薬の一包化とは?いくらかかる?メリット・デメリットは?

複数の薬を1日に何度も飲む必要がある方は、薬の服用にストレスを感じたり、飲み忘れや飲み間違いをする可能性があります。特に薬を服用する方が高齢の場合は、さらにその管理が難しくなったり介護者の負担になってしまうでしょう。そんな問題を解決するために生まれたのが、薬の一包化です。

今回の記事では、薬の一包化についての基本的な知識と活用方法、メリットやデメリットについて解説していきます。

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薬の一包化とは?

薬の一包化とは、服用タイミングが同じ薬を一袋にまとめることを指しています。例えば、朝と晩は薬A・B・Cを服用し、昼は薬A・Cを服用する場合、朝晩用に薬A・B・Cが入った袋を作り、昼用に薬A・Cが入った袋を作るという作業を、薬局で薬を処方してもらう段階で依頼するのです。

同じタイミングで飲む薬が一つにまとまっていれば、毎食全ての薬を開封する・内容を確認するなどの手間を感じることがなくなります。毎日いくつもの薬を飲んでいる方にとって、その服用の負担を軽減する効果が期待できるでしょう。

薬の一包化の活用方法について

薬の一包化は、薬局で薬剤師に相談することで実施してもらえる場合もありますが、基本的には処方箋による医師の指示が必要です。処方箋を書いてもらう時に、直接医師に一包化の希望を伝えてください。

全ての薬が一包化可能とは限らない

薬の種類によっては、一包化に適していないものも存在します。例えば吸水性が高く湿気に弱い薬や特別な管理が必要な薬は、他の薬と一包化することができません。自分が服用している薬が一包化に対応可能かどうかは、医師か薬剤師に確認する必要があるでしょう。

薬の一包化にかかる費用

薬の一包化に必要な費用は2年に一度改正され、患者の保険によっても異なります。1ヶ月分程度の薬を一包化する場合、1割負担の方は約160円程度、3割負担の方は480円程度だと考えて良いでしょう。

ただし、保険が適用されない時の一包化に関しては、薬局ごとに違った料金設定が用意されています。

薬の一包化のメリットとは?

薬の一包化のメリットには、次のようなものがあります。メリットとデメリットを比較して一包化の導入を検討してください。

飲み間違いを防いで薬の管理にかかる負担を減らす

一緒に飲む薬が同封されていれば、薬の量を間違える・飲む薬を誤る心配がなくなります。薬局によっては、服用タイミングに合わせて「朝」「昼」「夜」と印字をしたら色を分けるなどの工夫をしているため、薬の管理にかかる手間を大幅に減らせるでしょう。

特に薬を服用する方が高齢の場合、その薬の管理をする家族や介護サービスにかかる負担も軽減できます。今までお薬ケースなどを使っていたという方は、薬を仕分ける作業自体がなくなるのです。

薬の紛失を予防して開封の手間を省く

薬を一つ一つシートから取り出す作業は、細かな作業が難しい方にとっては非常にストレスを感じるものです。小さな薬などは、開封時に紛失してしまうこともあります。

一包化された薬は細かな作業が必要なく、簡単に袋を開けて飲めるため、一度に飲む薬の量が多い方ほど、開封の手間が減ったと感じるでしょう。また、包装自体が持ち歩きやすい形状になるので、外出先での薬の服用がスムーズに行えます。

薬の一包化のデメリットとは?

薬の一包化にはメリットだけでなく、いくつかのデメリットも存在します。

薬の変更・追加時に作り直しが必要

何らかの理由で急遽薬が変更・追加された時には、一包化された薬を薬局に返して再度包装しなおしてもらわなければいけません。

そのため、変更・追加された薬のみを差し替えるよりも、手間がかかると感じるでしょう。

薬局での待ち時間が増える

薬の一包化を依頼すると、単純に薬局での待ち時間が増えます。処方箋のネット予約システムを使って薬が出来上がった頃に取りに行くなどの方法を使うと良いでしょう。

長期保管ができなくなる

薬を一包化する際には、通常の保存シートから薬を出してしまうので、薬の使用期限が短くなります。処方日数内に服用できなければ、薬の品質を保つことが難しくなるのです。

まとめ:薬の一包化とは?いくらかかる?メリット・デメリットは?

いかがでしたか?薬の一包化とは複数の薬を毎日飲む必要がある方に対して、同じタイミングで飲む薬を一つの袋にまとめることを指しています。

薬の一包化のメリットには、飲み間違いを防いで薬の管理にかかる負担を減らしたり、薬の紛失を予防して開封の手間を省くといった点があります。デメリットとメリットを理解した上で、薬の一包化を検討してみましょう。特に薬を服用する方が高齢で薬の管理が難しい場合には、薬の一包化をおすすめします。