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ポリファーマシー(多剤服用)とは?問題点・副作用・対処法などについて
本来薬は病気を良くするために服用するものですが、多種類の薬を服用することによって問題が起こってしまうことがあります。それに関連する言葉が、ポリファーマシーです。
今回は、ポリファーマシーをテーマに、問題点・副作用・対処法などを紹介していきますので、ぜひご覧ください。
Contents
ポリファーマシー(多剤服用)とは?
ポリファーマシーとは、複数という意味を持つpolyと調剤という意味を持つpharmacyからなる造語であり、害のある多剤服用のことを指します。必要以上に薬が処方されていたり、不必要な薬が処方されている状態であるため、単に薬剤数が多いものは、ポリファーマシーとは言いません。
また、何種類以上の薬を併用するとポリファーマシーである…といった厳密な定義は存在していません。ただし、薬が6種類以上になると、リスクが高くなるとされています。
ポリファーマシーによる副作用
ポリファーマシーは、害のある多剤服用のことを指すとお伝えしましたが、多くの薬を服用することによって、副作用が起こったり、きちんと薬が飲めなくなったりします。どのような薬であっても、体に作用をもたらす分副作用の心配があります。そのため、薬の服用量が増えればそれだけ、副作用のリスクは高まるのです。また、副作用は加齢や病気などによって、肝臓や腎臓の働きが弱くなると起こりやすくなります。
ポリファーマシーの原因は?
ポリファーマシーは特に高齢者で問題となっていますが、それは加齢とともに起こる慢性疾患が原因となっています。高血圧や脂質異常症といった生活習慣病などの慢性疾患は、加齢とともに増加し、それらが重なっていくことで、薬は増えていってしまうのです。
ポリファーマシーの問題点について
続いて、ポリファーマシーの問題点について見ていきましょう。
薬剤費の増大
薬剤費の増大に伴う医療費の高騰がまず、問題点として挙げられます。薬が増えることによって、患者さんの負担は増えますし、医療経済へ悪影響があります。
薬物有害事象の発現頻度の増加
薬の相互作用や、処方・調剤の誤り、飲み忘れといった発生確率は増加するため、それによって薬物有害事象が増加します。薬物有害事象とは、薬との因果関係がはっきりしないものも含めて、患者さんに生じる好ましくない反応のことを指します。
残薬の問題
残薬とは、飲み忘れや飲み残しなどによって、薬が手元の残ってしまうことをいいます。
ポリファーマシーの対処法について
処方される薬が多かったとしても、それが適切であり順調に治療がおこなわれているのであれば、問題はありません。つまり、本来治療に必要であるべき薬を減らしてしまっては本末転倒であると言えます。
ただし、適性処方をしてもらうためには、医療に関わるそれぞれの専門家と情報を共有することが大切です。そのために、お薬手帳にアレルギーや副作用の有無などを記載し、必ず医療機関を受診する前や薬局に行く際に持参しましょう。(病院や薬局ごとにお薬手帳を分けず、1冊にまとめましょう)
また、気軽に相談ができるかかりつけ医やかかりつけ薬局を持つことも、対策になります。気になる症状があらわれたら、医師や薬剤師に相談しましょう。
セカンドオピニオンの活用
精神科領域では、多剤大量処方が問題となることがありますが、大量の処方に対して疑問があったりすれば、他の医療機関で意見をもらうセカンドオピニオンを検討しても良いでしょう。疑問があれば、まずは主治医に相談をする。そして、その上で他の意見も必要な場合は、主治医に紹介状を書いてもらいましょう。
セカンドオピニオンに紹介状は必要?
紹介状がなくとも、ほかの医療機関を受診することは可能ですが、紹介状には治療経過や投薬内容、検査
データなどが記載されますので、必ず紹介状をもらってからセカンドオピニオンを受けましょう。紹介状がなければ、正確なセカンドオピニオンを受けられない可能性があるため、注意が必要です。
減薬について
薬を減らすことを減薬と言います。減薬したいという場合には、自己判断で中断するのはよくありませんので、主治医に相談しましょう。薬の中には、症状がおさまれば減らしても良い薬と、長期的に服用した方が良い薬があります。
また、急に薬をやめてしまうとソワソワする、不安感がある、倦怠感などの離脱症状があらわれる場合があります。精神薬の減薬にあたっては、段階的に少量ずつ減らしていきます。
まとめ:ポリファーマシー(多剤服用)とは?問題点・副作用・対処法などについて
いかがでしたか?今回の内容としては、
・ポリファーマシーは、害のある多剤服用のことを指す
・年齢を重ねると様々な生活習慣病などを抱えてしまいやすくなり、それがポリファーマシーの原因の一つになっている
・ポリファーマシーは、薬剤費の増大や薬物有害事象の発現頻度の増加といった問題点がある
・お薬手帳の記載はしっかりおこない、1冊にまとめること
以上の点が重要なポイントでした。薬を服用していて気になる症状があらわれれば、医師や薬剤師に相談しましょう。