発熱とは何度からのこと?高熱は何度のことを指す?

「発熱は何度からの体温をいうのだろうか…」
「人によって平熱は違うが、一般的に発熱は何度からのことなのだろう…」
発熱があれば予防接種が受けられなかったり、「発熱があれば休んでください…」などと言われることがありますが、一般的に発熱は何度からのことをいうのでしょうか?

今回の記事では、「何度からの体温を発熱と呼ぶのか?」また「高熱や微熱との違い」をテーマにお届けしていきます。

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発熱は何度からのこと?

発熱は何度からのことを言うのでしょうか?平熱は人によって違いますので、同じ37.5度であっても平熱が低い人、高い人によって感じ方が変わります。そのため明確な定義はないものの、感染症法に基づく医師の届出基準には、「発熱とは体温が37.5℃以上を呈した状態をいい、高熱とは体温が38.0℃以上を呈した状態をいう。」との記載があります。

また、「新型コロナワクチンの接種が可能かどうか」の基準について厚生労働省は、“明らかに発熱”している方は接種できないとし、明らかな発熱という言葉の意味を以下のように説明しています。

“明らかな発熱とは通常37.5℃以上を指します。ただし、37.5℃を下回る場合も平時の体温を鑑みて発熱と判断される場合はこの限りではありません。”

これらから考えると、一般的には37.5度以上が発熱であるが、人によっては37.5度以下でも発熱と判断されることもある、と言えるでしょう。

参照:厚生労働省「ワクチンを接種することができないのはどのような人ですか。|新型コロナワクチンQ&A」
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0025.html

高熱は何度ぐらいの体温?

前項で記載があった通り、日本では感染症法の届出基準で、38.0度以上が高熱であるとの記載があります。しかしこれも一つの基準であり、明確な指標として定められているわけではありません。

微熱は何度ぐらいの体温?

微熱とは、平熱を超えているものの発熱までではない状態を指しており、多くの場合は37.4度以下と言われていますが、37.9度の高熱未満の状態が微熱と表現されることもあります。そもそも平熱に個人差があるため、高熱と同様明確な定義はないと考えて良いでしょう。

平熱が低い場合は何度からが発熱?

36度後半が平熱の方と、35度台が平熱の方では、そもそもの平熱が1度も違うことになります。しかし、35.5度の方が36.5度になっても、病院では発熱とみなされない場合が多いでしょう。そして、平熱に関わらず、37.5度以上が発熱と捉えられる場合が多いかと思います。

発熱するメカニズムについて

発熱は、ウイルスや細菌などが体に入り込んだことを免疫細胞が察知し、脳の視床下部にその事実を伝えることで起こります。視床下部は全身に対して「体温を上げるように」指示を出し、体温を上げていくのです。

なぜなら、発熱をしている状態の方が、ウイルスや細菌と有利に戦えるためです。つまり発熱は体の防御反応であり、人間の体を守るためにあります。ですので熱があるからと言って、必ずしも解熱剤を使って熱を下げる必要はない、ということです。

体温を測る度に体温が変わる原因とは?

何度も熱を測定していると、熱を測る度に違う測定結果が出ることがあります。このような状態では、何度が正しい体温なのかが分からないと感じてしまうでしょう。

熱の測定は、体温計の当て方や当てる位置によって測定値が変化するものです。また、測定を繰り返すことで体温計が温まってしまい、測定結果が正確なものでなくなってしまうのです。そのため、熱を測り直したい時には、少し時間をおくと良いでしょう。

また、脇で体温を測る時には、まず汗をしっかり拭い測定中は動かないこと、そして脇の窪みの中央に体温計の先端部分を当てて、下から上に押し上げるように挟むと良いでしょう。

解熱剤はどんなときに必要?

先述したように、熱は体の防御反応であるためむやみに解熱剤を使うと、回復までの期間を長引かせてしまう恐れがあります。しかし、高熱の辛い症状のせいで眠れなかったり水分も取りにくい状態であれば、解熱剤を使用するべきでしょう。

体温の日内変動について

体温は一日を通して変動しています。人間は低い体温で起床し、夕方にかけて体温が上がった後に、夜に向けて下がっていくのです。一般的に体温の日内変動は、1度以内と言われています。つまり、平熱は測定する時間によっても変わるということです。

食事後は体温が上がる

体温は、体のエネルギーを消費するタイミングで上昇します。そのため、運動はもちろん食事の後にも体温が高くなります。

月経周期によって体温が変化

女性の体温は生理周期の影響を受け、1ヶ月を通して上下します。特に体温が高くなりやすいのは排卵が終わってから次の生理が来るまでの2週間で、この期間は「高温期」と呼ばれています。高温期には通常よりも0.3度程度体温が上昇します。

加齢に伴って体温が変化

体温の変動には年齢も関係しています。一般的に子供は平熱が高く、体温調整機能が未熟であるために熱も出やすくなっています。逆に、年を重ねるごとに平熱は低くなり、高齢者になると体調が悪くてもなかなか熱が出ない場合もあります。

発熱があれば仕事や学校は休むこと

熱がある状態で無理をしてしまうと体調不良が長引いたり、他の人に感染症をうつしてしまう可能性があります。ですので、発熱がある場合には無理をせずに、仕事や学校を休むべきなのです。体が防御反応を起こして異物と戦っている状態であることを認識し、できる限りしっかり体を休めてください。

発熱時の注意点について

発熱時に避けるべきことは、次のようなものです。
・高熱時やぐったりしているときの入浴
・飲酒
・脂肪分の多い食事
・運動
・睡眠不足
体調をより悪くしてしまう恐れがあるため、このような行動は控えましょう。

まとめ:発熱とは何度からのこと?高熱は何度のことを指す?

発熱とは37.5度以上の熱を指すことが多いものの、発熱に明確な定義は存在しないということでした。
また体温は平熱の他にも、
・時間帯
・食事の有無
・月経周期
・加齢
などの影響を受けて変動します。そのため、平熱は必ずしもいつも同じとは限らないのです。発熱の有無はもちろん、その他の体調にいつもと違うところがないかにも注意し、適切に対処できるようにしましょう。