細菌性結膜炎とは?原因・症状・治療法などについて

細菌性結膜炎は、細菌感染が原因で発生する結膜炎のことを指しています。細菌性結膜炎になると、目が充血する・非常に多くの目やにが出るなど不快な症状に悩まされてしまうでしょう。

今回の記事では、細菌性結膜炎の原因や症状、治療方法とともに、発症を予防するための対策について紹介していきます。細菌性結膜炎になりやすい方や症状がなかなか治らない方、感染を繰り返すという方は、ぜひ参考にしてください。

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細菌性結膜炎とは?

細菌性結膜炎は感染症の結膜炎の一つで、細菌の感染によって発症します。子供や高齢者が罹りやすい疾患で、放置すると視力の低下や失明につながる恐れもあります。また、年配の方の中には、細菌性結膜炎を繰り返す方もいます。

細菌性結膜炎は軽度であれば自然治癒が期待できますが、薬の治療によってより早い回復が可能なため、症状に合わせて適切な治療・対応をすることが重要だと言えるでしょう。

細菌性結膜炎の症状

細菌性結膜炎になると、
・目やにが多くなる
・充血
・目やに
・涙が出る
などの症状が現れます。量が多く粘度の高い目やにのせいで、目が開けにくいと感じる方もいます。そのほか、目がゴロゴロするという不快感があらわれる場合もあるでしょう。

細菌性結膜炎の症状が悪化すると、激しい眼痛が起きたり髄膜炎や菌血症などの疾患を併発する可能性も考えられます。特に、目に違和感があることで、目をいじってしまう幼児や乳幼児は、症状を悪化させやすいです。

細菌性結膜炎の後遺症

細菌性結膜炎の後遺症として、症状が治まったと思った頃に、角膜(黒目)部分に小さな点状の濁りが出る方がいます。そのまま放置すると視力が低下してしまう恐れがあるため、症状が緩和した後でも目に違和感がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

細菌性結膜炎の原因

細菌性結膜炎を起こす細菌は多種多様ですが、代表的な細菌にインフルエンザ菌・黄色ブドウ球菌・肺炎球菌があります。年代別に分けると、乳幼児はインフルエンザ菌・学童期の子供は肺炎球菌・高齢者は黄色ブドウ球菌が原因となる場合が多いです。

黄色ブドウ球菌は人間の常在菌ですが、怪我をした時・何らかの理由で体の抵抗力が弱くなっている時には、体に害を及ぼしてしまう可能性が考えられます。また、クラミジア菌・淋菌が原因で結膜炎が起きている状態は、細菌性結膜炎ではなく性感染症と呼ばれます。

細菌性結膜炎の診断

細菌性結膜炎の診断は、目やにや目の周囲にある分泌物を採取して検査を行い、細菌の存在を確認する方法で進められます。細菌培養検査をすれば、より病原体の正確な特定が可能です。
原因菌を明らかにすることで、治療効果の高い抗菌薬が絞られていくでしょう。

細菌性結膜炎の治療

ここからは、細菌性結膜炎の治療方法について説明しましょう。細菌性結膜炎は、軽度であれば自然治癒が可能な疾患です。

自分で治療を進める方法

軽度の細菌性結膜炎であれば、患部を清潔に保ってしっかりと体を休めましょう。市販の抗菌目薬を使うのもおすすめです。市販の抗菌目薬には、抗炎症成分・抗菌剤などが含まれており、細菌の繁殖を抑えて目やに・充血の症状を緩和できます。

ただし、「結膜炎の目薬」と記載されていても、抗菌剤が含まれていない商品も存在します。薬剤師に相談しながら商品を選択すれば、効果の高い抗菌目薬が見つけられるでしょう。

医療機関での治療方法

細菌性結膜炎の症状が強くなると医療機関での治療が必要です。細菌性結膜炎の経過を見て、次のような症状・状態に該当する場合は、なるべく早く眼科を受診してください。
・市販の抗菌目薬を2〜3日使用しても良くならない
・目がかすむ・見えにくい
・身近な場所で結膜炎が流行している
・目が痛い
・結膜炎を繰り返している
・目がひどく充血している
・目やにの量が多過ぎる
医療機関では細菌性結膜炎の治癒を促すために検査などをして、抗菌点眼薬・眼軟膏が処方されます。ほとんどの場合は、抗菌点眼薬による治療が有効でしょう。また、淋菌やクラミジアが原因で結膜炎を起こしている時には、内服薬が用いられることもあります。

細菌性結膜炎を予防するためにできること

細菌性結膜炎は自分の行動に注意することで、感染自体を予防できる疾患です。細菌性結膜炎を予防するためには、目が充血しているときには目の周囲に触れない・コンタクトレンズやアイメイクを控える・目を無闇に触らないなどの心がけが大切です。

また、プールは結膜炎の集団感染が起こる可能性があります。細菌による結膜炎を細菌性結膜炎と呼びますが、ウイルスが原因で起こる結膜炎はウイルス性結膜炎と呼びます。結膜炎が流行(アデノウイルスによる)している時期・場所では、プールに入ること自体を控えるのも良いでしょう。

結膜炎の感染を広げないための注意点

先ほどウイルス性結膜炎の話が出てきましたが、ウイルス性結膜炎の場合には非常に感染力が強いため、ウイルス性結膜炎に感染している方や感染の疑いがある方は次の点に注意してください。

・目や目やにに触れた手で他の物や感染していない目に触らない
・定期的に手をよく洗って清潔にする
・家族とタオルや寝具を共有しない
・お風呂は入らないか家族が全員入った後に使用する
集団感染を防ぐためにも、注意点を守って治療を進めるようにしましょう。また、結膜炎はアレルギーによって起こることもありますが、アレルギーによって起こる結膜炎は人にうつることはありません。

まとめ:細菌性結膜炎とは?原因・症状・治療法などについて

いかがでしたか?細菌性結膜炎はインフレンザ菌・黄色ブドウ球菌などの細菌に感染することで発症します。その症状には、目やにが多くなり目を開けにくくなる、目が充血する、目がゴロゴロする、などがあります。

軽度の場合は自然治癒が期待できる疾患ですが、視力低下や失明の恐れもあるため、症状が重い・長引いている時には、なるべく早く医療機関を受診してください。適切な治療を受ければ、より早く症状を緩和できるでしょう。