栄養機能食品とは?栄養補助食品との違いは?

「栄養機能食品って目にするが一体どのようなものなのだろう…?」
「栄養機能食品と聞いて体に良さそうなイメージだが、具体的に知らない…」
皆さんは栄養機能食品をしっかり理解されていますでしょうか?体に良さそう…という認識を持たれている方はほとんどだと思いますが、仕組みを理解されている方は少ないように思えます。

今回は、栄養機能食品とは何か?という点をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。

Contents

栄養機能食品とは?

栄養機能食品とは、ビタミンやミネラル等通常の食生活では1日に必要な栄養成分を摂れない場合に、利用する食品です。そして、身体の成長や発達、健康維持に必要な栄養を補給することを目的としたものになっています。

食生活の乱れによって、栄養が不足してしまうことがありますが、そのような時に栄養機能食品を検討すると良いでしょう。

栄養機能食品は国への許可申請は必要なのか?

それぞれの栄養成分ごとに、国によって1日あたりの摂取目安量の中に含まれる、当該栄養成分量の基準値が定められています。その定められた基準内であれば、国への許可申請は必要なく、栄養成分の機能を表示できます。つまり、基準に適合すれば、許可を得なくても栄養機能食品と称して販売できるということです。

栄養機能食品として販売するにあたっては、定められた栄養の上下範囲内である必要があるほか、注意喚起表示等も記載する必要があります。

栄養機能食品にはどのような記載が求められているのか?

栄養機能食品における義務表示事項としては、栄養機能食品である旨の記載・栄養成分の機能・一日当たりの摂取目安量・摂取の方法・摂取をする上での注意事項・「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」と表示する・「本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。」と表示する、などがあります。

このように食品表示法に基づいて細かく指定がされており、栄養機能食品が特定保健用食品と誤認されないようにしたり、過剰な宣伝・記載ができないようになっています。

栄養機能食品で病気が治る!などと記載することはできない

栄養機能食品は定められた栄養機能表示以外に、疾病名の表示その他医薬品と誤認されるおそれのある表示をしてはならないことになっています。栄養機能食品は、健康効果が保証されているものではなく、あくまでも栄養素を補うためのものであるため、より多く摂取することによって病気が治癒したりするものではありません。

どのような栄養成分が機能表示できるのか?

機能に関する表示ができる栄養成分は下記のとおりです。
脂肪酸:n-3系脂肪酸
ミネラル類:亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム
ビタミン類:ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン

機能表示は定められている

ビタミンAや亜鉛など、前項の栄養に対する機能表示は定められており、自由に記載すること、省略したりすることは認められていません。

例えばカルシウムの場合は、カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。ビタミンAの場合は、ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。といった具合に定められています。

参考:食品表示基準_別表9~別表第21
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms20
1_220330_02.pdf

栄養機能食品=サプリメント?

栄養機能食品というと、サプリメントをイメージされる方が多いかと思いますが、サプリメントだけでなく、加工食品や生鮮食品も条件に合えば含まれます。つまり、カプセルや錠剤のものでなくとも、野菜や魚であっても、栄養機能食品における義務表示事項を記載した上で、栄養機能食品として表示することが可能なのです。

栄養機能食品と栄養補助食品との違いとは?

栄養補助食品は、文字通り栄養を補助するためのものを指しますが、法律などによって制度化されたり定義されたりしているものではありません。そして、通常の食品として分類されるため、効能や効果を表示することは法律上認められていないのです。

ここまで見てきた栄養機能食品に関しては、定めはあるものの栄養機能の表示が可能であるのに対して、栄養補助食品は定義されたものではないため、栄養機能表示や効果を表示することができないという違いがあります。

まとめ:栄養機能食品とは?栄養補助食品との違いは?

いかがでしたか?今回の内容としては、
・栄養機能食品は、身体の成長や発達、健康維持に必要な栄養を補給することを目的としたものである
・栄養機能食品は、国への許可申請は必要ない
・国によって定められた栄養成分量の基準値の範囲内であれば、栄養機能食品として販売が可能
・栄養機能食品は、より多く摂取することによって、病気が治癒したりするものではない
・栄養補助食品は、法律などによって制度化されたり定義されていたりするものではない
以上の点が重要なポイントでした。栄養機能食品は、定められたルールの上で販売されている食品であり、栄養を補う意味合いで口にするものです。それを多く摂取することで病気が治る…などとは誤解しないようにしましょう。