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薬害とは?副作用とは違うの?薬害の例は?
「薬害ってどのような意味で用いられることばなのだろう…」
「薬害と副作用は、意味が違うの?」
薬害と聞いてどのようなものか、すぐに答えられるでしょうか?薬に害と書くため、薬によって何らかの害が起こるもの、というようなイメージはできるかもしれませんが、具体的な意味までは分からない方が多いでしょう。
今回は薬害をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。副作用との違いについても紹介していきます。
Contents
薬害とは?
薬害という言葉に定義はありませんが、医薬品の持つ有害性を加害者が十分認識せずに投薬した結果、健康被害が社会に広がることと捉えられています。そのほか、企業や行政、医療機関などの不作為などが原因で起きた社会的な医薬品による健康被害も薬害と言えます。
副作用との違いは?
症状を緩和させたり、病気を治療するといった薬本来の作用のことを主作用といい、それ以外の有害な作用のことを副作用といいます。副作用はどのような薬でも存在しますが、用法・用量を守らなかったりすると、副作用はあらわれやすくなります。
薬害と副作用の違いは、副作用は主作用に対してそれ以外の害のある作用に対して、薬害は多くの人が健康被害を受けるという結果があります。
過去にどのような薬害があったか?|薬害の例
過去に日本で起こった薬害の例が下記になります。
・止血剤として使用された血液製剤にC型肝炎ウイルスが入っていたことにより、多くの人がC型肝炎ウイルスに感染
・陣痛促進剤の適切な使用方法が徹底されていなかったことにより、胎児の死亡や重度の脳性麻痺といった被害が起こった
・はしか・風しん・おたふくかぜを予防するMMRワクチンの摂取により、多くの子供が無菌性髄膜炎を発症した(製薬会社が国に報告をしていない薬の作り方をしていた)
・止血・出血予防の薬として使用していた非加熱血液製剤にHIVが含まれていたことによって、多くの方がHIVに感染(薬害エイズ)
薬害根絶デーについて
1980年代、血友病患者に投与された血液製剤によって、多くのHIV感染者を生んだ薬害エイズ事件。ウイルス感染の危険性を知りながら製造していた製薬会社と国の事実隠蔽によって、多くの被害者が生まれたことへの反省をふまえ、誓いの碑が1999年8月24日庁舎正面に建立されました。その翌年から8月24日を薬害根絶デーとして、薬被連が厚生労働省交渉・文部科学省交渉・リレートークなどで行動しています。
薬害を起こさないようにするには?
薬の安全性などをチェックして販売を認める国、薬を製造し販売する製薬会社、薬を処方する医療機関、服用する消費者、それぞれが役割を果たしながら薬の安全性や副作用に関する情報を共有していくことが、薬害を起こさないために必要です。
役割として、国は薬の安全性や有効性などを適切にチェックして指導を行う役割を持ち、製薬会社は試験を重ねて安全な薬を開発する役割、医療機関は薬を正しく処方し、薬の情報を正しく消費者に説明する役割、消費者は、用法用量を守って薬を服用し、自身が使う薬に関心を持つという役割があります。また、人の命や健康よりも利益を優先するようなことがあってはならず、そのような姿勢は正さなければなりません。
薬を服用して異変があればすぐに相談
薬を服用して、もし何らかの症状・異変を感じればすぐに医師または薬剤師に相談しましょう。これは医療用医薬品だけに限らず、OTC医薬品と呼ばれるドラッグストアや通販で購入できる薬に関しても同じです。また、薬による健康被害を受けた人たちを救済するために医薬品副作用被害救済制度などの公的な救済制度もあります。
医薬品副作用被害救済制度ができたきっかけとは?
医薬品副作用被害救済制度は、重篤な薬害事件であった、スモン事件がきっかけとなり創設されました。スモン事件とは、1953年に許可されたキノホルム剤(整腸剤)を服用した人が視力障害や痛み、全身のしびれが生じた事件になります。
医薬品副作用被害救済制度は、薬を適正に使用したことが前提であり、副作用の中でも入院相当の治療が必要な被害・死亡・1、2級程度の障害を対象としています。給付の請求は、健康被害を受けた本人またはそのご遺族が独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対しておこないます。救済の内容としては、月額35000円程の医療手当や生活補償などを目的とした給付などがあります。
まとめ:薬害とは?副作用とは違うの?薬害の例は?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・企業や行政、医療機関などの不作為などが原因で起きた社会的な医薬品による健康被害を薬害という
・主作用以外の有害な作用が副作用であり、社会的な問題となっている薬害とは違いがある
・血液製剤によるC型肝炎ウイルス・薬害エイズは日本で起きた薬害としては有名
・8月24日は薬害根絶デーである
以上の点が重要なポイントでした。薬害は医薬品の害が社会的な問題になるものですが、国や製薬会社などそれぞれが役割を果たしていくことが、薬害を起こさないためには重要でしょう。