発熱の原因や対処法|解熱剤の正しい使い方について

「なぜ人は発熱するのだろう…発熱の原因を知りたい!」
「解熱剤の正しい使い方を知りたい…」
発熱すると解熱剤を使って体調を楽にしたいと思うものですが、発熱は人間の体の防御反応であり、むやみに解熱するべきではありません。

今回の記事では、「発熱の原因や解熱剤の使い方」をテーマにお届けしていきます。発熱時に必要な対応を知りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

Contents

発熱のメカニズムについて

ウイルスや細菌が体に侵入すると、それに気がついた免疫細胞が動き出し、脳の視床下部に伝えます。視床下部では体の各部に体温を上げるように指示を出し、体温を上げて免疫細胞が働きやすくなる環境を整えます。つまり発熱は、自分の体を守るために重要な役割を持っているのです。

発熱の原因とは?

発熱は人間の体の防御反応であるとお伝えしましたが、発熱に至る原因にはさまざまなものがあります。続いて、発熱の原因について見ていきましょう。

風邪

代表的な発熱の原因である風邪では、入り込んだウイルスや細菌と戦うために、体は体温を上げて対抗します。多くの場合は2週間以内に症状が落ち着きますが、発熱の他にも鼻水・咳・鼻づまり・喉の痛み・くしゃみなどの症状が出るでしょう。

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌に感染することで、腸で炎症が起こり発熱を起こします。発熱の他には、腹痛・吐き気・嘔吐・下痢といった症状が挙げられます。

腎盂腎炎

腎盂腎炎は腎盂内で細菌が繁殖して、腎臓にまで炎症を起こし、発熱などを引き起こします。原因となる細菌にはさまざまな種類がありますが、大腸菌が体内に侵入してしまう場合が多いです。高熱・吐き気・嘔吐の他、背部を殴られたような激しい痛みに襲われる可能性があります。

膠原病

全身の複数の臓器に炎症が起こる病気で、原因は明らかになっていません。環境的要因と体質の影響を受けて免疫と炎症の制御に異常が起こり、発熱・炎症を引き起こします。

膠原病は次のような疾患の総称です。
・関節リウマチ
・強皮症
・全身性エリテマトーデス

扁桃周囲膿瘍

細菌感染によって扁桃の奥に膿が蓄積した状態を指しています。喉の痛み・発熱・腫れなどの症状があり、痛みがひどい時には口が開けにくくなるなどの、開口障害につながる場合もあります。

急性喉頭蓋炎

喉頭蓋とは、食べ物を口にしている時に食べ物が気管に入らないように蓋をする役割を持っています。急性喉頭蓋炎になると、この喉頭蓋が腫れてしまい、発熱と同時に喉の痛みや呼吸困難に陥ってしまいます。悪化すると、呼吸ができなくなる恐れもある命に関わる病気です。

発熱時の対処法を紹介

熱が出始めるときは、人間の体は筋肉を震わせて熱を産生するため、寒気を感じます。体が寒気を感じている時には体を温めてください。やがて、目標とする体温まで熱が上がれば、寒気がなくなります。そして、寒気がなく熱がある状態になったら、寒くない程度に体を涼しい状態にします。

発熱時には、寝ている時でも多くの汗をかきます。濡れた衣類によって体温が下がりすぎないように、こまめな着替えや汗の拭き取りを行いましょう。また、脱水を防ぐ目的で、水分補給を忘れないようにしてください。ミネラルを含む経口補水液やスポーツドリンクを活用すると、汗と一緒に失われた塩分も補給できますので、おすすめです。

解熱剤を使用するタイミングについて

解熱剤は、熱によって何も飲み食いができない状態や、体を休めることすら辛いような状態の時に服用するものです。そのため、熱が出るのと同時に解熱剤を飲むべきではありません。解熱剤に頼るよりも、まずは体をしっかり休めることを重要視するべきでしょう。

発熱を予防するためには解熱剤を使わないこと

解熱剤は不快な症状を和らげるための薬であり、予防的な使い方はできません。「熱が上がりそうだから」などの理由で解熱剤を多用していると、より体調不良を長引かせてしまう恐れがあるのです。

解熱剤はやみくもに使わないこと

発熱は体の防御反応であり、解熱剤を使ってむやみに熱を下げてしまうと、体はウイルスや細菌と有利に戦えなくなります。水分補給や休養がしっかり取れるような状態であれば、解熱剤を無理に使用する必要はないでしょう。また、処方箋により解熱剤が出された場合は、医療機関の指示通り服用することです。

まとめ:発熱の原因や対処法|解熱剤の正しい使い方について

いかがでしたか?今回の内容としては、
・発熱はウイルスや細菌から体を守る防御反応である
・発熱の原因には風邪や感染性胃腸炎、腎盂腎炎や膠原病などが挙げられる
・解熱剤は、熱によって食事を口にできなかったり、体を休めることが辛い状態の時に服用するもの
・解熱剤は、不快な症状を和らげるための薬であり、予防的な使い方はできない
以上の点が重要なポイントでした。発熱時には十分な水分を取って体を休め、むやみに解熱剤を使用しないようにしましょう。発熱は体の防御反応であり、熱を下げることによって体調不良を長引かせてしまう可能性があるのです。