零売薬局ではなく病院に行くべき人とは?~こんな人は零売薬局ではなく病院へ~

「零売薬局を利用するか病院に行くべきか迷っている…」

零売薬局という選択肢があることを知ると、病気を治すうえで病院に行くべきか、それとも零売薬局を利用するかという点で悩んでしまう人もいるでしょう。また、これまで零売薬局を利用したことのない人からすると、その判断は難しいことと思います。

そこで今回は、「零売薬局ではなく病院に行くべき人」をテーマにお届けしていきます。零売薬局や病院の必要性をお伝えしたうえで病院に行くタイミングを紹介しますので、最後までご覧いただければ正しい判断ができるようになるでしょう。

零売薬局は時代に即したサービスである~零売薬局の必要性~

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療提供体制の逼迫や、通院による感染リスクの増加、一般用医薬品の買い占めなどがニュースになることがありました。そして現在でも、日本のみならず世界中で新型コロナウイルスが猛威をふるっています。

零売薬局は処方箋なしで病院の薬が買える薬局であり、通院による感染リスクの回避や医療体制逼迫の回避に貢献できるため、時代に即したサービスと言えるでしょう。さらに、国が抱える問題として医療費の増加が挙げられますが、零売薬局の利用によって医療費の削減にもつながります。

※医療用医薬品には、処方箋が必ず必要な「処方箋医薬品」と処方箋がなくても販売可能な「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」があり、零売薬局で販売できるのは後者になります。

セルフメディケーションと零売薬局

セルフメディケーションとは、自身で健康を管理し、軽度な体の不調を自分で手当てすることをいいます。
例えば、ドラッグストアなどで一般用医薬品を購入して咳を抑える、熱を下げるといったことがセルフメディケーションの例です。一般用医薬品ではなく医療用医薬品で対応したいという人もやはり一定数いるわけで、零売薬局にもセルフメディケーションの側面があります。感染リスクもあって、普段服用している医薬品をもらうためだけに病院に行くのは控えたい、という場合には零売薬局が選択肢になるでしょう。

零売薬局のメリットについて

零売薬局のメリットとしては、冒頭で述べた通院による新型コロナウイルス感染リスクの回避や医療費削減だけでなく、医療用医薬品を手にするまでの時間を短縮できる点が挙げられます。受診する場合には、診察や検査があり待ち時間も発生します。
そして、発行された処方箋を薬局まで持っていかなければなりませんので、トータルで1,2時間かかることも少なくありません。一方零売薬局の場合、そのまま薬局に行けば直接医薬品を購入することができるため10分程度で済んでしまいます。

さらに、費用面でのメリットも挙げられます。受診すれば診察代や検査代、処方箋代などがかかりますが、零売薬局の場合ではシンプルに医薬品代のみとなり、負担が少なくなるケースが多いです。

零売薬局によって病院の必要性がなくなるわけではない

零売薬局では、時間短縮のメリットや費用負担の軽減といったメリットがありますが、「医療用医薬品が必要な場合は楽だから零売薬局を利用すればいい」という短絡的な考えではいけません。処方箋以外の医療用医薬品であっても、病院で処方箋をもらい手にすることが基本であり、病院の必要性がなくなるわけではないのです。

受診を避けるリスクについて

手軽に病院の薬が手に入るからという理由で病院を避けて零売薬局だけを利用していると、重大な病気の発見が遅れてしまう可能性があります。もちろん、「必要最低限度でいいから服用している薬が必要…ただ受診の時間がない…」という場合には、体調維持のために零売薬局は大きな役割を果たします。

つまり、健康を支えるために重要なのは、セルフメディケーションの見極め、そして病院と零売薬局の使い分けなのです。

零売薬局を利用するのではなく病院に行くべき人とは?

続いて、零売薬局の必要性や病院と零売薬局の使い分けが大切であることを理解したうえで、病院に行くべき人について見ていきましょう。

処方箋医薬品が必要な人

既に記載もありますが、零売薬局で直接販売できるのは「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」ですので、「処方箋医薬品」が必要な人は受診が必要となります。

自ら判断できない症状がある人

筋肉痛や胃のむかつきなど、自ら判断できる症状や原因がわかる場合にはセルフメディケーションでの対応でも良いですが、症状の判断ができなかったり、症状の原因が分からなかったりする人は受診すべきでしょう。今まで経験したことのない症状であれば、間違いなく病院に行くべきです。

症状の改善がみられない人

「一般用医薬品などで対応したが症状が悪化した…」「零売薬局で対応したが症状の改善がみられなかった…」といった人は零売薬局ではなく病院へ行きましょう。症状の改善がみられなかったり悪化したりする場合には、想定していた病気とは別の病気が隠れている可能性もあります。

薬の副作用と思われる症状があらわれた人

一般用医薬品や医療用医薬品を服用して、薬の副作用と思われる症状が出た場合には、ただちに服用を中止して受診しましょう。薬剤師に相談するのも一つの手ですが、それが副作用によるものなのか、症状のひとつなのかという判断が難しければ受診を勧められることがあります。

医師による診察が必要な基礎疾患をお持ちの人

基礎疾患のなかには、自己判断で服用を中断してはいけない薬や、定期的な通院が必須である病気があります。そのような場合では、「現在の治療に不満がある」「副作用が気になる」といった理由があっても受診しなければなりません。もし、現在の治療に疑問を抱くのであれば、セカンドオピニオンとして別の医療機関を受診しましょう。

特に合併症にも気を付けなければならない基礎疾患をお持ちの人は、医師による問診・検査は重要であることを覚えておきましょう。

健康診断で引っかかっている人

「初期には自覚症状がないものの、症状に気付いたときにはだいぶ進行している」といった発見されにくい病気や、その病気の合併症によって重大な事態につながることもあります。

発見されにくい病気に対しては定期的な健康診断が大切ですが、健康診断で引っかかっていても、気になる症状が出ていないという理由で放置してしまう人もいます。今まで無症状であっても放置していていたものが進行してしまった可能性もありますので、健康診断で引っかかっている人は病院へ行きましょう。

最初から重たい症状のある人

・動かなくても痛みがあり、眠るのも困難

・40℃近い熱がある

・咳が一日中止まらない

・血尿・血便がでる 

このような、最初から重たい症状がある場合には零売薬局ではなく、受診しましょう。血尿や血便などがあれば精密検査が必要となりますが、零売薬局では診察をおこなっていません。そのため、零売薬局に出向いても速やかな受診を勧められます。

まとめ:零売薬局ではなく病院に行くべき人とは?~こんな人は零売薬局ではなく病院へ~

零売薬局ではなく病院に行くべき人をまとめると、

・処方箋医薬品が必要な人

・症状の改善がみられない人

・健康診断で引っかかっている人

・最初から重たい症状のある人 

などが挙げられました。零売薬局を利用するか病院に行くべきか迷っていた人は、今回の内容を参考にしていただければと思います。零売薬局は時代に即したサービスとしてこれからますます必要されていくことと思いますし、零売薬局が広まったとしても病院の必要性がなくなるわけではありません。これからの時代にどちらも必要なものですので、適切に判断し、正しく利用しましょう。

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