コラム
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抑肝散は市販されているの?どんな時におすすめ?
「不安な気持ちが強い」「常にイライラしてしまう」「気持ちが高ぶって眠れない」といった悩みを抱えている方に抑肝散はよく処方されます。
病院に行きたくても行けないとき抑肝散を市販で購入したいと思いますよね。
今回は、抑肝散を市販で購入できるセルフケア薬局と、抑肝散の詳しい効果効能をご紹介します。
この記事を読むと以下を知ることができますのでご参考にしてみてくださいね。
・抑肝散はどんな漢方か?特徴
・抑肝散はどんな人が飲んでいる漢方?効果について
・自分が抑肝散の服用に適した体質かチェック!
・抑肝散の副作用
Contents
抑肝散を市販で購入する方法
第2類医薬品として市販されています。漢方薬局では、薬剤師による「証」の診断を受けることも可能です。
※「証」とは漢方独特の観点に立った診断です。陰や陽、虚や実などに分けられます。
抑肝散は市販でも購入もできる
漢方薬はツムラやクラシエなどが第2類医薬品販売するものと、病院で処方される医療用の漢方薬があります。
第2類医薬品はドラッグストア等で購入することが可能ですが、医療用の漢方薬は一般的や薬局では購入することはできません。
医療用の漢方薬を購入する方法として、零売薬局(れいばいやっきょく)という形態があります。
「零売」とは、受診ができない場合などのやむを得ない場合に、処方箋がなくても買える病院と同じ薬(非処方箋医療用医薬品)を販売する形態のことです。
ただし、医療用の薬は効き目が強く副作用も心配されるため、薬剤師によるヒアリングは必ず必要となります。
どうしても病院へ行く時間がないが医療用の薬がすぐに欲しい場合は、近くに零売薬局があるか調べてみるのも一つの手です。
またセルフケア薬局ではLINEを登録いただくと、無料で薬剤師に相談できます。よろしければご活用ください。
抑肝散(ヨクカンサン)の特徴
名前の通り肝(神経)の高ぶりをおさえ、また、筋肉の“こわばり”や“つっぱり”をゆるめて、心と体の状態をよくする薬です。
もともとは子供や赤ちゃんの夜泣きや疳の虫、かんしゃく用として利用されていましたが、現在では大人の神経症状にもよく利用されています。
病院では体質にこだわらず、精神・神経疾患の補助薬として処方されています。その他、歯ぎしり、更年期障害、女性ホルモンの乱れによる不快な症状対策にも利用されています。
また、認知症の病因の一つとされるグルタミン酸神経系の機能異常に効果があると推測されるため、興奮、怒り、徘徊、不眠など認知症の症状に処方されることもあります。
当帰(トウキ)、 釣藤鈎(チョウトウコウ)、川芎(センキュウ)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、柴胡(サイコ)、甘草(カンゾウ)が含まれています。
当帰
血の不足を補い、巡りを改善することから、月経不順など婦人科系疾患に利用されます。また便秘や冷え性、貧血にも効果が期待できます。
釣藤鈎
肝の高ぶりを抑えるとされ、鎮静効果から精神不安や頭痛、めまいに用いられます。また、子供のひきつけや疳の虫にも効果が期待できます。
川芎
血と気の巡りを整え、鎮静、鎮痛、補血、強壮に効果が期待できます。婦人病に用いられることも多いが、風邪による頭痛や関節痛などにも利用されます。
自分に合った漢方薬を知りたい方は、その他の漢方もチェックしてみてくださいね。
抑肝散の効果
肝の高ぶりを抑え、神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症対策に用いられます。
通常、虚弱な体質で神経が高ぶる人に用いられます。
認知症にも用いられ、神経の興奮状態を鎮めて怒りやすいやイライラを改善し、穏やかな生活を取り戻す手助けをしてくれます。そのため、本人だけでなく介護をする人にとっても重要な役割を果たします。
具体的には以下のような人が利用しています。
◇不安などの神経症の人
◇気持ちが高ぶりなかなか眠れない人
◇夜泣きのひどい赤ちゃん
◇興奮してかんしゃくを起こすことの多い子供
◇認知症が気になる人
神経が高ぶる時や認知症の人に多くも用いられます。
認知症の場合は、徘徊など行動型以外にも、妄想や幻覚、攻撃性の緩和に有用とされています。
抑肝散があなたに効く漢方かチェック!「陽証」「虚証」体質の人向き
漢方医学では「陰証・陽証」「虚証・実証」などの体質に分けて、その漢方薬が向く体質かを判断します。
桔梗湯は、「陽証」「虚証」向けの漢方薬です。
以下で「陽証」「虚証」の体質の特徴をご紹介します。
自分が当てはまるかチェックしてみるといいでしょう。
「陽証」体質の特徴
陽証とは、熱に影響されている暑がりタイプです。
以下のような特徴があります。
◇暑がり
◇冷たい飲み物を好む
◇体温が高め
◇舌が赤い
「虚証」体質の特徴
体力がなく病気に対する抵抗力や反応が弱いタイプとされています。
以下のような特徴があります。
◇華奢な体格
◇気力がなく疲れやすい
◇脈が弱々しい
◇下痢しやすい
抑肝散の副作用
漢方薬なので、重い物はまずありませんが、胃の不快感、食欲不振、吐き気、下痢
発疹、発赤、かゆみ、肝機能値の異常などの症状を伴うことがあります。
特に胃腸が虚弱な人は、注意が必要です。
添付文書に記載されている気をつけておきたい重度の副作用は以下となります。
偽アルドステロン症
だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。
心不全
息苦しい、息切れ、胸が苦しい、動悸、疲れやすい、むくみ、急な体重増加。
横紋筋融解症
手足のしびれ・けいれん、力が入らない、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
間質性肺炎
から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
肝臓の重い症状
だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
※成分に「甘草」が含まれるため、副作用としてむくみや血圧の上昇などが起こる可能性があります。アルドステロン症、ミオパチー(筋肉障害)、低カリウム血症の方は利用できません。
まとめ
比較的体が弱く、興奮しやすい、イライラする、眠れないなどの症状がある場合は、抑肝散を試してみるのもよいでしょう。
また、高齢者のイライラや不眠症は認知症が疑われる場合があります。認知症の治療は西洋医学でも難しいものですは、漢方薬を用いることで症状の改善することがあります。
薬剤師 服部雄太
■処方箋なしで病院の薬が買える薬局を通して、受診ができない方々の健康支援を目指しています。