬局で購入する処方薬の違いについて述べたいと思います。
処方薬(医療用医薬品)と市販薬(一般用医薬品)の違い
処方薬(医療用医薬品)は、作用や使用方法などの点で医師や薬剤師などの専門家による管理が必要であり、保険が適用される(一部例外を除く)医薬品のことをいいます。
医師から処方箋を受け取り、医療機関や保険薬局にて調剤をされて受け取る薬は、医師の診断によって自身の病状にあわせて種類や量が決められた医療用医薬品です。個人の症状や性質に合わせて処方された薬ですので、医師の指示通りに使用しなければなりませんし、自己判断で保管して使用したり、他の人に譲ったりしてはいけません。
それに比べてここで言う市販薬とは、一般用医薬品や要指導医薬品のことを指します。これらの薬は、一般の人が薬剤師などのアドバイスのもとに薬局やドラッグストアなどで購入し、自分の判断で使用してもよい薬です。成分の種類や含有量などの観点から、指示されている用量の範囲では比較的安全とされ、また、誰にでも使いやすいように工夫されております。
市販薬は一般消費者でもわかりやすく添付文書に記載されている
市販薬の総合感冒薬のように、いろいろな症状に効くように何種類もの薬が混ざったものから、熱、鼻水、せき、胃痛、など症状をピンポイントに緩和する薬もあり、効能・効果は、一般消費者でも比較的わかりやすいようになっております。使用量や使用方法などがわかりやすく記載された説明書(添付文書)が付いていますので、説明書(添付文書)を必ず読んで服用するようにしましょう。
処方薬(医療用医薬品)と市販薬(一般用医薬品)では効き目が異なることがある
注意点として、処方薬(医療用医薬品)と市販薬(一般用医薬品・要指導医薬品)で同じ効果を表示している場合でも、成分が異なったり、含量が異なったり、効き方や効き目が異なることがあります。医療用医薬品に含有する成分の効能・効果を知っているからと言って、その成分を含む市販薬が全く同じということはないので注意しましょう。
市販の解熱剤を使ってはいけないケース
まず前提として、解熱剤は一時しのぎの薬であり、使いすぎると低体温になったりしますので、注意して使用しなければならないことを念頭に置きましょう。
また、発熱したときあまり深く考えずに解熱剤を使用することはありませんか?実はインフルエンザで解熱剤を使用すると、インフルエンザ脳症の発症リスクが高まるとされています。全ての解熱剤がそうであるというわけではなく、成分がアセトアミノフェンの薬は問題ないとされており、具体的な医療用医薬品としてはカロナールやピリナジンが挙げられます。
今回主に紹介した成分であるロキソプロフェンに関しては、そのリスクが高まるとされていますので、市販薬として手軽に手に入る一方で、このようなリスクがある点は十分理解しておきましょう。特にインフルエンザ脳症は小児がかかりやすい合併症です。間違えても、熱が高いからと子供に大人用の市販薬は使用することなく、15歳未満は服用不可などといった注意事項はしっかり守りましょう。
市販で販売されている小児用の解熱剤の成分を見ていただくと分かりますが、『小児用バファリンチュアブル(製造販売元:ライオン株式会社-第二類医薬品)』など、アセトアミノフェンが有効成分となっています。
症状に不安があれば病院へ行くこと
市販で購入できる解熱剤は、度重なる研究によってその安全性が証明されたがゆえに市販で購入できるようになっているわけですが、思いもよらぬ形で逆効果をもたらす場合は当然あります。ですので、その症状にもよりますが、少しでも不安があるようでしたら医師の診断を受けるようにしましょう。
まとめ:市販の解熱剤について徹底解説!市販の解熱剤にはどのような製品がある?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・解熱剤のメリットは一時的に熱を下げることができるため体力の消耗を抑えられる点。デメリットは安易な使用で症状を長引かせてしまうことがある点
・解熱剤を使うタイミングは高熱のため眠れなかったり水分や食事の摂取できなかったりするとき
・ロキソプロフェンという成分が解熱には有効
・ロキソプロフェンが含まれた市販薬にはロキソニンSやロキソニンSプレミアムなどがある
・医療用医薬品は病院に行って処方される薬であり一般用医薬品はドラッグストアなどで買える
以上の点が重要なポイントでした。市販の解熱剤は、タイミングを考えて利用することと、リスクもあることを十分に理解した上で選ぶようにしましょう。市販の解熱剤と一口に言っても含まれる有効成分はそれぞれですので、成分に目を向けると製品は正しく選ぶことができるようになります。また、セルフケアをする上で不安な点などあれば、市販薬を購入する前に薬剤師や登録販売者の方に相談するようにしましょう。