風邪等で起こるリンパ節の腫れ|リンパ節炎につい

「風邪でリンパ節が腫れて辛い…」
「リンパ節が腫れているのはなぜだろう…」
リンパ節が腫れると、腫れの痛みだけでなく熱も出やすいです。リンパ節は風邪などの感染症が原因で腫れることもありますが、深刻な病気のサインである場合もあります。

今回の記事では、リンパ節が腫れる原因や症状について詳しく説明します。リンパ節に違和感があるのなら、ぜひ参考にしてください。

Contents

リンパとは?

そもそもリンパとは、リンパ管を流れるリンパ液のことを指しています。リンパ管は血管と同じように全身に存在し、リンパ液は体内に侵入した有害なウイルスや細菌を運ぶ役割を持っているのです。

首・脇の下・そけい部にあるリンパ節は、リンパ液によって運ばれてきたウイルス・細菌と戦います。そのため、風邪などの原因でリンパ節が腫れてしまうのです。また、リンパ液には毛細血管から滲み出た老廃物・余計な水分を回収する働きもあります。

首のリンパ節が腫れる原因とは?

首のリンパ節が腫れる主な原因には、次のような疾患があります。リンパ節の腫れを感じているのなら、当てはまるものがないかを考えてみましょう。

リンパ節炎

首には200個近くのリンパ節があり、人間の体をウイルスや細菌感染から守っています。リンパ節は通常1cm以下のサイズで豆のような形をしていますが、風邪やインフルエンザなどのウイルス・細菌によって炎症を起こして腫れてしまうことがあり、この状態をリンパ節炎と呼びます。

多くの場合は風邪や扁桃腺炎が先に発症し、その後リンパ節炎が現れ、通常は痛みを伴います。ウイルスや細菌を原因としたリンパ節炎は、時間の経過とともに落ち着く場合が多いものの、そのまま「慢性リンパ節炎」になる場合もあります。代表的な症状には、発熱・リンパ節の痛み・倦怠感・食欲不振などがあります。

溶血性連鎖球菌感染症

溶血性連鎖球菌を原因とした感染症で、子供に多く発症します。首のリンパ節の腫れとともに腹痛・頭痛・発熱・喉の痛みが現れ、舌が苺のようにブツブツになる苺状舌などの特徴的な症状も出ることがあります。合併症や再発の恐れがあるため、医療機関で抗菌薬を使った治療が進められます。

亜急性壊死性リンパ節炎

菊池病とも呼ばれる亜急性壊死性リンパ節炎になると、風邪のような症状の後にリンパ節が腫れ、長期的に熱が下がりにくくなります。原因は未だに解明されておらず、自己免疫疾患やウイルス感染によって起こるものと考えられています。ステロイド剤などを使った対症療法で、時間をかけて治療していきます。

川崎病

川崎富作博士が病気を見つけた川崎病は、リンパの腫れの他、目の充血・高熱・真っ赤な唇・苺状舌・発赤疹などの症状があり、4歳以下の東アジア人に多くみられる原因不明の疾患です。将来的に血管が詰まりやすくなる状態を避けるために、早めに血管の炎症を抑える治療を行います。

結核性リンパ節炎

結核性リンパ節炎は、名前通り結核菌に感染することで、リンパ節に炎症が起こるものです。リンパ節部分が赤く腫れ上がり、放置すると痛みを伴います。肺結核と同じ治療が行われますが、膿瘍化してしまった時には外科手術が必要です。

悪性リンパ腫

白血球の一種であるリンパ球ががん化した病気であり、首のリンパ節だけでなく、脇の下・そけい部にあるリンパ節にも、しこりが現れます。このしこりを放置すると時間をかけてしこりと腫れが全身に広がり、悪化すれば血流障害や気道閉塞などの症状を起こします。悪性リンパ腫の症状には、発熱・倦怠感・体重減少・嘔吐・かゆみなどが挙げられます。

リンパ節炎の治療法について

首のリンパ節の腫れの原因の多くは、リンパ節炎である可能性が高いです。リンパ節炎は自然治癒も可能ですが、細菌感染が疑われる場合には抗生剤・抗炎症剤の内服や点滴が有効です。なかなか症状が改善しなかったり、他の症状がある場合には、他の疾患の可能性も考え、早めに医療機関を受診するべきです。

リンパ節が腫れている時にできること

リンパ節が腫れている時に、自分で行うべき対処法にはリンパ節を冷やすという方法があります。患部を冷やすことで、炎症を抑える効果が期待できます。また、リンパが腫れているからと言って、リンパマッサージなどでリンパに無理な刺激を加えると、逆に体調を悪くしてしまう恐れがあります。腫れている状態のリンパ節には、あまり触れないようにしてください。

まとめ:風邪等で起こるリンパ節の腫れ|リンパ節炎について

いかがでしたか?リンパ節の腫れの原因には、風邪等のウイルスや細菌によるリンパ節炎の他、リンパ節に影響を与える疾患に罹っている可能性も考えられます。リンパ節の腫れとともに、不調が長く続く場合には医療機関を受診するべきでしょう。

また、リンパ節が腫れている時には患部を冷やすことと、患部を刺激しないことが大切です。腫れているリンパ節を刺激して、症状を悪化させないように注意してください。