カフコデN配合錠は市販されているのか?有効成分を含む市販薬は存在する?

風邪をひいて発熱したときや咳がでたときに、カフコデN配合錠(製造販売:ファイザー株式会社)は、よく使用されるメジャーな薬です。過去に服用して症状が緩和した経験を持つ方の中には、市販されていれば購入したい…と思われている方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、カフコデN配合錠(製造販売:ファイザー株式会社)は市販されているのか?という点をテーマにお届けしていきます。市販されているのか?という本題に入る前にカフコデN配合錠の基本情報にも触れますので、ぜひご覧ください。

Contents

カフコデN配合錠とは?

まずは、カフコデN配合錠の基本情報について見ていきましょう。

カフコデN配合錠の効能・効果

カフコデN配合錠には以下の効能・効果があります。
・かぜ症候群における鎮咳、鎮痛、解熱
・気管支炎における鎮咳
具体的には、風邪をひいて咳がでるとき発熱があるときに服用します。気管支喘息発作中の患者さんには気道分泌を妨げるおそれがあるため、服用できません。また、対処療法薬であるため、かぜやインフルエンザなどのウイルスそのものを治すことはできません。あくまで咳や発熱といった症状をおさえる薬であるということです。

カフコデN配合錠の有効成分

カフコデN配合錠には以下の有効成分が含まれています。
・ジプロフィリン(1錠中20mg):咳をおさえる作用、気管支を拡げる作用
・ジヒドロコデインリン酸塩(1錠中2.5mg):咳をおさえる作用、痛みを和らげる作用
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩(1錠中5mg):咳をおさえる作用、気管支を拡げる作用
・ジフェンヒドラミンサリチル酸塩(1錠中3mg):咳をおさえる作用、気管支を拡げる作用
・アセトアミノフェン(1錠中100mg):解熱作用
・ブロモバレリル尿素(1錠中60mg):咳をおさえる作用、痛みを和らげる作用

カフコデN配合錠の用法・用量

通常、成人の場合には1回2錠を1日に3回服用します。水かぬるま湯で飲んでください。
12歳以上の子どもが服用する場合は、年齢に応じて量を減らします。また、12歳以上の薬の服用に関しては、服用量や管理について保護者の方が正しく指導し、副作用が出ていないか、体調が悪化していないかなど、十分に注意してください。
※12歳未満の子どもは服用できません。

カフコデN配合錠の注意事項

カフコデN配合錠は病歴により服用が禁止されている方、慎重に服用しなければいけない方がいらっしゃいます。また併用してはいけない薬がいくつかあります。続いて、カフコデN配合錠の注意事項について見ていきましょう。

カフコデN配合錠を服用できない方

次の方はカフコデN配合錠を服用できません。症状が悪化したり、薬の相互作用により不整脈や心停止などがおこる場合があります。
・過去にカフコデN配合錠を飲んでアレルギー反応がでた方
・カフコデN配合錠に含まれる有効成分に対してアレルギー反応がでた方
・ひどく呼吸回数が減少している患者
・気管支喘息発作中の患者
・アスピリン喘息の患者、または既往歴がある方
・消化性潰瘍のある患者
・非常に重い肝障害がある患者
・非常に重い腎障害がある患者
・非常に重い血液の異常がある患者
・非常に重い心機能不全がある患者
・閉塞隅角緑内障の患者
・前立腺肥大など、尿路に閉塞性疾患がある患者
・アドレナリンやイソプロテレノールなどのカテコールアミンを投与中の患者

慎重に服用する必要がある方

慎重に服用する必要がある方は下記になります。
・脳にケガや病気などで障害がある患者
・気管支喘息がある患者
・代謝性アシドーシスがある患者
・副腎皮質機能低下症がある患者
・てんかんの患者
・心機能異常がある患者
・呼吸機能障害がある患者
・高血圧症の患者
・消化性潰瘍の既往歴がある方
・肝障害または既往歴がある患者
・腎障害または既往歴がある患者
・血液の異常またはその既往歴がある患者
・出血傾向がある患者
・甲状腺機能異常がある患者
・開放隅角緑内障の患者
・薬を飲んでアレルギー反応の経験がある患者
・衰弱している方
・アルコールを日常的または大量に飲む方
・高齢者
・絶食、低栄養状態、摂食障害などでグルタチオン欠乏、脱水症状がある患者

カフコデN配合錠と一緒に飲んではいけない薬や成分

以下の薬を飲んでいる方は、カフコデN配合錠を一緒に飲むとそれぞれの薬の作用が強まったり、思わぬ副作用がでたりする可能性があります。他に飲んでいる薬がある方は、お薬手帳を持参し、受診の際に医師に伝えましょう。

<併用してはいけない薬>
・カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプロテレノールなど)
<併用するときには注意が必要な薬>
・中枢神経抑制剤
・吸入麻酔剤
・モノアミン酸化酵素阻害剤
・三環系抗うつ剤
・β-遮断剤
・クマリン系抗凝血剤
・甲状腺製剤
・キサンチン系薬剤

アルコールとカフェインは控えましょう

カフコデN配合錠を服用している間はお酒を控えてください。呼吸不全や低血圧、肝不全のおそれがあります。また、カフェインも副作用が出やすくなる可能性がありますので、服用中はコーヒーも控えましょう。

過量投与について

カフコデN配合錠と他の薬剤との併用により、アセトアミノフェン、ジヒドロコデインリン酸塩、ブロモバレリル尿素を摂りすぎてしまい、体調が悪化する可能性があります。カフコデN配合錠を服用している間には、自己判断で別の市販薬などを服用しないようにしましょう。事情がある場合には、医師や薬剤師に相談しましょう。

その他の注意

カフコデN配合錠によって眠気があらわれることがあります。そのため、カフコデN配合錠を服用中の方は、車の運転や機械の操作は控えましょう。

カフコデN配合錠の副作用

特に注意が必要な副作用に以下があります。
・ショック
・アナフィラキシー(呼吸困難、全身の赤み、むくみ、じん麻疹など)
・中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症
・顆粒球減少
・喘息発作の誘発
・劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
・間質性肺炎
・間質性腎炎、急性腎障害
・呼吸抑制
その他にも次の副作用が確認されています。
・過敏症:発疹、かゆみ、赤み、発熱など
・精神神経系:眠気やめまい、発汗、頭痛、疲労感など
・循環器:不整脈、血圧の変化、動悸、ほてりなど
・消化器:むかつき、吐き気、嘔吐、便秘、食欲不振、のどの乾き、下痢、腹痛など
・血液:血小板減少、血小板機能低下、チアノーゼなど
・依存症:薬物依存
これらの症状があらわれたら、すぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。

子どもは注意が必要

カフコデN配合錠は12歳未満のお子さんは服用できません。呼吸の回数が減少するなど、呼吸抑制のリスクが高いとの報告があります。18歳未満で、肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、または肺に疾患がある方も、呼吸回数が減少するリスクがあるので、投与しないこととされています。

妊娠中・授乳中の投与について

妊娠中、または妊娠している可能性がある方には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされています。また、授乳中の方は、投与中の授乳は避けることとなっています。

カフコデN配合錠は市販されているのか?

カフコデN配合錠は以前服用されたことのある方は、医師の診察を受けた上で薬を手にされたかと思います。薬には大きく2つの分類があり、基本的に医師の診察を受けた上で処方箋を発行してもらい薬を手にできる医療用医薬品と、処方箋がなくてもドラッグストアなどで購入できるOTC医薬品があります。カフコデN配合錠の薬の分類は医療用医薬品であるため、市販はされていません。

カフコデN配合錠の有効成分を含む市販薬は存在する?

カフコデN配合錠の有効成分は既にお伝えしていますが、下記になります。
ジプロフィリン/ジヒドロコデインリン酸塩/dl-メチルエフェドリン塩酸塩/ジフェンヒドラミンサリチル酸塩/アセトアミノフェン/ブロモバレリル尿素

上記で挙げた全ての有効成分が同量含まれた市販薬は存在しませんが、咳をおさえる作用を持つジヒドロコデインリン酸塩やdl-メチルエフェドリン塩酸塩が含まれている市販薬は存在します。他に含まれる成分の違いや量などによってカフコデN配合錠と同じ効果が得られるわけではないですが、有効成分に目を向けることでセルフケアの幅も広がります。

症状が軽い場合や、病院へ行く時間がないなどの状況であれば、時に薬剤師に相談しながら市販薬を検討されても良いでしょう。

カフコデN配合錠の有効成分の一部を含む市販薬を紹介

カフコデN配合錠の有効成分の一部を含む市販薬としては、
・エスタック総合IB(製造販売元:エスエス製薬株式会社-指定第二類医薬品)
・ルルアタックCX(製造販売元:第一三共ヘルスケア株式会社-指定第二類医薬品)
・エスタック総合感冒(製造販売元:エスエス製薬株式会社-指定第二類医薬品)
・パブロンSせき止め(製造販売元:大正製薬株式会社-指定第二類医薬品)
などが挙げられます。それぞれについて見ていきましょう。

エスタック総合IB(製造販売元:エスエス製薬株式会社-指定第二類医薬品)

エスタック総合IBは、カフコデN配合錠に含まれるジヒドロコデインリン酸塩やdl-メチルエフェドリン塩酸塩の他、抗ヒスタミン薬としてくしゃみや鼻汁、喉のはれや炎症を抑えるクロルフェニラミンマレイン酸塩、解熱薬や鎮痛薬として使われるイブプロフェンなどが含有した総合かぜ薬です。効能・効果は、発熱・悪寒・のどの痛み・咳・たん・鼻水・鼻水といったかぜの諸症状の緩和となっています。用法・用量は、15歳以上で1回2錠を1日3回、食後なるべく30分以内に服用します。15歳未満は服用できません。

ルルアタックCX(製造販売元:第一三共ヘルスケア株式会社-指定第二類医薬品)

ルルアタックCXは、カフコデN配合錠に含まれるジヒドロコデインリン酸塩やdl-メチルエフェドリン塩酸塩の他、イブプロフェンや無水カフェイン、咳を鎮めるノスカピン、咳の原因の一つである痰を出しやすくするL-カルボシステイン、のどや鼻の粘膜の炎症を鎮めるグリチルリチン酸などが含まれた総合かぜ薬です。効能・効果はかぜの諸症状の緩和であり、用法・用量は、15歳以上で1回2錠を1日3回服用します。服用回数については、前項のエスタック総合IBと同じですね。

エスタック総合感冒(製造販売元:エスエス製薬株式会社-指定第二類医薬品)

エスタック総合感冒は、カフコデN配合錠に含まれるdl-メチルエフェドリン塩酸塩の他、鎮咳去痰薬の一つであるデキストロメトルファン臭化水素酸塩、抗炎症作用のあるカンゾウエキス、解熱効果が期待できるショウキョウ末などが含まれる総合かぜ薬です。効能・効果は、かぜの諸症状の緩和であり、用法・用量は15歳以上で1回3錠を1日3回、11歳~14歳で1回2錠を1日3回、5歳~10歳で1回1錠を1日3回服用します。5歳未満は服用できません。

パブロンSせき止め(製造販売元:大正製薬株式会社-指定第二類医薬品)

パブロンSせき止めは、カフコデN配合錠に含まれるジヒドロコデインリン酸塩やdl-メチルエフェドリン塩酸塩の他、咳の原因となる痰を出しやすくするブロムヘキシン塩酸塩、咳を鎮めるノスカピンやマレイン酸カルビノキサミンが含まれた咳止め薬です。効能・効果は咳・痰であり、用法・用量は、15歳以上で1回2カプセルを1日3回、12歳~14歳で1カプセルを1日3回服用します。12歳未満は服用できません。

まとめ:カフコデN配合錠は市販されているのか?有効成分を含む市販薬は存在する?

いかがでしたか?今回の内容としては、
・カフコデN配合錠の効能・効果はかぜ症候群における鎮咳、鎮痛、解熱
・カフコデN配合錠の有効成分はジプロフィリン/ジヒドロコデインリン酸塩/dl-メチルエフェドリン塩酸塩などである
・カフコデN配合錠は医療用医薬品であるため市販されていない
・カフコデN配合錠の有効成分の一部が含まれる市販薬は存在する
以上の点が重要なポイントでした。カフコデN配合錠は医療用医薬品であるため市販はされていませんが、今回紹介したようにカフコデN配合錠の有効成分の一部が含まれる市販薬は存在します。セルフケアの観点で、症状が軽い場合などで市販薬を検討しても良いでしょう。ただし、カフコデN配合錠に含まれる成分以外のものが含有されていますので、効果が同じではない点に注意しましょう。