コラム
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正しい『お薬の保管方法』について
病院でもらったお薬や、ドラッグストアで購入した市販薬などを正しく保管されていますか?
間違った保管方法は、お薬の効果がなくなるばかりではなく、場合によっては体に害を及ぼす危険もあります。
今回は、『お薬の正しい保管方法』を解説していきます。
Contents
保管場所は『高温・多湿・直射日光』を避けて
全てのお薬は、基本的に『高温』『多湿』『直射日光』この3つを避けて保存することがポイントです。。錠剤やカプセル、粉などの内服薬はもちろんのこと、湿布や軟膏などの外用薬も、この基本となる保管場所は同じ。直射日光の当たる窓際や外、車内は絶対にNG。熱や湿気により薬が変形してしまったり、溶けてしまうこともあります。戸棚など日陰で涼しい場所に保管をしましょう。
加えて、外用薬の容器の蓋や入り口がしっかり閉まっているかも、合わせて確認しましょう。チューブやプラスチックケースに入っている塗り薬もそうですが、湿布薬の場合、開閉口のジッパー部分がしっかり閉まっておらず、使おうと思ったら中身が乾いてしまっていたとうケースもあるため注意しましょう。
冷所保存のお薬は冷蔵庫へ
座薬、シロップ、インスリンなど、一部お薬に関しては『冷所保存(冷蔵庫)』しなければなりません。
この時に注意したいのは、シロップなどの場合、誤って子供が飲んでしまわないよう、手の届きにくい場所に保管するなどして、誤飲の可能性を避けましょう。
ほかに、光を避け保存しなければならない『遮光』のお薬については、専用の入れ物(遮光袋)が付属していることがほとんどです。
決して他の袋に入れ換えるなどしないよう注意して下さい。「間違って遮光袋を捨ててしまった!」そんな時は、市販でも遮光袋は手に入ります。
薬の容器は入れ替えない
「服用しやすいように」との理由から、お薬をピルケースへ小分けにされる方がいます。
この方法は飲み忘れなどを防ぐ意味では良い方法です。しかし、『湿気を吸いやすくなる』『衛生面上良くない』ことから、お薬の保存期間を縮めてしまいます。それに加えて、その薬が何の薬なのかわからなくなってしまったり、紛失する可能性も高まるため、おすすめできません。
どうしても小分けにしたい場合は、薬局で分包してもらいましょう。
市販薬の場合は無理ですが、病院でもらったお薬であれば、処方箋をカウンターに出す際「一包化して下さい」とお願いすれば、薬局側が対応してくれます。
ただこの場合、注意する点が3つあります。
まず1つ目に、一包化してもらう際、別途費用がかかる場合があること。
2つ目は、お薬によって『湿気を吸いやすい』などの理由から、一包化ができないものもあること。
3つ目は、一包化することで、シートの状態よりも保存期間が短くなること。これらの注意点をふまえつつ、気になる方は一度相談されてみると良いでしょう。
保存期間の目安は?
お薬の全てに、保存期間がもうけられています。お薬のシートや外箱に記載されている場合もありますが、病院のお薬であれば、処方される時に保存期間を確認しておくと良いでしょう。
とはいえ、この保存期間は『未開封』であることが条件であり、一度開封済みのお薬には当てはまりません。では、それぞれ剤形ごとの『保存期間の目安』を見ていきましょう。
錠剤やカプセルなど、シートに入ったお薬は、使用期限通りで問題ありません。しかし、1回分ずつ個包装されているお薬に関しては、『一度空気に触れている』『水分を吸収しやすい』という2点の理由から、3ヶ月以内を目安に期限を設けましょう。
シロップなど水剤は、中にお水や甘味が加えられていることがあります。これは、「お薬だけでは量が少なすぎて1回分を計量し辛い」「甘味で飲みやすく調整している」などの理由からです。そのため変質しやすく、決められた服用日数を過ぎたものは必ず破棄し、必要ならば再度受診し、新しいものをもらうようにして下さい。
これら保存の目安については、全て『正しく保管した場合』であることが条件です。それに加えて、必ず期限の過ぎたものは破棄するよう徹底しましょう。期間を過ぎた薬は効能が弱まるだけでなく、体によくない効果が起こる可能性もあります。
子供やペットの手が届かない場所へ保管を
お家に、小さなお子様やペットがいる場合、誤ってお薬を飲んでしまう『誤飲事故』が多く報告されています。
トラブルの中には、「服用したお薬をそのままテーブルに置いたままにしていた」「引き出しの中に入れていたけれど、子供が勝手に開けて飲んだ」というケースもあります。お薬によっては軽度のトラブルで済みますが、中には救急を要するほど危険な場合もあるため、保管する場所は『手の届かない場所』にするのはもちろんのこと、自身が服用したあとは、そのままにしないよう意識しましょう。
薬の使い回しは家族であってもやめましょう
お薬の正しい保管方法に関するお話し、いかがでしたでしょうか。最後にもう一つ、お薬に関し気をつけたいことをお伝えします。
どのご家庭にも、いざという時のために、お薬を常備されていることと思います。例え市販薬の風邪薬や胃腸薬であっても、大人と子供ではお薬の量や種類が違います。「症状が似ているから」との理由から、大人が服用するお薬を子供に飲ませることはしないよう注意しましょう。副作用がでることもあり、大変危険です。病院でもらうお薬であれば、尚更注意が必要です。
正しく保管し、正しく服用することも忘れないよう心がけましょう。
看護師・保健師 小瀬文彰
■2019年に薬剤師と共にセルフケア薬局創業し、COOに就任。新たな医療を創造し、より健康な社会の実現していきます。