頭痛はいくつかのタイプに分けることができますが、中でも『片頭痛』は頻繁に起こりやすい頭痛タイプで、現在、多くの方が悩んでおられます。
今回は、そんな片頭痛にお悩みの方に向けて、お薬を使わないセルフケア方法をご紹介します。
頭痛には3つのタイプがあります。まずは自分の頭痛のタイプを知りましょう。
偏頭痛は女性に多く見られる症状のひとつです。男性よりも女性に多く、低血圧の方はより起こりやすいとも言われます。
[原因]
考えられる原因はいくつかあり、ストレスや環境、食物、ホルモンバランス、過労などが挙げられます。「雨が降る前に片頭痛がする」と言われる方もいます。
[症状]
頭の片側だけに痛みが出るのが特徴です。ズキズキとした痛み、時に激しい痛みを伴うことも。音や光に敏感になる、吐き気がする、臭いに敏感になるといった症状も起こります。
片頭痛は、脳の中にある血管が炎症を起こし、それにより痛みが出ると考えられているため、頭を動かすと、より痛みが増します。
[対策方法]
ストレスはないか、片頭痛が起きる前に食べているものはないかなど、日常の中に原因のヒントが隠されていることも。しかし、その全てにストップをかけるのは難しいものです。
もし片頭痛が起きた場合は、温めるのではなく冷やして血管の炎症をしずめるのがポイントです。入浴もできる限り控え、シャワーで済ませると良いでしょう。
また、マッサージなどで血行を促進するのもタブー。より痛みが増し、気分が悪くなる可能性が高いです。極力体を動かさないよう横になって休むことが一番です。薄暗い部屋で、耳や視界から入る情報もシャットアウトするのも効果的。
年齢問わず現れる頭痛のタイプ。ストレス環境に身を置く方、働き盛りの年代に多いと言われます。
[原因]
血行不良が主な原因とされる緊張型頭痛。仕事や家事など日々の生活の中で感じるストレス、長時間のデスクワークで体が凝り固まることでも起こります。日頃から肩こりになりやすい方や、スマホによる眼精疲労も引き金となるため、片頭痛に続き2番目に多い頭痛タイプです。
[症状]
頭全体が締め付けられるような、鈍く重たい痛みが続くのが特徴です。頭痛のほか、首や肩、肩甲骨あたりに重たさを感じる方も。時にめまいを伴うこともあります。
[対策方法]
片頭痛とは逆に血行不良が原因であるため、温めて血行を促進すると症状が緩和します。入浴はもちろん、蒸しタオルで首や肩を温めたり、ストレッチも効果的。ウォーキングなど軽い運動を取り入れるのも良いでしょう。目元が重いと感じる方は、ホットアイマスクがおすすめです。デスクワークであっても同じ姿勢を長時間続けず、15分に1度は動くなど体を動かすことを意識しましょう。
主に男性に多いとされる頭痛タイプ。20代から40代に最も現れやすく、ヘビースモーカーの方は特に症状が出やすいとも言われます。
[原因]
はっきりとした原因は明らかにされてはいませんが、目の後ろを通る内頸動脈が広がり炎症を起こす説や、自律神経も影響していると考えられています。多量のアルコール、たばこが要因とも言われています。
[症状]
片目の奥が激しく痛むのが特徴です。頭痛の発作時間は15分〜3時間程度。やっかいなことに、一度症状を起こすと1〜2ヶ月ほぼ毎日続き、この期間を群発期と呼びます。発作を起こすと、興奮して落ち着かないなどといった症状も現れます。
[対策方法]
群発頭痛の場合、気圧に対しとても敏感になるため、飛行機や登山はなるべく避けるようにしましょう。原因のひとつとして考えられうアルコールやたばこの量にも注意をし、群発期は極力控えるなどして対策しましょう。
偏頭痛は、食事の影響で起こるとも言われます。片頭痛のメカニズム『血管が拡張して神経を刺激することによる痛み』を引き起こさないためには、『血管を拡張する食材をさける』ことで予防することができます。
《片頭痛の原因とされる食材》
・チーズ
・赤ワイン
・チョコレート
・豚肉
・卵
・カフェイン
・玉ねぎ
・キャベツ
・チラミン
・オリーブオイル
脂肪分の多い食材やイタリアンは、片頭痛の方におすすめできません。ワインを飲むなら白を。食事を和食に切り替えるなど、食生活を見直すことは、片頭痛の予防はもちろん、体にとっても良い選択です。
頻繁に片頭痛を起こす方の多くは「自分は頭痛持ちだから」と諦めてしまっている方も多いと聞きます。片頭痛を少しでも起きにくくするために、日頃できることで予防するのも大切です。
まず一番に、ストレスをため込まないこと。家事や仕事など、どうしてもやらなければならないことを避けるわけには行きませんが、寝不足や食事など規則正しい生活を送ることこそ、ストレスに打ち勝つ身体作りの第一歩となります。ストレス社会と呼ばれる現代、頑張りすぎが原因で様々な体の症状に悩む方が多くなりました。その一つに片頭痛も含まれます。たまには自分を甘やかし、休む時間もしっかりと確保するよう心がけましょう。