トローチにはどのような成分が入っている?

「どのトローチを購入したらよいか分からない…」
「トローチに含まれている成分はどのような効果を発揮するのだろう…」
薬局・薬店に出向くとさまざまなトローチが販売されていることに気づかされます。さまざまな種類があると、どのトローチを購入したらよいか分からなくなってしまいますよね?トローチを購入する際は、成分をまず確認してみることが大切です。今回は、「トローチに含まれる成分」をテーマにお届けしていきます。

Contents

トローチにはどのような成分が入っている?

早速、トローチに含まれる成分について見ていきましょう。

グリチルリチン酸ニカリウム|コルゲンコーワトローチ等に含有

グリチルリチン酸二カリウムは「コルゲンコーワトローチ」等に含まれており、甘草という生薬に含まれる成分です。優れた消炎作用があり、のどの痛みやはれを緩和させる効用があります。トローチ以外にも、鼻炎薬に鼻粘膜の炎症を抑える目的で配合されていることも多く、広い領域で用いられています。

デカリニウム塩化物|ルルトローチ等に含有

デカリニウム塩化物は、市販薬ですと「ルルトローチ」等に含まれておりますが、医療用医薬品のトローチにも含まれる成分です。急性扁桃炎患者にデカリニウム塩化物を有効成分として含む医療用医薬品であるSPトローチを投与すると、75%の有効率となったことが報告されています(「診療と新薬」1976)。デカリニウム塩化物はこのように文献にもその有効性が示されており、医療の世界ではよく用いられます。

トローチの効果について

トローチの効果について、もう少し詳しく見ていきましょう。トローチの効果は大きく分けて2つあります。トローチの効果の1つ目は抗炎症作用であり、のどの炎症を鎮めて、のどの痛みを緩和させます。もう1つの効果は殺菌作用です。のどの炎症を引き起こしているのが細菌である場合、殺菌効果によって症状の緩和が期待できます。また口臭の原因となる細菌も殺菌してくれるため、実は口臭対策にもトローチは用いられています。

トローチはなぜ穴が空いているの?

普通の錠剤では穴は空いていませんが、トローチには穴が空いていますね?では、なぜトローチには穴が空いているのでしょうか?それは誤って飲み込んで窒息しないようにするためです。錠剤よりもトローチは大きいので、誤ってそのまま飲み込むと窒息を引き起こしかねません。実際に過去に事故があり、そのような事故を防ぐために、真ん中に穴があいているのです。

トローチにも副作用は存在する?

トローチも医薬品であるため副作用は存在し、あらわれ得る副作用の症状は含有される成分によって異なります。副作用は用法用量を守らないことによって、より起こりやすくなります。

トローチも用法・用量を守ること

先述したとおりトローチはのど飴等と異なり医薬品です。用法・用量をきちんと守ってこそ、十分な効果が得られ、用法・用量を守らないと最大限の効果が得られないだけではなく、思わぬ事故や副作用につながります。市販薬服用の際は、しっかり添付文書に目を通しましょう。

医療用医薬品のトローチと市販のトローチは何が違う?

トローチは処方せんをもって薬局で購入する医療用医薬品と、ドラッグストアで購入できる一般用医薬品の2種類があります。これらはどう違うのでしょうか?一概には言えないものの、医療用医薬品のトローチは基本的に単一成分であり、特定の成分量が多い傾向にあります。一方で、一般用医薬品のトローチには多くの成分が含まれており、各成分の含有量は少ない傾向にあります。

まとめ:トローチにはどのような成分が入っている?

いかがでしたか?今回の内容としては、
・トローチは殺菌作用・抗炎症作用によってのどの痛みやはれを鎮める
・トローチの有効成分にはグリチルリチン酸ニカリウムやデカリニウム塩化物などが含まれている
・トローチは医薬品なので、しっかりと用法・用量を守ることが大切である
・医療用医薬品と一般用医薬品のトローチには、含有成分の違いや含有量の違いがある
以上の点が重要なポイントでした。トローチは、自身の症状に効果を示す成分が含まれているか?という点に着目して選ぶようにしましょう。成分について詳しくなると、セルフケアの幅もきっと広がることでしょう。

薬剤師からの一言

ここで紹介した成分以外にも、 抗炎症成分のアズレンスルホン酸ナトリウムが入ったトローチがあります。