残薬とは?残薬が出てしまう原因や残薬を出さないための方法について

皆さんは残薬の意味をご存じですか?残薬という漢字からして、何となく意味をイメージできるかと思いますが、実はこの残薬が日本では問題となっているのです。

今回は、残薬とは何か?という点をテーマに、残薬の問題点や残薬がある場合にどうすればいいのか?などについて解説していきます。

Contents

残薬とは?

飲み忘れや調整などによって、自宅に残ってしまった薬のことを残薬といいます。

残薬が出てしまう原因とは?

残薬が出てしまう原因である飲み忘れですが、服用する薬の量が多くなればなるほど、薬の飲み忘れは増えてしまいます。なぜ薬を飲み忘れてしまったり、間違えて服用してしまうことがあるかというと、それは薬の服用タイミングがひとつ挙げられます。

薬は1日1回や1日3回などさまざまであるため、薬を併用する上でタイミングの違いがあると、本来1日1回服用すべき薬を他の1日3回服用しなければならない薬と一緒に複数回飲んでしまったり、1日2回服用すべき薬を1回しか服用していなかった…ということが起こるのです。

残薬が出てしまう原因はほかにもありますので、続いて見ていきましょう。

忙しさなどから薬の服用を忘れてしまう

普段薬を飲まれていない方で薬の服用が習慣化されていないと、単純に飲み忘れてしまうことが考えられます。仕事の忙しさなどで昼食をとれなかった…などの理由で、食後服用すべき薬を飲み忘れてしまうことがあるでしょう。

薬の管理ができていない

薬の管理をしっかりできていないことによっても、残薬は出てきます。物忘れが多くなってきた高齢者の方は薬の管理が難しいため、まわりの方の協力が必要になってきます。

自己判断での服用中止

体調が良くなったことで、服用を中止し、それによっても薬が余ってしまいます。薬は本来治療に必要な分が処方されていますので、自己判断での服用中止に注意しましょう。特に細菌をやっつける抗生物質を途中で飲むのをやめてしまうと、抵抗力のある菌は残ってしまい、ぶり返すことがあります。そして、同じ抗生物質を飲んでも効きにくくなってしまうのです。

残薬の問題点について

残薬の問題点について見ていきましょう。

薬の飲み間違い

過去に服用していた残薬と、新しく処方された薬を同じ場所に保管することなどによって、薬を飲み間違えてしまう恐れがあります。また、小さいお子さんと一緒に住んでいる方は、誤飲を引き起こすことも考えられるでしょう。

多くの薬剤と医療費が無駄になる

残薬は日本の医療費(薬剤費)の約2割を占めているといわれており、医療費増加の要因になっています。また、75歳以上の高齢者だけでも、年間500億円を超えるとも言われており、医療保険の財政や、国の財政も圧迫する要因になります。

残薬がある場合はどうすればいい?

残薬がある場合、それを友人にあげたり販売したりしてはいけません。また、薬には使用期限がありますので、使用期限が過ぎた薬は処分しましょう。注射薬のポンプや針など処分にお困りの場合は薬剤師に相談しましょう。

残薬は再利用して良い?

残薬は自己判断で使用するのは良くありませんので、もし残薬を再利用したいと思う場合は、薬を調剤してくれた薬局に相談しましょう。

残薬を出さないためには?

残薬を出さないためには、かかりつけの医師や薬局に相談しましょう。相談することによって、処方日数の調整や飲み忘れ対策などができるようになるでしょう。また、お薬手帳には、服用されている薬や過去に服用していた薬が記載されているため、残薬の確認ができます。

まとめ:残薬とは?残薬が出てしまう原因や残薬を出さないための方法について

いかがでしたか?今回の内容としては、
・飲み忘れなどで余ってしまった薬のことを残薬と呼ぶ
・残薬が出てしまう原因としては、薬の管理ができていなかったり、自己判断での服用中止などが挙げられる
・残薬の問題点としては、医療費増加の要因や飲み間違い、誤飲の可能性などが挙げられる
・残薬を出さないためには、まずはかかりつけの医師や薬局に相談すること
以上の点が重要なポイントでした。処方された薬は基本的に飲み切る、薬の管理をしっかりする、医師や薬剤師に相談するなどして、薬が余らないようにしましょう。