「頭が痛い」「生理痛がひどい」「ひどい筋肉痛を和らげたい」とこのようなときにおすすめなのが『鎮痛剤』です。
鎮痛剤は服用すると30〜1時間程度で痛みを和らげてくれるので、痛みで日常生活を送るのがついらいときに便利な薬と言えます。
とは言え鎮痛剤にはいろいろな種類があるので、どれを選べばよいかわからないと悩む方もいるでしょう。
そこで今回は鎮痛剤を処方箋医薬品と非処方箋医薬品にわけてご紹介するので、痛みに困っている方はぜひ参考にしてください。
薬には処方箋が必要な『処方箋医薬品』と処方箋が不要な『非処方箋医薬品』の2種類あります。
まずは処方箋医薬品の中で処方されることが多い鎮痛剤をご紹介しますが、こちらは必ず医師の診察が必要になるので、症状に合わせて医療機関を選び、受診をすることからはじめましょう。
セレコックス錠はセレコキシブを主成分とする鎮痛剤で、痛みを起こす『プロスタグラジン』が作られるのを抑えることで痛みや炎症を和らげます。
腰痛や関節リウマチ、抜歯後の鎮痛や消炎などに処方される薬です。
通常、成人はセレコキシブとして1回100~200mgを1日2回で服用します。
症状や疾患によって服用量と回数が違うため、必ず医師の指示に従って服用してください。
セレコックス錠の副作用は以下です。
・口内炎ができる
・腹痛が起きる
・発疹ができる
・下痢になる
これらの症状が出たときは服用を中止して医師または薬剤師に相談しましょう。
万が一、以下の症状が出たときは、別の疾患の初期症状の可能性があるため、すぐに服用をやめて医師の診察を受けてください。
・冷や汗が出る
・吐血する
・胸が痛くなる
・咳が出る
・発熱する
トラマールOD錠はトラマドール塩酸塩を主成分とし『モノアミン』という成分を取り込むことと『オピオイド受容体』という物質へ結合するのを防ぐことで痛みを和らげます。
強い痛みを和らげる効果があるため、ほかの鎮痛剤では痛みを抑えられないときに処方されることが多い鎮痛剤です。
強い痛みを抑えられますが、成人で1回1〜3錠を1日4回服用するため、1日の最大服用量はほかの鎮痛剤と比べるとやや多めとなっています。
トラマールOD錠の副作用は以下です。
・食欲がなくなる
・便秘になる
・めまいが起こる
・口が渇く
・体がだるくなる
・頭痛が起こる
これらの症状が出たら服用を中止して医師または薬剤師に相談しましょう。
万が一、以下の症状が出た場合には別の疾患の初期症状の可能性があるので、すぐに服用をやめて医師の診察を受けてください。
・呼吸がしにくくなる
・筋肉がピクピクと痙攣する
・眠れなくなる
・意識がなくなる
ノイロトロピン錠はワクシニアウイルス摂取家兎炎症皮膚抽出液を主成分とする鎮痛剤で、痛みを抑える神経の働きを高め、痛みを起こすプラジキニンに作用して痛みや炎症を抑えます。
腰の痛みや帯状疱疹による痛み、関節の炎症による痛みを和らげるために処方される鎮痛剤です。
通常、成人で1回2錠を1日2回服用します。
ノイロトロピン錠の副作用は以下となります。
・かゆみを感じる
・発疹が出る
・食欲がなくなる
・蕁麻疹が出る
これらの症状が出たら服用を中止して医師または薬剤師に相談しましょう。
万が一、以下の症状が出たときは、ほかの疾患の初期症状の可能性があるため、すぐに服用をやめて医師の診察を受けてください。
・呼吸がしにくくなる
・ひどい蕁麻疹が出る
・皮膚や白目が黄色っぽくなる
では次に、処方箋が必要ない非処方箋医薬品の中でおすすめの鎮痛剤を3つご紹介するので、病院へ行きたくても行けない状況で薬を購入したい方は参考にしてください。
ロキソニン錠はロキソプロフェンナトリウム水和物を主成分とし、炎症や痛みの原因になるプロスタグラジンの合成を防ぐことで痛みや炎症を抑える鎮痛剤です。
効果はそこまで強い薬ではなく、成人は1回1錠を1日3回まで服用できます。
ロキソニン錠の副作用は以下となります。
・腹痛が起きる
・胃部の不快感
・食欲がなくなる
・眠たくなる
などが報告されているので、これらの症状が出たら服用を中止して、医師または薬剤師に相談しましょう。
カロナール錠はアセトアミノフェンを主成分とし、中枢神経に働きかけることで痛みを緩和させる鎮痛剤です。
症状や疾患にもよりますが、頭痛、腰痛、筋肉痛,打撲、捻挫、月経痛等では、通常、成人はアセトアミノフェンとして1回300~1000mgを服用します。間隔は4~6時間以上空けます。
カロナールの副作用は以下となります。
・食欲がなくなる
・発疹ができる
などが報告されているので、これらの症状が出たら服用を中止して医師または薬剤師に相談しましょう。
ポンタールカプセルはメフェナム酸を主成分とするカプセルタイプの鎮痛剤で、プロスタグラジンの合成を防ぐことで痛みを緩和するのが特徴です。
効果はそこまで強くなく、成人は1回2カプセルを服用したあとは、6時間後に1カプセル服用します。
ポンタールカプセルの副作用は以下となります。
・下痢になる・発疹が出る
・かゆみが出る
これらの症状が出たときは服用を中止して医師または薬剤師に相談しましょう。
我慢できないほどの痛みがあると、日常生活に支障が出るだけでなくほかの不調を招く原因になる場合もあります。
たとえばめまいや冷や汗、貧血などの症状です。
ひどい生理痛や頭痛のときは、繰り返す強い痛みを感じることで、めまいが起こったり冷や汗が出て貧血などの症状を起こすことがあります。
また、ひどい筋肉痛が起っている部位をかばうことにより、別の部位に負担がかかり、痛みを感じたり転倒して怪我をする危険性もあるのです。
そのため、我慢できないほどの痛みを感じるときは、無理をして体に負担をかける前に鎮痛剤を服用することをおすすめします。
痛みの緩和に効果的な鎮痛剤ですが、服用するときの注意点がいくつかあります。
まずは頻繁に服用するのは避けるという点です。
鎮痛剤はいろいろな痛みを緩和できますが、同じ種類の薬を長期にわたって服用すると、耐性ができて効果を感じにくくなるというデメリットがあります。
そのため、できれば「どうしても」というときのみの服用にとどめておき、2〜3種類の鎮痛剤を使い分けましょう。
次に飲み合わせです。すでに服用中の薬がある方は、鎮痛剤と併用してもよいか医師または薬剤師に必ず相談してください。飲み合わせによっては薬の効果を増減させたり、副作用が出やすくなったりするので注意が必要です。
最後に気をつけるべきなのは飲む量。1回あたりの服用量は1錠なのに、効果が薄いからといって2錠以上飲むのはNGです。必ず決められた服用量を守り、1日に2回飲むときは規定の時間を空けてから服用しましょう。
少しの痛みで鎮痛剤を服用するとかえって体に負担がかかったり、耐性ができる原因になったりするのでおすすめできません。
しかし強い痛みは我慢するのもつらいでしょうし、別の症状を招く原因になる場合があります。
「痛みがしんどいな」と感じたら、そのままにせずすみやかに鎮痛剤を服用することも検討してみてください。