「服用」と「服薬」の違いや「投薬」と「与薬」の違いとは?

「服用と服薬の違いとは…?」
「投薬と与薬には違いはあるのだろうか…?」
薬に関する言葉には服用・服薬・投薬・与薬などがあり、それぞれの言葉の違いについて気になる方もいるかもしれません。これらの言葉はどれも似た響きを持っていますが、それぞれ使い方があることを知っておきましょう。

今回の記事では、服用と服薬の違いと、投薬や与薬の意味をテーマにお届けしていきます。また、内服薬や外用薬についても併せて解説していきます。

Contents

服用とは?

服用とは薬を飲むという行動を指しており、「薬を服用する」「服用薬」などのように使用されます。

服薬とは?

服薬も服用と同じように薬を飲む行為のことを指していますが、「薬を正しく飲む」という意味があります。
「服薬管理」「服薬介助」「服薬する」のように使用される言葉です。

投薬とは?

投薬という言葉は、処方箋に基づいて患者に薬剤師・医師・看護師などが薬を渡す行為を指しています。「薬剤師による投薬」「投薬治療」のように使用されます。そのため、自分が薬を飲むことを投薬とは言いません。

与薬とは?

与薬とは、病気の症状に合わせて薬剤師・医師・看護師が薬を患者に与える行為を指しています。投薬と同様、患者が自分で薬を飲むことを与薬とは言いません。

服薬と服用の違いとは?

服薬と服用という言葉の意味をそれぞれ説明しました。服用には「薬を飲む」という意味があるのに対して、服薬は「正しく薬を飲む」という意味を持っています。つまり服薬は、理想的な薬の摂取状況であると言えるのです。

薬は薬剤師の指示を守り服薬すること

病院で処方される薬は、医師によってその薬の効果が最大限引き出せる用法・用量が定められています。患者の症状だけでなく年齢・体質なども考慮した上で、薬が調整されているのです。そのため、薬剤師の指示を守らずに薬を服用していると、期待する効果が得られなかったり、副作用が出てしまう恐れがあります。

例えば食後の服用が指定されている薬を食前に飲んだり、定められた量よりも多く薬を飲んでしまったりすると、体調を崩したり症状を悪化させたりする可能性が考えられるでしょう。また、薬を飲んだり飲まなかったりするような状況も避けるべきです。

もし、薬剤師から指示された内容を忘れてしまった場合には、薬局に問い合わせて再度服薬方法を確認してください。

投薬は投げるという漢字が使われているため失礼な言葉なの?

投薬は薬剤師・医師・看護師などが患者に薬を与えるという意味を持っている言葉ですが、「投」という文字が使われていることから、患者に対して失礼だと考える方もいます。しかし投薬の「投」を「投げる」ではなく「投ずる」と解釈すれば、投資・投票のように、失礼な意味とは感じられなくなります。つまり、投薬は必ずしも失礼にあたる言葉ではないということです。

内服薬は内用薬とも言う

経口摂取する薬を内服薬または内用薬と呼びます。内服薬と内用薬は同じ意味があり、どちらの言葉を使用しても構いません。

内服薬と外用薬との違いとは?

内服薬は口から飲むタイプの薬で、外用薬は口から飲んではいけない薬を指しています。内服薬・外用薬にはさまざまな種類が存在しますが、外用薬が口から服用されることはありません。外用薬を誤って口にすると、健康を害してしまう恐れがあるため、注意してください。特に小さなお子さんをお持ちの方や、認知症の方と暮らされている方は、内服薬と外用薬の扱いを間違えないように注意して管理しましょう。

内服薬にはどのような剤形がある?

内服薬の剤形は複数あり、下記が種類として挙げられます。
・錠剤
・カプセル剤
・散剤・顆粒剤
・液剤・シロップ剤
患者の症状だけでなく、年齢・体質などに合わせて適切な剤形が選択されます。服用が苦手な錠形がある方は、事前に医師に相談すると良いでしょう。相談することによって、服用しやすい錠形の内服薬が用意してもらえる場合があります。

外用薬にはどのような剤形がある?

内服薬と同様に、外用薬にはさまざまな種類があります。
・軟膏・クリーム剤
・坐剤(坐薬)
・貼付剤(貼り薬)
・点眼剤
・点鼻剤
外用薬に関しても、炎症の状態や症状などを加味した上で、薬が選ばれています。

まとめ:「服用」と「服薬」の違いや「投薬」と「与薬」の違いとは?

いかがでしたか?今回の内容としては、
・服用は薬を飲む行為そのものを意味している
・服薬は薬の用法・用量を守って正しく薬を飲むこと
・投薬と与薬は患者の症状や年齢などに合わせて適切な薬を処方すること
以上の点が重要なポイントでした。薬に関係する言葉を十分に理解することや、剤形の種類について知ることによってセルフケアの幅も広がることでしょう。また、服薬は薬の効果を最大限に活かすために欠かせない行為です。今回紹介した通り、薬は薬剤師の指示通りに、服薬しましょう。