ウレパールは市販されている?同じ有効成分を持つ市販薬を紹介!

「皮膚科でウレパールを処方してもらったことがあるけど、市販で買えないのかな?」
このような疑問はありませんか?寒い季節は乾燥との戦いですよね。体質・肌質によっては、季節問わず乾燥に悩まれる方もいらっしゃると思います。

皮膚の乾燥で使われる薬には、ウレパールクリーム10%(製造販売元:株式会社大塚製薬工場)やヒルドイドクリーム0.3%など、数多くの種類があります。そしてドラッグストアには「ビタミン配合、尿素配合、セラミド配合・・・」といったさまざまな成分が含まれた製品が販売されています。

今回は、皮膚症状に使われる薬の一つである「ウレパールクリーム10%は市販されているのか?」「ウレパールクリーム10%に含まれる有効成分と同じ成分が含まれた市販薬について」をテーマにお届けしていきます。

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ウレパール10%(製造販売元:株式会社大塚製薬工場)の有効成分

ウレパールの有効成分は、”尿素”と呼ばれるものです。”尿素”と効くと保湿のイメージが全然湧いてこないかと思いますが、これがまた優れた効果を発揮します。

尿素の特徴的な効果として、「角質の水分保持増加作用。角質溶解作用(肥厚している角質層を菲薄化させる、柔らかくさせる)」これらが挙げられます。つまり、水分が逃げるのを防ぎ、固くなった皮膚を柔らかくしてくれます。

ウレパール10%は市販で買えるのか?

過去に処方されたことのあるウレパール10%は市販で購入することができるのか?という点ですが、ウレパール10%は医療用医薬品であるため、ドラッグストアなどで市販はされていません。しかし、ウレパール10%の有効成分である尿素を配合した市販薬は存在します。

病院で処方される薬というのは医療用医薬品と呼ばれ、基本的に医師の診断のうえ処方されるものであり、ドラッグストアで目にする薬はOTC医薬品といって別の分類になります。そのため、再度ウレパール10%を使用したいということであれば、受診の必要があるのです。

ウレパール10%の有効成分である尿素を配合した市販薬について

ウレパール10%の有効成分である尿素を含んだ製品はさまざま存在し、下記が挙げられます。

・ウレパールプラスクリーム(製造販売元:株式会社大塚製薬工場-第二類医薬品)
・ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム(製造販売元:興和株式会社-第三類医薬品)
・フェルゼアHA20クリーム(製造販売元:ライオン株式会社-第三類医薬品)

ただし、製品によって尿素以外に加えられる成分や添加物、量は異なりますので、効果・効能において全く同じ効きをするというわけではありません。ですので、セルフケアでの薬選びにおいて、薬剤師や販売登録者に相談したうえで選択するのが安心であると言えます。

それぞれの製品の有効成分や効能・効果

医療用医薬品のウレパールクリーム10%と、前項で挙げた市販薬の有効成分・効能について見てみましょう。

▼ウレパールクリーム10%(医療用医薬品)の成分と効能
効能・効果:アトピー皮膚・進行性指掌角皮症(主婦湿疹の乾燥型) ・老人性乾皮症・掌蹠角化症、足蹠部皸裂性皮膚炎・毛孔性苔癬・魚鱗癬
成分:<100g中>尿素10.0g

▼ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム(第三類医薬品)の成分と効能
効能・効果:手指のあれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、老人の乾皮症・さめ肌
成分:<100g中>尿素20.0g

▼ウレパールプラスクリーム(第二類医薬品)の成分と効能
効能・効果:かゆみを伴う乾燥性皮膚(老人・成人の乾皮症・小児の乾燥性皮膚)
成分:<100g中>尿素10.0g・ジフェンヒドラミン塩酸塩1.0g・d-カンフル1.0g・リドカイン2.0g・トコフェロール酢酸エステル0.3g

▼フェルゼアHA20クリーム(第三類医薬品)の成分と効能
効能・効果:手指のあれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、老人の乾皮症・さめ肌
成分:<100g中>尿素20.0g・グリチルリチン酸二カリウム0.5g・トコフェロール酢酸エステル0.5g

ウレパールクリーム10%(医療用医薬品)は尿素が10%、ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム(第三類医薬品)は尿素が20%となっていて、尿素だけを見ると、ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム(第三類医薬品)が多いことが分かります。

ウレパールクリーム10%とケラチナミンコーワ20%尿素配合クリームの添加物

では、ウレパールクリーム10%(医療用医薬品)とケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム(第三類医薬品)の有効成分としてそれぞれ尿素のみでしたが、添加物にはどのようなものが含まれているのでしょうか?

▼ウレパールクリーム10%(医療用医薬品)の添加物
パラオキシ安息香酸ブチル・ジブチルヒドロキシトルエン・セチル硫酸ナトリウム・セタノール・乳酸ナトリウム(pH 調整剤)・乳酸(pH 調整剤)・親油型モノステアリン酸グリセリン・コレステロール・ハードファット・メチルポリシロキサン・グリシン・DL‐アラニン・塩化ナトリウム・精製水を含有する

▼ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム(第三類医薬品)の添加物
ワセリン・流動パラフィン・セタノール・ステアリルアルコール・ポリソルベート60・ステアリン酸ソルビタン・ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油・グリシン

共通する添加物として、セタノールやグリシンがあります。セタノールはエモリエント作用があり、皮膚に滑らかさをもたらし、グリシンには保湿効果などがあります。

そもそも医薬品の添加物は何かというと、有効成分の有用性を高めたり使用性を向上させたりする目的で用いられるものです。そして、有効成分の治療効果を妨げないことが前提として含有されています。ちなみに、有効成分とは薬に含まれる成分のなかで、その薬の目的である効果をあらわす成分のことをいいます。

尿素以外の保湿効果のある成分について

最後に、尿素以外の保湿効果のある成分についてお伝えします。

ヘパリン類似物質

ヘパリン類似物質は、血行促進・抗炎症作用・保湿に作用するため乾燥肌には優れた効果をもたらします。ヘパリン類似物質の特徴は、弱った細胞を修復し、乾燥した肌を内部構造から治す点が挙げられます。

ワセリン

ワセリンをご存知の人は多いのではないでしょうか?石油からできており、一般的な保湿剤より不純物が少なく低刺激で肌に優しい特徴があります。そして、皮膚に膜を張ることで水分の蒸発を防ぎます。(エモリエント効果)ヘパリンは皮膚に水分を与えるのに対し、ワセリンはフタをして水分が逃げるのを抑えるイメージです。

まとめ:ウレパールは市販されている?同じ有効成分を持つ市販薬を紹介!

いかがでしたか?ウレパール10%は医療用医薬品であるため市販はされていませんが、有効成分である尿素が含まれた、乾燥性皮膚用薬は市販されていることが分かりましたね。OTC医薬品の第二類医薬品であっても、第三類医薬品であっても分からないことがあれば、薬剤師や販売登録者に相談しましょう。そして、使用してみて副作用かもしれない…と思われる症状があれば、ただちに使用をやめて、もちろんこちらも相談するようにしましょう。