炎症性サイトカインとは?炎症症状を抑えるには?

「炎症性サイトカインについてわかりやすく知りたい…」
炎症性サイトカインとは人間の体の中で炎症症状を引き起こす原因因子の総称です。また、その逆の働きをするサイトカインを、抗炎症性サイトカインと呼びます。この記事では、炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインについて、わかりやすく解説していきます。

Contents

サイトカインとは?

サイトカインとは、細胞から分泌されるたんぱく質の一種であり、細胞同士の情報伝達をする役割を担っています。サイトカインには多くの種類があり、代表的なサイトカインは下記の通りです。
・インターロイキン(IL)(免疫応答の調節に関与する物質)
・造血因子(CSF・EPO・TPO)(血球や免疫細胞の分化・増殖を促進)
・ケモカイン(IL-8・CCL)(細胞の遊走を促進させる)
・インターフェロン(IFN)(ウイルスを排除したり増殖を抑える)
・増殖因子(EGF・FGF・PDGF)(肌のターンオーバーや組織の発達を促す)

炎症性サイトカインとは?

炎症性サイトカインは、人間の体内で炎症反応を促進する働きを持つサイトカインの総称で、細菌やウイルスなどが体内に侵入すると、この炎症性サイトカインが炎症反応を起こして体を守ります。本来炎症性サイトカインは体を守るための役割を持っていますが、関節リウマチなどの自己免疫疾患の原因でもあります。主な炎症性サイトカインには、TNF-α・IL-6・IL-1といったものがあります。

抗炎症性サイトカインとは?

抗炎症性サイトカインは、炎症性サイトカインによって過剰な免疫反応が起きないようにする働きをするものです。具体的な抗炎症サイトカインにはIL-10、TGF-βといったものがあります。

炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインのバランスが崩れると?

炎症性サイトカインと抗炎症サイトカインがバランスを保って働くことで、人間の体の健康が維持されます。このバランスが崩れてしまうと、自己免疫疾患などの疾患を引き起こす原因になります。

サイトカインストームとは?

ウイルスの侵入や薬剤投与などの影響で、過剰な炎症反応が起こり、自分の細胞まで傷つけてしまう現象を「サイトカインストーム」と呼びます。サイトカインストームは、急性呼吸窮迫症候群や播種性血管内凝固症候群、多臓器不全などの原因となります。

炎症を抑えるには?

過剰な炎症を抑えるためには、どのような方法があるのでしょうか?続いて、炎症を抑える方法について見ていきましょう。

サイトカイン阻害薬

サイトカイン阻害薬を服用すれば、炎症性サイトカインの働きを抑えられます。関節リウマチの治療などに使われています。

ビタミンDの摂取

ビタミンDには、炎症性サイトカインの濃度を低下、抗炎症サイトカインの濃度を増加させる作用があり、サイトカインストームを抑える効果、抗炎症作用があるとされています。ビタミンDが豊富に含まれている食材には、イワシの丸干し・鮭・うなぎの蒲焼き・さんま・しいたけ・まいたけ・きくらげなどがあります。

まとめ:炎症性サイトカインとは?炎症症状を抑えるには?

いかがでしたか?今回の内容としては、
・サイトカインは、たんぱく質の一種であり、細胞同士の情報伝達をする役割を担っている
・炎症性サイトカインは、体内に入り込んだ細菌やウイルスから体を守るためにある
・抗炎症性サイトカインは、炎症性サイトカインによって過剰な免疫反応が起きないようにする働きを持つ
・炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインのバランスが崩れると、自己免疫疾患の発症原因になる
以上の点が重要なポイントでした。炎症性サイトカインという言葉を聞いたことがなかった方もいるかと思いますが、今回の記事を読んで理解ができたのではないでしょうか?体の中でこのようなものが働いていることを知ったり、健康に関する知識を得ると、体を労わうという気持ちにもなりますね。