なぜ薬とグレープフルーツの飲み合わせが駄目と言われるのか?

「薬を飲む場合にグレープフルーツは良くないって聞くけど本当…?」
「薬とグレープフルーツの飲み合わせについて知りたい…」
皆さんは、薬の飲み合わせについて考えたことはありますか?薬には一緒に摂取するべきではない飲み物や食べ物が存在し、特に注意するべき食べ物として有名なのがグレープフルーツです。

この記事では「薬の相互作用について」と、「グレープフルーツと薬の関係」について解説していきます。薬の飲み合わせに不安を感じているのなら、ぜひ参考にしてください。

Contents

相互作用とは?

薬の相互作用とは、他の薬や飲食物と薬の組み合わせによって薬の効果が強くなってしまったり、効果が打ち消されてしまうことを指しています。薬の相互作用は薬の服用・吸収・代謝のどの過程でも発生し、場合によっては症状の悪化につながる恐れもあります。相互作用について不安な方は、事前に医師や薬剤師に相談することです。

薬とグレープフルーツはなぜ飲み合わせが悪いの?

グレープフルーツは、薬の飲み合わせに注意するべき果物として知られています。多くの薬は服用後、肝臓内の代謝酵素で分解されますが、グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という成分はその働きを抑えてしまうのです。その結果として薬の代謝が進まず、薬が分解されにくくなり、薬の効き目が強まって副作用が心配されます。

グレープフルーツと飲み合わせの悪い薬について

グレープフルーツと飲み合わせが悪い薬の例は、次の通りです。
・高血圧や狭心症などで処方されるカルシウム拮抗薬(カルブロック・アテレック・ワソラン・アダラートなど)
・免疫抑制剤(ネオーラル・プログラフ・サンディミュンなど)
・コレステロールを下げる高脂血症治療薬(リポバス・リピトールなど)
・不眠症治療薬(ハルシオンなど)
その他にもグレープフルーツとの飲み合わせが良くない薬は多く存在するため、グレープフルーツを頻繁に食べるという方は、薬を受け取る際に確認するべきでしょう。

ジュースは特に注意が必要?

グレープフルーツ1個とグレープフルーツジュースでは、飲食で摂取してしまうフラノクマリン類の量が変わります。生のグレープフルーツを1個食べるよりも、グレープフルーツジュースの方が、ジュース化する上で多くのグレープフルーツが必要となり、その分多くのフラノクマリン類を含んでいるのです。

そのため、薬を服用している期間はグレープフルーツジュースを飲むことを避けるべきでしょう。同様に、グレープフルーツ関連の加工食品にも注意しなくてはいけません。特にグレープフルーツの皮を使った加工食品はフラノクマリン類が多く含まれる可能性があります。

グレープフルーツ以外にも飲み合わせで注意すべき食べ物について

グレープフルーツは薬との飲み合わせを注意するべき代表的なフルーツですが、グレープフルーツ以外の果物にもフラノクマリン類が含まれています。フラノクマリン類が多く含まれるグレープフルーツ以外の果物は、次の通りです。
・甘夏ミカン
・日向夏
・ハッサク
・レモン
・イチジク
・ザクロ など

グレープフルーツジュースは薬の服用からどれぐらい空ければいい?

飲み合わせと聞くと、同時に飲まなければ大丈夫なのではないかと考える方もいますが、グレープフルーツによる薬への影響は数十時間・数日間続くと言われています。薬の効果の持続期間も薬によって異なることから、グレープフルーツは服薬前後、数日間摂取するべきではないと言えるでしょう。

グレープフルーツと飲み合わせの悪い薬を服用している間は、グレープフルーツを食べたり、グレープフルーツジュースを飲まないようにするべきです。

薬とサプリメントは一緒に飲んでも大丈夫?

サプリメントは食事だけでは補いにくい栄養素を補給するために活用されるものですが、薬との飲み合わせに適していないサプリメントも存在します。例えば、血液をサラサラにする血小板凝集抑制薬は、ビタミンKを含んだサプリメントと一緒に服用すると、効果に影響を与えてしまいます。

そのため、サプリメントを日常的に服用しているのなら、医師や薬剤師に申し出るようにしてください。飲み合わせに問題がないかを確認してくれるでしょう。

まとめ:なぜ薬とグレープフルーツの飲み合わせが駄目と言われるのか?

いかがでしたか?グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という成分は、効き目を強めてしまうなど、薬に影響を与えてしまうということでした。また、グレープフルーツとの飲み合わせに注意するべき薬は次の通りです。
・高血圧や狭心症などで処方されるカルシウム拮抗薬
・免疫抑制剤
・コレステロールを下げる高脂血症治療薬
・不眠症治療薬
普段からグレープフルーツを食べる習慣があるのなら、処方された薬とグレープフルーツの飲み合わせについて医師や薬剤師に確認しましょう。