ヘルニアとは?ヘルニアの種類・症状・原因について解説!

ヘルニアは体の一部があるべき場所から出てしまう状態のことで、脱腸・椎間板ヘルニアは代表的なヘルニアの種類です。発症箇所によって症状が変わるものの、多くの場合は痛みや痺れなどを感じます。


今回の記事ではヘルニアについての基本的な知識とともに、代表的なヘルニアの種類を紹介しますので、ぜひご覧ください。

<h2>ヘルニアとは?</h2>

ヘルニアとは体内の臓器が、本来あるべき場所から外に飛び出してしまうことを指しており、神経の圧迫による痛み・痺れ・感覚がなくなるなどの症状を伴います。発症箇所によって原因や詳細な症状は変わるものの、重症化すると感覚障害や筋肉麻痺を起こすこともあります。

<h2>代表的なヘルニアの種類</h2>

ヘルニアは体のさまざまな部分で発症する可能性があり、その部位によって発症原因・症状・治療方法が変わります。ここでは代表的なヘルニアの種類を3つ紹介します。

<h3>椎間板ヘルニア</h3>

代表的なヘルニアの一つに、椎間板ヘルニアがあります。椎間板は、姿勢や動作を支える腰椎を構成する椎骨と椎骨の間に存在し、それぞれの骨同士がぶつからないようにするクッションの役割を果たします。


その内部にある髄核というゼリー状の組織が飛び出した状態が椎間板ヘルニアです。椎間板ヘルニアになると、飛び出した組織が神経を圧迫して腰痛・お尻や足に痺れを引き起こします。

<h4>椎間板ヘルニアの原因</h4>

椎間板ヘルニアは、10〜40代の若い世代に発症しやすい疾患で、遺伝・喫煙・ストレス・腰に負担のかかる行動が原因とされています。

<h4>椎間板ヘルニアの治療方法</h4>

椎間板ヘルニアの治療としては、コルセットの着用・運動療法・投薬療法・手術療法などがあります。ちなみに、多くの場合椎間板ヘルニアは6ヵ月前後で自然に消失していきます。

<h3>鼠径ヘルニア</h3>

鼠径ヘルニアは「脱腸」のことで、本来体内にあるべき腸が太ももや足の付け根に飛び出してしまう状態です。

初期症状では、立っている時・お腹に力を入れた時に鼠蹊部付近に膨らみが現れるものの、指で押さえるとすぐに元に戻ります。


しかし、症状が進行すると腸の一部も外に出るようになり、お腹の痛み・嘔吐などの症状があらわれます。この頃には、出っ張りの部分を押しても元に戻りません。

<h3>鼠径ヘルニアの原因</h3>

鼠径ヘルニアが発生する鼠径部には男性の場合は精菅・女性なら靭帯が通っています。加齢によって筋膜が衰えると、腹膜が外に飛び出しやすくなり、次第に腸なども臓器も出てきてしまうのです。


便秘症・肥満症・立ち仕事をしている方・よく咳をする方や40代以上の男性に発症しやすく、子供の発症は先天性のものがほとんどです。

<h3>鼠径ヘルニアの治療方法</h3>

硬くなったヘルニアは「嵌頓」と呼ばれ、緊急手術を行う必要があります。緊急でなければ腹腔鏡を使って手術の傷を小さくし、日帰り手術をすることも可能でしょう。


鼠径ヘルニアは自然治癒が期待できず、手術をしなければ治りません。嵌頓は命に関わる可能性も考えられるため、鼠径部に違和感があるのなら、なるべく早く医療機関を受診してください。

<h3>臍ヘルニア</h3>

臍ヘルニアは臍が突き出た状態のことで「でべそ」と呼ばれる場合もあります。乳児期の臍ヘルニアは痛みもなく自然治癒が期待できますが、大人の場合は痛みや違和感、鼠径ヘルニアと同じように嵌頓のリスクがあるため、適切な治療が必要です。

<h3>臍ヘルニアの原因</h3>

人間は胎児の頃に臍の緒を通して母体から栄養を摂取し、出生後は臍の緒が取れて乾燥・凹むものですが、時折この凹みがうまく塞がらずに膨らんだ状態になります。


乳児は腹筋が未発達なので、赤ちゃんの臍ヘルニアは珍しいものではありません。大人になってから臍ヘルニアを発症した場合は、妊娠・肥満・腹水などが原因として考えられます。

<h3>臍ヘルニアの治療方法</h3>

乳児の臍ヘルニアは自然に治る可能性がありますが、お臍の皮膚が伸びてしまわないようにテープや綿球を使った圧迫療法でお臍の形を治していきます。


圧迫療法の効果は早く治療を始めるほど高くなるため、可能な限り生後6ヶ月以内に治療を始めましょう。大人の臍ヘルニアは筋膜を塞ぐための手術が必要です。手術方法には開腹手術・腹腔鏡手術が用いられます。

<h2>まとめ:ヘルニアとは?ヘルニアの種類・症状・原因について解説!</h2>

いかがでしたか?今回の内容としては、

・ヘルニアは体内の臓器が外に飛び出している状態

・椎間板ヘルニアは自然治癒が期待できる

・鼠径ヘルニアは手術による治療が必要

以上の点が重要なポイントでした。ヘルニアは発生箇所によってその症状・必要な対処が変わる疾患です。ヘルニアが硬くなる嵌頓に進行すると、命に関わる恐れもあるのです。ヘルニアに悩んでいるのなら、まずは医療機関を受診しましょう。