痩せ型と肥満型の睡眠時無呼吸症候群について

「痩せ型であっても睡眠時無呼吸症候群になることはあるのだろうか…?」
「どんな人が睡眠時無呼吸症候群になりやすいのだろうか…?」
睡眠時無呼吸症候群と患者の体型には深い関係があり、その発症は肥満の方の方が多いです。しかし、痩せ型だからと言って、睡眠時無呼吸症候群にならないとは限りません。

今回の記事では、睡眠時無呼吸症候群と体型の関係について解説していきます。痩せ型であっても、自分が睡眠時無呼吸症候群かもしれない…と感じている方など、ぜひご覧ください。

Contents

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群になると、大きないびきとともに睡眠中に何度も呼吸が止まり、体が低酸素状態になります。このような低酸素状態が繰り返されることで、高血圧・狭心症・心筋梗塞・脳卒中などになるリスクが高まってしまいます。

医学的定義では、睡眠中10秒以上呼吸が止まったり呼吸が弱くなることが1時間に5回以上繰り返される状態を、睡眠時無呼吸症候群と言います。

睡眠時無呼吸症候群によって引き起こされる問題

睡眠時無呼吸症候群は、心臓・呼吸器系の疾患リスクを高めるだけでなく、睡眠の質が悪くなることで、さまざまな弊害を招きます。日中の眠気・倦怠感・疲れが取れないなどの症状が起こり、居眠り運転による事故につながる恐れもあるでしょう。

睡眠時無呼吸症候群の仕組み

睡眠時に呼吸が止まってしまう原因には、空気の通り道である気道が一部または完全に塞がってしまうことにあります。睡眠中は咽頭の筋肉や舌が緩んで、気道が狭くなるのです。

睡眠時無呼吸症候群と体型の関係

睡眠時無呼吸症候群は、気道が狭くなる方に起こりやすい疾患です。そのため、睡眠時無呼吸症候群と体型には深い関係があると言えるでしょう。

肥満型の睡眠時無呼吸症候群

気道が狭くなる方に起こりやすいということを先述したとおり、肥満の方は頸部にも脂肪がついているため、喉の奥も狭くなって気道を潰してしまい、無呼吸が起こります。

痩せ型の睡眠時無呼吸症候群

気道が狭くなることで起こる睡眠時無呼吸症候群は、肥満の方がなりやすいというのはわかりやすいでしょう。しかし、冒頭でもお伝えしたとおり痩せ型の方であっても起こることがあります。

もともと日本人は下あごが小さい人が多いため、仰向けで寝ることであごが後退しやすくなって、痩せていたとしても気道が狭くなってしまう方もいるのです。下あごが小さかったり、下あごの後退だけでなく、首が短くて太い人も睡眠時無呼吸症候群になりやすいです。そのため、肥満型の方に限らず、痩せ型の方でも睡眠時無呼吸症候群を発症することがあるのです。

また、中枢性睡眠時無呼吸症候群といって、気道が狭くなることによって問題が起こるのではなく、呼吸中枢の呼吸リズムの調節の問題によって起こるものは、痩せ型・肥満型に関わらず起こります。

睡眠時無呼吸症候群の検査方法

睡眠時無呼吸症候群の検査方法には、検査端子を体に取り付けた上で一晩入院し、睡眠時の呼吸状態を調べるポリソムノグラフィー(PSG)という検査があります。この検査では、心
電図・脳波・胸部・腹部の動き・空気の流れ・動脈中の酵素飽和度・無呼吸低呼吸数などが記録されます。

睡眠時無呼吸症候群の対策

続いて、睡眠時無呼吸症候群を予防する、改善するために有効な対策を紹介しましょう。

健康的な体重を維持する

肥満が原因で睡眠時無呼吸症候群になっている方は、減量によって気道を広げることが効果の高い治療方法です。適度な運動を生活に取り入れ、バランス良く食事を食べて、健康的な体重まで減量ができるようにしてください。

禁煙

喫煙をすると、血中の酸素が減って睡眠中の無呼吸を悪化させる恐れがあります。喫煙はさまざまな疾患の要因でもあるため、可能な限り早くやめられると良いでしょう。

横向きで眠る

横向きで寝ると気道が塞がりにくく、呼吸がしやすくなります。横向きの姿勢を固定するために抱き枕などを使い、常に横向きで眠れるようにしてください。

まとめ:痩せ型と肥満型の睡眠時無呼吸症候群について

いかがでしたか?今回の内容としては、
・睡眠時無呼吸症候群になると、いびきとともに睡眠中に何度も呼吸が止まる
・肥満の方は頸部にも脂肪がついているため、気道を潰してしまい、無呼吸が起こる
・痩せ型の方であっても、骨格の問題で睡眠時無呼吸になる場合がある
・睡眠時無呼吸症候群の対策としては、禁煙や横向きで寝るなどの方法がある
以上の点が重要なポイントでした。睡眠時無呼吸症候群は体型に影響のある疾患であり、肥満の方がなりやすいものの、痩せ型の方であっても起こります。ですので、家族にいびきを指摘されたり、睡眠の質に問題がある方は、睡眠時無呼吸症候群である可能性も考えてみるべきでしょう。