重症の便秘だと入院することも?|腸閉塞について

「便秘が重症化するとどうなってしまうのだろう…?」
「腸閉塞ってどんな症状を引き起こすの?」
便秘が重症化すると、入院が必要な状態になる可能性があります。そのため「ただの便秘」という考えで便秘を放置することは、危険だと言えるでしょう。今回は便秘の重症化で起こる腸閉塞について、その特徴や症状を紹介していきます。

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便秘が重症化すると起きることとは?

便秘が重症化すると、危険な状態に陥る可能性もあります。まずは便秘を放置した結果、起こり得る問題について見ていきましょう。

免疫力が低下する

腸には体外から細菌やウイルスの侵入を防ぐ「腸管免疫」が存在します。便秘によって腸内環境が悪化すると、この免疫がうまく機能しなくなり、体の免疫力が低下して、感染症などの病気に罹りやすくなるのです。

痔になる

便秘で硬くなった便を排出するには、肛門に多くの負担がかかり、切れ痔・イボ痔になる恐れがあります。痔ができてしまうと、排便時に痛みを感じることから、無意識に排便を避けるようになり、さらに便秘が悪化してしまいます。

糞便塞栓症になる

水分が抜き取られ、硬くなった大量の便が直腸に溜まってしまう状態です。下剤や浣腸をしても排便が促されなくなると、病院で便をかき出す処置が必要になる場合があります。

腸閉塞とは?

腸閉塞は便秘を重症化することで併発する疾患で、腸の中で食べ物や消化液などの流れが止まってしまう状態を指しています。「イレウス」と呼ばれることもあり、腸管が閉塞して食べ物・消化液が溜まり、腸が膨れていきます。

その結果、腹痛・嘔吐・お腹が張る・便やオナラが出ない症状が続きます。塞がった箇所によって症状が変わりますが、腸管の上部が閉塞すると吐き気につながりやすいでしょう。腸閉塞は、機械的腸閉塞と機能的腸閉塞に分類されます。

機械的腸閉塞

物理的に腸管が塞がり、閉塞部の拡張や虚脱が見られます。多くの腸閉塞は機械的イレウスに分類され、血行障害を起こしてしまう場合もあります。

機能的腸閉塞

機能的腸閉塞では、神経の異常や炎症の影響で腸の動きが悪くなります。機能的腸閉塞のように腸管に物理的な問題はありませんが、何らかの理由で腸管の運動に問題が起きてしまうのです。

糞便性イレウスについて

糞便性イレウスは、溜まった便によって腸管が閉塞されて、腸閉塞症状を出すものを指します。

腸閉塞の治療方法

腸閉塞の治療は、保存的治療と手術療法の2つに分けられます。症状や状況によって治療方法が選択されますが、基本的には最初に保存的治療を行って、症状が改善しない場合に手術が選択されます。

保存的治療

禁飲食をした後、鼻または肛門からイレウス菅を腸に挿入し、胃腸内の内容物を吸引します。嘔吐・吸引障害・脱水・電解質異常を防ぐために、輸液療法も進め、腸の機能を正常化させていきます。

手術療法

保存的療法を行っても症状が良くならなかった場合は、手術で腸管の問題を改善させます。場合によっては、腸管の一部を切除することもあるでしょう。腸捻転・腸重積などの絞扼性腸閉塞では、腸が壊死してしまう危険性があるため、最初から保存的治療ではなく緊急手術が必要になることがあります。

まとめ:重症の便秘だと入院することも?|腸閉塞について

いかがでしたか?今回の内容としては、
・便秘が重症化すると便秘や痔になったりする
・腸閉塞は、腸の中で食べ物や消化液などの流れが止まってしまう状態を指す
・溜まった便によって腸管が閉塞されて、腸閉塞症状を出すものを糞便性イレウスという
以上の点が重要なポイントでした。重い便秘が続く時には、別の病気を併発している可能性も考え、なるべく早い段階で医療機関を受診しましょう。