大人のおたふく風邪の症状|耳の痛み・腫れ・高熱|仕事はいつ出社可能

「大人がおたふく風邪にかかるとどうなる…?」
おたふく風邪というと、頬が赤くなったり腫れたりする症状を思い浮かべると思いますが、実際には多くの合併症・後遺症につながるリスクもあり、特に大人が感染すると悪化しやすいことで知られています。

今回は、大人がおたふく風邪に罹るとどうなるのか?合併症や仕事への影響をテーマにお届けしていきます。

Contents

おたふく風邪とは?

おたふく風邪の正式名称は流行性耳下腺炎(ムンプス)で、ムンプスウイルスへの感染によって発症します。おたふく風邪は、片側または両側の唾液腺が腫れるという特徴があります。

おたふく風邪の潜伏期間と感染経路

おたふく風邪は、潜伏期間が2〜3週間あり発症前に感染を広げてしまうこともあります。その感染経路は患者のくしゃみや咳によって飛沫したウイルスを吸い込むことで感染する飛沫感染と、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れたことで起こる接触感染があります。

おたふく風邪は一度の感染で一生に渡って効果のある免疫が手に入るため、複数回感染する可能性は非常に低いです。

おたふく風邪の症状

おたふく風邪の症状としては、発熱(40度近く熱が上がる場合もある)や耳周辺の痛みや腫れ、飲食時の痛みが挙げられます。

大人がおたふく風邪に感染すると重症化しやすい

おたふく風邪というと「子供の病気」と感じる方が多いようですが、実際には大人もおたふく風邪に罹ることもあります。大人がおたふく風邪に感染するとウイルスに抵抗する力が強いために、その反動で症状が強く出てしまう恐れがあるのです。特に大人のおたふく風邪は、合併症を引き起こしやすくなっています。

おたふく風邪に罹った時は会社に行かないこと

おたふく風邪は感染力の強いウイルスであるため「感染後の出社は腫れが出てから5日経過後かつ全身の状態が良好になってから」と厚生労働省による感染症ガイドラインで定められています。感染拡大を防ぐためには、腫れがある時期はしっかり自宅で療養し、出社後もしばらくはマスクの着用・手洗いの徹底をするべきでしょう。

おたふく風邪の合併症・後遺症とは?

おたふく風邪の合併症・後遺症には次のような疾患があります。

無菌性髄膜炎

おたふく風邪に感染した人の1〜10%程度の方が、無菌性髄膜炎を発症してしまいます。無菌性髄膜炎では、髄膜にムンプスウイルスが感染して炎症を起こし、高熱・嘔吐・頭痛などの症状があらわれます。無菌性髄膜炎には効果的な治療方法がないため、痛み止め・解熱剤・脱水症状の予防などの対症療法が実施されます。無菌性髄膜炎の無菌性は、文字通り細菌が原因ではないという意味があります。

脳炎

ムンプスウイルスが脳に侵入すると、脳炎になって頭痛・けいれん・高熱・意識障害を起こします。頻度は低い稀な合併症ですが、完治が難しくさまざまな後遺症につながる恐れがあります。

感音性難聴

ムンプスウイルスが音の振動を受ける部分に感染して、聴力に問題が出た状態を感音性難聴と呼び、治療を続けても聴力の回復が難しい可能性があります。学童期のおたふく風邪に感染した人の1000人に1人が発症します。

すい炎

すい臓に炎症が起きる合併症で、発症するとみぞおち付近が痛んで吐き気・嘔吐などの症状が出ます。

精巣炎

思春期以降の男性がおたふく風邪に感染すると発症することがある合併症で、不妊症の原因になる恐れがあります。睾丸萎縮によって、精子の数が少なくなってしまうのです。

卵巣炎

思春期以降の女性がおたふく風邪に感染すると、卵巣炎を発症することがあります。卵巣や卵管のどちらかまたは両方に炎症が起きて、卵管障害による不妊症になる恐れがあります。

おたふく風邪の治療方法

おたふく風邪には特効薬がありませんので、症状に応じた対症療法で治療を進めていきます。具体的には、熱が高ければ解熱剤・脱水症状があれば点滴などが行われるでしょう。耳下腺の腫れがある時は酸っぱい食べ物・硬い食べ物を避け、痛みが強くて食べ物が食べられない場合は点滴を行います。

おたふく風邪には予防接種が有効

おたふく風邪には有効なワクチンが存在し、定期接種であれば無料での接種が可能です。日本ではおたふく風邪の予防接種が任意であることから、定期接種以外のタイミングでの接種は1回6,000円程度の接種費用が必要になります。

おたふく風邪の予防接種の推奨接種タイミングとは?

おたふく風邪の感染者の約60%以上は3〜6歳だと言われています。そのためおたふく風邪のワクチンは1歳で1回、集団生活に入る前の5〜7歳までに2回目の接種をすると良いでしょう。大人になってから、おたふく風邪の予防接種を受けるべき人は、子どもの頃におたふく風邪の予防接種を受けなかった人や、子どもの頃におたふく風邪に感染しなかった人が該当します。

まとめ:大人のおたふく風邪の症状|耳の痛み・腫れ・高熱|仕事はいつ出社可能?

いかがでしたか?今回の内容としては、
・大人がおたふく風邪になると、重症化する可能性が高くなる
・特に大人は合併症や後遺症につながりやすい
・おたふく風邪の合併症・後遺症には、無菌性髄膜炎や脳炎などがある
・おたふく風邪には予防接種がある
以上の点が重要なポイントでした。おたふく風邪は合併症のリスクが高い感染症ですが、予防接種を受けることで感染と重症化を予防できます。子どもの頃におたふく風邪の予防接種を済ませていないという方は、おたふく風邪の予防接種を検討されても良いでしょう。

処方箋なしで医療用医薬品は購入できる?

医療用医薬品は、診察を受けて処方箋がないと購入できないと思われている方は多いのではないでしょうか?処方箋なしでも医療用医薬品を購入する方法があり、それが零売薬局の利用です。「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」に分類される医療用医薬品であれば、やむを得ない事情がある場合に、必要最低限度の量で購入できます。