徐脈とは?脈が遅い徐脈の症状や原因について

皆さんは不整脈について、どのような症状があらわれるものなのかご存じでしょうか?不整脈という名前からして、脈が不規則に乱れるものというイメージをお持ちの方が多いかと思いますが、実はそれだけではありません。

不整脈と一口に言っても種類があり徐脈や頻脈など、脈の打ち方に違いがあるのです。そんな不整脈ですが、今回は徐脈(じょみゃく)をテーマにお届けしていきます。「なんだか脈が遅い気がする…」「徐脈と診断されたがどのようなものなのか理解していない…」という方はぜひご覧ください。

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不整脈とは?

不整脈とは、脈が速すぎたり、遅すぎたり、不規則に打つ状態のことをいいます。運動をすれば脈が速くなりますし、リラックスしているときは脈がゆっくりになることは誰しもが理解していることですが、これらは当たり前の生理的現象です。

あくまで問題となり得るのは、安静にしている状態で脈が遅すぎたり、脈が飛んだりすることです。ただし、脈が飛ぶのは健康な人にも起こるものであり、ほとんどの場合心配はいりません。脈が飛ぶことを期外収縮と呼び、大量の飲酒や疲労、ストレスなどが原因で自律神経のバランスが崩れたときに起こります。

動悸(どうき)とは?

動悸とは、緊張したときや不安を感じたときなどに、心臓の鼓動を意識する状態のことをいいます。わかりやすく説明すると、胸がドキドキしてそれが気になるという状態ですね。

動悸は病気でない方であっても起こり得るものですが、もちろん不整脈によって動悸を感じる場合もあります。

脈拍数と心拍数は同じ意味?

心拍とは、心臓の拍動のことをいい、心拍数は一定の時間に心臓が拍動する回数のことをいいます。脈拍とは、動脈に生じる運動のことで手首などを触って確認することができます。正常の人の場合、心拍と脈拍は同じタイミングであるため大きな差はありませんが、不整脈の場合では心拍数と脈拍数にずれが生じます。

徐脈(じょみゃく)とは?

不整脈は、脈が速すぎたり、遅すぎたりすることであるとお伝えしましたが、脈が遅すぎる場合のことを徐脈といいます。そして、脈が速すぎる場合のことを頻脈といいます。

1分間の脈拍数が50回未満の場合に徐脈と診断され、100回以上の場合には頻脈と診断されます。ただし、睡眠中などのリラックスした状況では、40~50回程度になることも少なくありません。

徐脈の症状とは?

徐脈の症状としては、息切れやめまい、足のむくみやだるさ、ふらつき、失神などが挙げられます。めまいや息切れといった症状は、拍動が少ないため必要な酸素が十分でなくなってしまうことで起こります。

徐脈の原因とは?

心臓は電気信号によってポンプ活動がおこなわれているのですが、電気信号は心臓の右心房にある「洞結節」という組織から送られています。その電気信号が「房室結節」に届いて、拍動が起こります。

徐脈はこの洞結節と房室結節に異常が起こることによってあらわれますが、洞結節の機能が悪くなって脈がおかしくなってしまう病気のことを、洞機能不全症候群と呼びます。

そのほか、何らかの病気に対する薬物治療の副作用として徐脈が起こることがあったり、加齢に伴って起こることがあるため、高齢者の方に多くみられます。

スポーツマン心臓とは?

スポーツマン心臓(スポーツ心臓)というのは、激しい運動に適応して心臓が肥大した状態のことをいいます。心臓が肥大することにより、1回の収縮による血液輸送量も多くなります。そうなると、少ない拍動でも多くの血液が送れるようになって心拍数は低下し、徐脈傾向になります。

スポーツマン心臓で心臓が肥大しても、トレーニングを中止すれば時間の経過によって心臓の大きさはもとに戻ると言われています。少ない拍動でも全身に酸素を運ぶことが可能であるスポーツマン心臓になれば、長距離ランナーなどでは競技能力が高まるとも言えるでしょう。

正常な心拍数はどれぐらい?

正常な心拍数は60~100回になります。60~100回はあくまで安静時の数値であって、運動時には100回を超え、きつい運動ほど脈拍数は多くなります。

徐脈だとどうなる?

徐脈では、めまいや息切れといった症状が起こることはお伝えしましたが、房室ブロックや洞不全症候群といった病気により徐脈が生じる人の中には、ペースメーカーが必要となる場合があります。ペースメーカーには心筋に電気刺激を与えることによって欠落した心拍を適切に補ってくれます。

徐脈になりやすい人とは?

既にお伝えしているとおり不整脈は加齢とともに増加し、高齢者は徐脈になりやすいです。また、動脈硬化が進んでいる人も徐脈になりやすい人として挙げられます。

動脈硬化とは、文字通り血管が硬くなる状態であり、血管の柔軟性が失われて血管が詰まりやすくなってしまいます。

徐脈は何科に行けばいい?

徐脈や頻脈といった不整脈は、循環器内科が適しています。そもそも循環器とは血液を全身に循環させる臓器である心臓や血管といった器官のことをいいます。

循環器内科を受診する症状としては、めまい・息切れ・呼吸困難・胸痛・動悸・不整脈などが挙げられ、これらの症状を感じれば循環器内科の医師に相談しましょう。

まとめ:徐脈とは?脈が遅い徐脈の症状や原因について

いかがでしたか?今回の内容としては、
・不整脈は脈が速すぎたり、遅すぎたり、不規則に打つ状態のことをいう
・脈が遅すぎる場合のことを徐脈といい、1分間の脈拍数が50回未満の場合に徐脈と診断される
・徐脈の症状としては息切れやめまいなどが挙げられる
・徐脈の原因として加齢に伴って起こったり病気の治療の副作用で起こったりする
・高齢者や動脈硬化が進んでいる人は徐脈になりやすい
以上の点が重要なポイントでした。不整脈と一口に言っても脈が遅すぎる徐脈というものがあり、徐脈は人間の体にめまいなどの影響を及ぼすということがお分かりいただけたでしょう。

ただし、過酷な運動をしている場合には脈が遅くても、スポーツマン心臓として心臓が適応しているということもあります。どちらにせよ、動悸を感じる機会が多くなっているのであれば、循環器内科へ一度受診しましょう。