ウイルス性胃腸炎の潜伏期間は?(ノロウイルス・ロタウイルス・サポウイルス)

「ウイルス性胃腸炎の潜伏期間はどれぐらい?」
ウイルス性胃腸炎には潜伏期間があり、症状が出る前から感染を広げてしまう可能性が考えられます。また、ウイルス性胃腸炎はさまざまなウイルスで発症するため、そのウイルスの種類によっても潜伏期間が変わるのです。

今回は、ウイルス性胃腸炎の潜伏期間や感染を予防する方法について詳しく解説していきます。

Contents

ウイルス性胃腸炎とは

ウイルス性胃腸炎症は主に冬場に流行する感染症で、ウイルスが体内に侵入することで下痢・嘔吐などの胃腸炎症状を起こします。原因となる病原体にはさまざまな種類があり、ウイルスによって潜伏期間はもちろん症状や経過も変わります。

ウイルス性胃腸炎の感染経路

ウイルス性胃腸炎の感染経路は以下の3種類に分けられます。

1.接触感染

患者の手などに付着したウイルスに触れ、その手で食事をする・顔を触るなどの行為によって感染します。

2.飛沫感染

患者の吐しゃ物などの飛沫を吸い込むことで感染します。吐しゃ物の付着した衣類を手洗いする場合にも、飛沫にウイルスが入り込むでしょう。

3.経口感染

ウイルスで汚染された食品を十分に加熱せずに食べることで感染します。

ウイルス性胃腸炎の種類と潜伏期間

ウイルス性胃腸炎を起こすウイルスにはいくつもの種類がありますが、ここでは例年多くの方が感染するノロウイルス・ロタウイルス・サポウイルスの特徴・症状・潜伏期間について見ていきましょう。

ノロウイルス

ノロウイルスは、少量のウイルスが体に入り込んだだけでも感染するという感染力の強いウイルスです。特に11〜2月の冬場に流行し、あらゆる年齢層に感染します。

その症状は吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・発熱で、発熱は軽度であり、潜伏期間は1日〜2日程度です。通常であれば、2〜3日で回復に向かいますが、抵抗力の弱い高齢者や乳幼児は重症化の恐れがあるでしょう。感染しても発症しない・軽い風邪症状のみで済む方もいます。

ロタウイルス

子供が感染しやすいウイルスで、就学前の子供の半数はロタウイルスに感染して小児科を受診すると言われています。その症状には、ノロウイルスと同じく吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・発熱があり、潜伏期間は2〜4日とノロウイルスよりも長くなります。そのため、二次感染が起こりやすいでしょう。

また、ノロウイルスと比べると、吐き気よりも下痢が長く続き、白い便が出ることもあります。39度を超える高熱が出る事例も多いです。乳幼児が感染した場合は重症化して、入院が必要になる場合もあります。

サポウイルス

サポウイルスもノロウイルスと同じようにあらゆる年齢層に感染し、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・発熱の症状があります。潜伏期間は1日〜3日です。ノロウイルスよりも比較的軽症で治まり、特別な治療を必要としない事例が多いでしょう。

まだ発症しておらず潜伏期間かもしれないという意識を持つ

ウイルス性胃腸炎には潜伏期間がありますから、家族がウイルス性胃腸炎になり看病している方は、まだ発症してはいないものの潜伏期間かもしれないという意識を持つことも大切でしょう。なるべく、安静に過ごし、外では密になる空間を避けましょう。新型コロナウイルスなどを含む感染症は、一人一人の意識が感染拡大を防ぐ手立てとなります。

ウイルス性胃腸炎の感染予防対策について

ウイルス性胃腸炎はどのウイルスも潜伏期間があり感染力が高いため、きちんとした感染予防を行うことが大切です。続いて、感染予防対策のポイントを紹介していきます。

十分な手洗い

ウイルス性胃腸炎に限らず、手洗いは多くの感染症を予防する対策として有効です。感染症予防の手洗いのポイントは下記の通りです。
・調理の前・トイレ後・患者の汚物処理後には石鹸を使って十分な手洗いをする
・爪ブラシを使い、爪の間まで洗う
・爪を短く切り爪の間にウイルスが残ることを防ぐ
・石鹸は十分に泡立てて使う
・手洗い時には指輪や腕時計を外して洗い残しのないようにする

85度以上で殺菌した食品を食べる

食べ物の中心温度が85度以上になれば、ノロウイルスを含む多くのウイルスは感染力を失います。ウイルス性胃腸炎の感染を防ぐためには、十分加熱したものを口にしましょう。

ウイルスが付着している恐れがある箇所を消毒する