軟膏やクリームの塗り方|「塗布」と「塗擦」の違いとは?

「普段軟膏やクリームはテキトーに塗ってしまっている…」
「軟膏やクリームの塗り方が知りたい…」
外用薬である軟膏やクリームは、正しい塗り方をすることでその効果を最大限に引き出せます。しかし、軟膏やクリームの塗り方にいくつかの種類がある事実を知らない方も多いようです。

塗り薬を誤った方法で使用し続けると、思わぬ副作用につながる恐れもあります。今回は、軟膏やクリームの塗り方をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。

Contents

塗布と塗擦の違いとは?

外用薬の塗り方として指定されることがある塗布と塗擦には、下記のように明確な違いがあります。

塗布:指の腹を使って薬を皮膚に広げるように塗る
塗擦:力を入れずに薬を皮膚に擦り込むように塗る

どちらも優しく塗ることが大切なので、皮膚を傷つけないように注意してください。また、多くの軟膏やクリームの塗り方には塗布が適しています。

塗擦の目的とは?

薬を塗擦し皮膚に薬を擦り込むことで、薬が体内に吸収されやすくなり、高い効果が得られます。塗擦が適している薬剤は、筋肉痛時に使用する消炎鎮痛剤やスキンケアで使われる保湿剤などです。ただし、皮膚をゴシゴシと擦るような行為は皮膚ダメージにつながるため、力を入れずに優しく繰り返し薬を塗り込みます。

塗擦の方法がイメージしにくいという方は、医師または薬剤師に薬の塗り方をレクチャーしてもらいましょう。

外用薬は医師の指示に従いましょう

外用薬は口から摂取する内用薬と同じように、医師や薬剤師の指示に従って使用しなくてはいけません。誤った方法で薬を使用すると、期待する効果が得られなかったり、副作用が現れてしまう恐れがあるのです。外用薬の使用方法に疑問が生じた場合には、病院か薬局に問い合わせるべきでしょう。

軟膏やクリーム(塗り薬)の量の目安について

成人の手のひら2枚分の範囲に、軟膏やクリームなどの塗り薬を塗りたいと考えているときの使用量の目安は下記の通りです。
・チューブの穴の直径が5mm程度の軟膏やクリームは、人差し指の先から第一関節まで
・ローションタイプは、1円玉大
薬の種類によって適用量が変わる場合もあるため、使用量の目安は必ず事前に確認しておきましょう。塗り薬の使用量は、多過ぎても少な過ぎても良くありません。

ステロイド軟膏の塗り方について

ステロイド軟膏は朝・晩塗ることが原則ですが、痒みが強い場合には1日4〜5回まで使用回数を増やせます。ステロイド軟膏は最初に人差し指の指先に軟膏を取り、患部に置いた上で塗布しましょう。広範囲に軟膏を広げたい場合には、手のひらを使います。
また、ステロイド軟膏の吸収を高めたい時は、軟膏を塗った部分をラップで覆う密封法(ODT)というものがあります。ただし、密封法は医師から指示される場合におこないましょう。

副作用が出た場合は?

ステロイド軟膏を長期間利用すると、毛細血管がもろくなって拡張するなどの副作用が発生する恐れがあります。副作用が出た時には、すぐに使用を中止して医師や薬剤師に相談しましょう。

軟膏やクリームを塗った後について

軟膏やクリームを塗った後は、患部以外の部分に塗り薬がつかないように手を洗います。薬を塗ったままの手で目や口に触れてはいけません。

まとめ:軟膏やクリームの塗り方|「塗布」と「塗擦」の違いとは?

いかがでしたか?軟膏やクリームの塗り方には、優しく広げるように薬を塗る「塗布」と皮膚に薬を擦り込むように塗る「塗擦」といった方法があるということでした。処方された塗り薬の塗り方、使用回数、使用のタイミング、適切な量などを把握し、期待する効果が得られるようにしてください。