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五苓散は市販されている漢方薬?どんな効果がある?
「二日酔いの症状がつらい」「体がむくみやすいのを改善したい」とこのように考えている人におすすめなのが『五苓散(ごれいさん)』という漢方薬です。
五苓散は薬ではなく体がもともと持っている働きを正常にするのが目的なので、今感じている症状をなんとかしたいときだけでなく、体質を根本から改善したいときにもおすすめ。
今回は五苓散の特徴やおすすめのシーン、五苓散が市販されているのかについて詳しく説明するので、二日酔いの症状やむくみに悩まされやすい人はぜひ参考にしてください。
今回の記事では以下を知ることができます。
・五苓散の特徴
・五苓散は市販されているのか
・市販の五苓散がおすすめのシーン
Contents
漢方薬『五苓散(ごれいさん)』とは
漢方薬はいろいろな種類があり、それぞれ特徴やおすすめの体質などが違っていますが、五苓散の場合はどうなのでしょうか。
まずは西洋薬と漢方薬の違いと五苓散の特徴、おすすめの人、服用するときの注意点などについて詳しく説明します。
西洋薬と漢方薬はどう違う?
西洋薬は化学的に合成されている物質が主成分で、薬として効果のある成分が明確になっています。漢方薬よりも比較的早く効くことが多いです。副作用が出たりした場合の成分の特定が容易です。
漢方薬は自然由来の生薬を調合して薬としての効果を示します。ただし、薬として働いている物質が全て明確になっていません。効果がすぐ出るものもありますが、比較的穏やかに身体の不調を改善していくものが多く、副作用が出たときに原因の成分を特定しづらいです。
五苓散の特徴
五苓散はタクシャやチョレイ、ブクリョウなどが含まれた漢方薬で、体の働きを高めることで余分な水分を体の外へ排出します。
その結果、むくみが解消されたり、アルコールを対外へ排出することで二日酔いが改善したりなどの効果が期待できる漢方薬です。
五苓散は、
・むくみやすい
・二日酔いになりやすい
・尿の量が少ない
・のどが乾きやすい
などの特徴がある人におすすめ。
期待できる具体的な効果としては、めまい・吐き気・嘔吐・腹痛・むくみをともなう水溶性の下痢・急性胃腸炎・暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔いなどの緩和です。
五苓散を服用するときの注意点
五苓散は急性胃腸炎にかかっている人のうち『しぶり腹』の症状がある人は服用しないようにしましょう。
しぶり腹とは腹痛を伴う便意が繰り返し起こり、残便感がある状態のことです。
また、生後3ヶ月未満の子供には服用が禁止されています。
そのほか、
・妊娠中
・授乳中の人
・ほかの薬を服用中の人
・これまでにほかの薬でアレルギー症状が出たことがある人
は、副作用が出やすくなる可能性があるので、医師または薬剤師に相談してから五苓散を服用してください。
もし五苓散を1ヶ月間服用しても症状が改善されない場合は、別の疾患が不調の原因の可能性があるため、一度医師の診察を受けましょう。
急性胃腸炎・二日酔いの場合は5〜6回、水溶性下痢・暑気あたりの場合は5〜6日間が服用期間の目安。
この目安を超えても症状が改善されないときも、念のため病院を受診しましょう。
五苓散の副作用
五苓散は比較的副作用が少ない漢方薬ですが、発疹・発赤・かゆみなどが副作用として報告されているので、これらの症状が出たときはすぐに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
そのほかにも気になる症状が出たときは、念のため服用を注意して専門医に相談しましょう。
五苓散は市販されている? ドラッグストアで購入可能なの?
五苓散は市販されています。
購入できる場所はドラッグストアやネット通販などで購入が可能です。
また、受診ができないなどのやむを得ない事情の際に処方箋なしで病院の薬が買える零売薬局(れいばいやっきょく)などがあります。
もちろん五苓散は医師の診断があれば、必要に応じて処方してもらうことも可能です。
そのため、何か相談したいことがある人や、ほかに診てもらいたい症状がある人は、市販の五苓散ではなく医師の診察を受けて処方してもらうことをおすすめします。
また、特に気になる症状がほかになくても、五苓散を服用するのがはじめてで不安を感じるなら、医師に処方してもらうか薬剤師が在籍中のドラッグストアで購入しましょう。
市販の五苓散はこんなときにおすすめ
五苓散は漢方薬ですから、薬よりは気軽に飲みやすいでしょう。
しかし症状によっては市販で済ませてもよいのか、それとも医師の診察を受けたほうがよいのか迷うときもありますよね。
そのような人のために、市販の五苓散がおすすめのシーンを4つご紹介します。
飲みすぎてむくみがひどいと感じるとき
お酒を飲みすぎてむくみを感じたとき、軽いものなら水分をいつもより多めに摂取し、排尿を促すことで1〜2時間ほどで改善されるでしょう。
また、顔のむくみなら、冷蔵庫で冷やしたタオルと電子レンジで人肌程度に温めたタオルを交互に当てることで改善する場合も少なくありません。
このようなセルフケアを試してもむくみが改善されないときは、市販の五苓散で排尿を促しましょう。
二日酔いの症状がつらいとき
二日酔いの症状は数時間〜半日程度で治ることが多いですが、仕事や用事で朝から外出しないといけないときはつらいですよね。
そのような場合は市販の五苓散を服用すれば、いつもより早く二日酔いの症状が改善するでしょう。
アルコールを体外へ排出させやすくするために、普段より水分を多めに取るよう心がけることをおすすめします。
体に水分が溜まっていると感じるとき
アルコールを摂取しすぎたわけではなくても、味の濃い料理を寝る前に食べたりすると、翌日にむくんだり、体に水分が溜まっていると感じたりすることがあります。
ほかに気になる体調不良がなければ、このような場合も病院を受診せず、市販の五苓散で様子を見てもよいでしょう。
ただししばらく服用しても改善されなかったり、症状がひどくなったりするようであれば、念のため医師の診察を受けてください。
病気が原因でないと考えられるとき
むくみや下痢、頭痛などの症状があっても、高熱やひどい倦怠感、関節痛などほかの症状がなけれれば、疾患ではなく飲み過ぎやむくみ、体質によるものと考えられるので、市販の五苓散で様子を見ましょう。
五苓散は体質改善を目的として服用する方も多く、「根本的に不調を改善したい」という人におすすめ。
もし頻繁にむくみなどの症状が出るなら、一度五苓散で体質改善を目指してみてはいかがでしょうか。
二日酔い・むくみがひどいなら市販の五苓散で対応しよう(まとめ)
お酒を飲むのが好きな人は、つい飲みすぎてしまい、つらい二日酔いやむくみに悩まされることも少なくないでしょう。
アルコールの過剰摂取による症状や体質による不調は、生活習慣を改善すれば数日で改善することが多いものです。
しかし五苓散を服用すれば、自然治癒より回復が早まることもありますので、症状がつらいときはぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
ただしいつもと違う症状が出たときは、ほかの疾患が原因の可能性があるため、念のため一度は医師の診察を受けることをおすすめします。
参考文献
https://www.tsumura.co.jp/products/ippan/019/index_s.html
http://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/prescription/goreisan.html
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se52/se5200048.html
薬剤師 服部雄太
■処方箋なしで病院の薬が買える薬局を通して、受診ができない方々の健康支援を目指しています。