グリチロン配合錠に含まれるグリチルリチン酸について~グリチルリチン酸を含む市販薬~

肝機能異常の改善や皮膚炎などの治療に用いられる薬であるグリチロン配合錠には、グリチルリチン酸という成分が含まれています。そして、このグリチルリチン酸がさまざまな症状に働きかけます。

今回は「グリチルリチン酸について」や「グリチルリチン酸を含む市販薬」をテーマにお届けしていきます。そもそもグリチロン配合錠について知らない方もいると思いますので、軽く概要に触れてから本題に入っていきたいと思います。

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グリチロン配合錠の効能・効果

グリチロン配合錠(製造販売元:株式会社ミノファーゲン株式会社)とは、グリチルリチン酸-アンモニウムや日局グリシン、DL-メチオニンを含んだ薬であり、効能・効果は以下が挙げられます。
・湿疹
・皮膚炎
・口内炎
・円形脱毛症
・慢性肝疾患における肝機能異常の改善

グリチロン配合錠に含まれる成分により、炎症・アレルギーを抑える作用、肝細胞増殖促進作用などがあり、肝臓の働きを改善します。また、皮膚の炎症も抑えることができるため、湿疹や皮膚炎などを改善できます。

副作用は大丈夫?

主な副作用としては、頭痛や血圧上昇が挙げられますので、もしこのような症状があらわれれば医師または薬剤師に相談しましょう。

まれに「偽アルドステロン症」と呼ばれる、低カリウム血症による高血圧症を発症することがあります。早期症状としては、しびれ・手足のだるさ・つっぱり感・こわばり等があり、悪化をすると力が抜ける感じ、こむら返り、筋肉痛などの症状が出始めます。偽アルドステロン症の症状はそのほか、尿量減少・浮腫が挙げられます。また、横紋筋融解症として、四肢痙攣・脱力感などがあらわれることもあります。

また長期間に及んで多量に飲み続けた場合も、上記の症状を引き起こすことがありますので、症状が出始めた場合は服用を止め、医師や薬剤師に相談をして下さい。

グリチロン配合錠は市販されているのか?

グリチロン配合錠は医療用医薬品に分類されるため、受診のうえ処方箋を発行してもらう必要がある薬です。つまり、市販はされておらず、ドラッグストアや通販などで手軽に手にすることはできません。そして、作用や使用方法などの点で医師や薬剤師などの専門家による管理が必要であり、保険が適用される(一部例外を除く)医薬品となっています。

グリチルリチン酸が含まれる市販薬は存在する

グリチロン配合錠の成分としてグリチルリチン酸が含まれていますが、同成分が含まれている市販薬は存在します。ただし、他の成分との兼ね合いや成分量などによって効能・効果は異なる点に注意しましょう。

グリチルリチン酸とは?

グリチルリチン酸とは生薬カンゾウ由来の成分であり、消炎作用を持っているため、炎症やかぶれを抑える効果があります。市販薬として、風邪薬や鼻炎薬、胃腸薬、目薬など幅広く使われています。

グリチルリチン酸を含む鼻炎薬(市販薬)

グリチルリチン酸を含む鼻炎薬としては、下記が挙げられます。
・トレーネ鼻炎薬(グリチルリチン酸二カリウム)
・ルックエス鼻炎カプセル(グリチルリチン酸モノアンモニウム)
・ヒストミン鼻炎錠(グリチルリチン酸二カリウム)
・ロートアルガード鼻炎内服薬ZⅡ(グリチルリチン酸二カリウム) など

この中のトレーネ鼻炎薬を取り上げると、製造販売元はテイカ製薬株式会社であり、有効成分によってアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎といった諸症状に効果を発揮し、グリチルリチン酸二カリウムによって炎症を抑えてくれます。

グリチルリチン酸を含む目薬(市販薬)

グリチルリチン酸を含む目薬としては、下記が挙げられます。
・ロートクリニカル抗菌目薬i(グリチルリチン酸二カリウム)
・スマイルコンタクトEX(グリチルリチン酸二カリウム)
・ハイユニー(グリチルリチン酸二カリウム)
・エージーアイズアレルカットS(グリチルリチン酸二カリウム) など

この中のロートクリニカル抗菌目薬iを取り上げると、製造販売元ロート製薬株式会社であり、結膜炎・ものもらい・目のかゆみ・まぶたのただれなどに効果があります。かゆみの抑制や原因菌に抗菌力を発揮する成分が含まれ、そして抗炎症成分のグリチルリチン酸二カリウムが含まれています。

グリチルリチン酸を含むかぜ薬(市販薬)

グリチルリチン酸を含むかぜ薬としては、下記が挙げられます。
・ルルアタックTR(グリチルリチン酸)
・セピーIPかぜゴールド錠(グリチルリチン酸)
・エスタックイブTT(グリチルリチン酸) など

この中の、ルルアタックTRを取り上げると、炎症や痛みのもとにはたらくイブプロフェンや喉や鼻の粘膜の炎症をしずめるグリチルリチン酸、かぜのアレルギー症状をおさえるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩、頭痛をやわらげる無水カフェインといった成分が含まれています。

グリチルリチン酸を含む皮膚薬(市販薬)

グリチルリチン酸を含む皮膚薬としては、下記が挙げられます。
・メンソレータムADクリーム20(グリチルリチン酸モノアンモニウム)
・メンソレータム皮フ軟化クリーム(グリチルリチン酸モノアンモニウム)
・メンソレータムやわらか素肌クリームU(グリチルリチン酸モノアンモニウム) など

この中の、メンソレータムやわらか素肌クリームUを取り上げると、グリチルリチン酸モノアンモニウムのほかに尿素とトコフェロール酢酸エステルを含み、コチコチになってしまったかかとを、こすらずになめらかにしてくれます。また、ひじやかかと、手指のあれなどに使うことができます。

まとめ:グリチロン配合錠に含まれるグリチルリチン酸について~グリチルリチン酸を含む市販薬~

いかがでしたか?グリチロン配合錠に含まれるグリチルリチン酸は、生薬カンゾウ由来の成分であり、抗炎症作用を持つためさまざまな市販薬に含まれていることがお分かりいただけたでしょう。薬を選ぶ際には含有成分に目を向けることで、セルフケアしやすくなりますので、今回の記事を参考にしていただければと思います。