低血糖の原因・症状・対処法|糖尿病ではない人も起こり得る?

「低血糖はどのような状態を指すのだろう…」

「低血糖の原因にはどのようなものがあるのだろう…」

低血糖になると、血糖値が正常範囲以下まで下がって動悸・冷や汗・意識障害・痙攣などの症状が現れます。重度になると昏睡状態に陥る恐れもあるため、低血糖の可能性がある症状を放置してはいけません。


今回の記事では、低血糖の原因・症状・対処法とともに、糖尿病との関係について詳しく解説しましょう。自分は低血糖かもしれないと感じているのなら、ぜひ参考にしてください。

<h2>血糖値とは?</h2>

血糖値とは人間の血液内のブドウ糖の濃度を指しており、食前・食後でその数値が変わります。具体的には、健康な方の血糖値は食前で70〜100mg/dl・食後は上限140mg/dl程度という範囲で変動します。


食事によって上がった血糖値はインスリンというホルモンの働きで下げられ、元の状態に戻るのです。この働きに問題が起こると、低血糖・高血糖につながります。

<h3>低血糖と高血糖について</h3>

血糖値が必要以上に低くなってしまう状態を低血糖と呼び、次の章で紹介するようなさまざまな不調を招きます。血糖値は正常値にとどまることが理想的であり、インスリンの働きが弱いなどの原因で血糖値が高い状態が続いてしまうと、高血糖になるのです。高血糖は糖尿病を招き、さまざまな合併症につながります。

<h3>低血糖の症状</h3>

低血糖は、その血糖値の数値によってさまざまな不調が現れます。

血糖値60mg/dl以下:異常な空腹感・だるさ・冷や汗・震え・不安感・動悸

血糖値45mh/dl以下:眠気・めまい・疲労感・集中力低下・抑うつ・混乱・脱力・物が見えにくい

血糖値30mg/dl以下:意識朦朧・痙攣・昏睡・異常行動

これらの不調には個人差があるため、自分の血糖値が下がっていることに気が付かず、意識を失ってしまう方もいます。血糖値は高いことが問題視されやすいものの、低血糖にも十分に注意する必要があることを知っておきましょう。

<h3>低血糖の原因</h3>

低血糖の原因には、次のようなものがあります。

・血糖値を下げる薬

・食事量や炭水化物の不足

・空腹での運動

・激しい運動の後・運動中

・過度のアルコール摂取

・腎機能が低下している

・入浴

体のためを思って運動をしている場合でも、激しい運動が低血糖を招く恐れがあります。

<h2>低血糖と糖尿病の関係とは?</h2>

糖尿病になるとインスリンの働きが弱くなって血糖値が上がり、高血糖を招きます。そのため糖尿病の治療には、血糖値を下げるための薬、インスリンが用いられます。


これらの治療の効果が強く出過ぎたり、定められた用量用法を守らなかった時に、低血糖の症状が起こります。特にインスリン注射を行ってる患者は低血糖が発生しやすいので、十分な注意が必要です。


糖尿病の患者は血糖値のコントロールがうまく行えていないことから、下がり過ぎた血糖値を上げる力も不足している場合があります。糖尿病の治療をしているのなら、高血糖だけでなく低血糖にも注意しなければならないというわけですね。

<h2>低血糖の見極め方について</h2>

低血糖の症状は人それぞれ変わるため、低血糖を個人で見極めることは非常に難しいです。特に普段から低血糖が続いている方は、低血糖状態に慣れてしまい、前兆なく昏睡に至る恐れがあります。この状態を「無自覚性低血糖」と呼びます。無自覚性低血糖と診断されている方は、自動車の運転に十分な注意が必要です。


無自覚性低血糖を防ぐためには、手の震え・ふらつき・目のかすみなどの見逃してしまいがちな症状であっても、医師に相談するべきです。また、普段から血糖自己測定器を持ち歩き、不調が血糖値によるものかを確認できるようにしておきましょう。特に車の運転前に血糖値が下がっているのなら、運転を控えるべきです。

<h2>低血糖の対処法</h2>

ここからは、低血糖の対処法について紹介していきます。自分が低血糖かもしれない…と思っている方や、病院で低血糖と指摘された時には、次のような対処法を実践してください。

<h3>ブドウ糖が簡単に摂取できるようにしておく</h3>

ブドウ糖・ブドウ糖を含む清涼飲料水を普段から持ち歩き、低血糖の症状が出たタイミングですぐ摂取できるようにしておきます。可能であれば、必要摂取量を主治医に確認すると良いでしょう。


ブドウ糖ではなく菓子パンやチョコレートを食べるという手段もありますが、摂取量が多いと血糖値を上げ過ぎてしまいます。また、逆に人工甘味料の場合は砂糖よりも摂取後の血糖値の上昇が抑制されます。