日焼けや肌荒れ、冬の寒さなどで肌が乾燥するとニキビやかゆみといったお肌のトラブルがおこりますよね。
皮膚に炎症に処方される保湿剤に「ヘパリン類似物質」があります。
保湿性が高く炎症をおさえる効果があります。最近CMでよく耳にして気になっている方もいるでしょう。
「ヘパリン類似物質」を含むお薬は、医療用・一般用ともに、様々な商品があります。このコラムでは、ヘパリン類似物質の使い方や効果がある症状、普通の化粧水と医療用医薬品の違いなどを解説。また、処方箋足で病院の薬が買える「セルフケア薬局」についてご紹介します。
保湿剤などに使われる成分名を「ヘパリン類似物質」と言います。
ローション、クリーム、ゲルのいずれであっても、有効成分の配合比率は変わりません。
剤形にも様々種類ががあります。
〈クリーム〉
伸びがよくやわらかなつけ心地です。水性で白色のクリームです。セタノールやワセリンがなどが添加物に含まれています。においはほとんどありません。
〈ローション〉
透明でさらっとした使用感です。エタノールが入っていない弱酸性の液体で、刺激が少ないです。においはありません。
〈ゲル〉
無色またはうすい黄色のゲルです。特異なにおいがします。
剤形により、効果がある症状に違いがあります。
〈クリーム・ローション〉
・皮脂欠乏症
・進行性指掌角皮症
・凍瘡
・肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防
・血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結ならびに疼痛)
・血栓性静脈炎(痔核を含む)
・外傷(打撲、ねんざ、挫傷)後の腫脹(しゅちょう)・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎
・筋性斜頸(乳児期)
〈ゲル〉
・外傷(打撲、ねんざ、挫傷)後の腫脹(しゅちょう)、血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎
・血栓性静脈炎(痔核を含む)
・血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結ならびに疼痛)
・凍瘡
・肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防
・進行性指掌角皮症
・筋性斜頸(乳児期)
具体的な症状でいうと、日焼けや乾燥による手荒れ、ニキビ、ケガによる皮膚の痛みなどです。炎症部分が盛り上がったり、かたくなったりするのを防ぐ作用もあります。
大きな違いは、クリームとローションは保湿に優れており、ゲルは炎症を抑える作用が優れています。
ヘパリン類似物質の特徴は保水性に優れ、角質層に浸透して乾いた肌をしっかりと保湿してくれる点です。乾燥した肌を保湿して、血行をよくして症状を改善します。
1日に1〜数回、適量を患部に塗ります。
洗顔後や手を洗ったあと、入浴後など、患部の汚れやホコリを落とし清潔にした状態で塗りましょう。
クリームとゲルはガーゼや布などに染み込ませて患部に貼り付ける使い方もあります。
症状の範囲や状態によって適した量や塗布回数は異なります。使用前に医師や薬剤師に確認してください。
ヘパリン類似物質には血行促進作用があるため、多量の出血を引き起こす可能性があります。
次の方は使用しないでください。
・出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)の患者
・わずかな出血でも体に重大な影響がでるおそれがある方
また、ヒビやあかぎれ、出血している傷がある場合も使用できません。
そういった患部にヘパリン類似物質を塗ると、かえって出血がひどくなり、傷が治るのを妨げてしまいます。
傷がある場合には、ほかのお薬を使えないか、医師や薬剤師に相談しましょう。
潰瘍、びらん面に直接塗るのは避けてください。
目に入らないよう注意しましょう。
ヘパリン類似物質は基本的に副作用はありません。
ですが、まれに皮膚の刺激感(チクチク感、ヒリヒリ感など)、かゆみ、赤み、発疹といったアレルギー症状がでる場合があります。
このような症状があらわれた場合は服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
ヘパリン類似物質は重い副作用がないため妊娠中・授乳中の方や小さなお子さま、赤ちゃんも使用できます。しかし全く副作用がないわけではありません。
妊娠中、授乳中の方は、念のため医師や薬剤師に相談しましょう。
最近CMでよく耳にする「ヘパリン類似物質」。肌荒れに効きそうなお薬の広告でよく見るけどどんな物質か分からない、という方も多いのではないでしょうか。
ヘパリン類似物質は人の肝臓で作られる物質「ヘパリン」に似た成分です。
血液をサラサラにしたり、水分を保って肌を保湿したりする働きがあります。
傷を治すために皮膚が赤く盛り上がってできる「肉芽」の形成を抑えたり、痛みを抑える作用もあります。
もともと人の体内で作られる成分ですが、医学的に治療に応用するため、人工的に作られるようになりました。
ヘパリン類似物質は角質に浸透、保湿性に優れている
世の中にはさまざまな保湿液や保湿クリームがあるのに、なぜ病院で保湿液が医薬品として処方されるのか、不思議に思う方もいるでしょう。
ヘパリン類似物質を含んでいる医薬品と、ヘパリン類似物質を含んでいない一般的な保湿液やクリームとでは、皮膚への浸透力が違います。
一般的なクリームや保湿液は、皮膚の表面をカバーして水分の蒸発を防いで乾燥しないようにします。
それに対してヘパリン類似物質を含む医薬品の保湿液は、皮膚の角質層まで浸透し、細胞に働きかけて水分を保ったり、古くなって傷ついた角質のターンオーバーを促します。
「化粧水やローションはみんなドラッグストアで買えるんじゃないの?」「なぜヘパリン類似物質は保湿液なのに医薬品なの?」と思う方もいらっしゃると思います。
保湿液は有効成分の有無や目的によって、医薬品と化粧品に分けられます。
医薬品や化粧品に関するルールに「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」があります。
この法律で医薬品、化粧品はそれぞれ次のように定義されています。
医薬品
:人の疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされている物。人の身体の構造やまたは機能に影響を及ぼすことが目的とされている物。
化粧品
:人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物。人体に対する作用が緩和なもの。
(「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」より一部抜粋)
ヘパリン類似物質は皮膚の炎症の治療や予防に使われるので、医薬品にあてはまります。
さらに有効成分の配合量や効果・効能のちがいにより、医薬品と化粧品はそれぞれ2つに分けられます。
1 医薬品
1-1 医療用医薬品
原則医師の診察と処方箋が必要なお薬です。
有効成分が含まれており、厚生労働省がその効果・効能を承認しています。
1-2 一般用医薬品
ドラッグストアやコンビニエンスストアで買えるお薬です。厚生労働省が認めた治療や予防の効果・効能がある有効成分が含まれています。市販で買えるお薬なので、副作用の危険性をおさえる必要があります。
そのため配合できる有効成分の量の上限は医療用の医薬品よりも少なく設定されています。
「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」の表示があります。
2 化粧品
2-1 医薬部外品
厚生労働省が承認した有効成分が一定の濃度で配合されています。
予防や衛生を保つことを目的とすることと定められています。「薬用化粧品」と呼ばれるものも、医薬部外品に含まれます。
商品に「医薬部外品」または「薬用化粧品」の表示があります。
2-2 化粧品
容姿の美化や清潔を保つことを目的にしています。医薬部外品よりも効果・効能が弱く、症状が治るような効果・効能をうたうのは禁止されています。
以上のように、同じ保湿液でも機能や目的、効果・効能の有無や有効成分の配合量によって医薬品か化粧品かが分かれているのです。
医療用医薬品は、医師の診察を受け治療のために購入する場合は保険が適用されてます。
しかし、美白や保湿、アンチエイジングといった美容目的で保湿剤を購入する場合には保険適用にはなりません。もちろん、そういった目的では医療用のお薬は購入できません。
美白や保湿といった美容を目的にするならば、市販の保湿液を使用しましょう。
ヘパリン類似物質を有効成分に含む市販の保湿液は、さまざまなメーカーから販売されています。次のような商品があります。
・第2類医薬品「ヒルメナイドローション」「ヒルメナイド油性クリーム」(matsukiyo)
・第2類医薬品「ヒルマイルドローション」「ヒルマイルドクリーム」(健栄製薬)
・第2類医薬品「HPローション」「HPクリーム」(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)
・第2類医薬品「さいき治療ローション」「さいき治療乳液」(小林製薬株式会社)
お薬には許可されている販売方法によって「医療用医薬品」「要指導医薬品」「一般用医薬品(OCT医薬品)」の3つに分けられます。
医療用医薬品は原則処方箋が必要です。使用するには病院で診察を受け、処方箋を持って薬剤師がいる調剤薬局へ行かなければなりません。
要指導医薬品と一般用医薬品は市販されているお薬で、処方箋は不要です。いずれも薬剤師がいるドラッグストアで購入できます。一部のお薬は登録販売者がいればコンビニエンスストアでも購入できます。
医療用医薬品のヘパリン類似性はドラッグストアなどでは取り扱っていません。また調剤薬局でも処方箋がない人に販売することはできません。
しかし零売薬局では、薬剤師に相談のうえ、医療用医薬品を処方箋なしで購入できます。
零売制度は、やむを得ず病院へ行けなくて処方箋がなくても、薬剤師と相談し、必要最小量のお薬を購入できる制度です。
2005年に厚生労働省が「処方せん医薬品等の取り扱いについて」という通知を出しました。これにより、やむを得ず病院へ行けない場合に、薬剤師が対面で医療知識を提供し、調剤して必要最小量の医療用医薬品を販売できるようになりました。
医療用の医薬品にも2種類あります。「必ず処方箋が必要なお薬(処方箋医薬品)」と、「必ずしも処方箋が必要ではないお薬(非処方箋医薬品)」です。
零売薬局が販売できるのは「非処方箋医薬品」です。
ヘパリン類似物質は「非処方箋医薬品」なので、零売薬局のセルフケア薬局で購入ができます。忙しくて病院に行くお時間のない際に、利用してみてはいかがでしょうか。
※全ての医薬品が購入できるわけではありません。
そんな零売薬局ですが、全国どこにでもあるわけではありません。
多くは都内を中心にその他政令指定都市に数店舗と、少ないのが現状です。
しかし、現代の様々な背景から、零売薬局は今後さらに拡大すると考えられます。
「セルフケア薬局」は零売薬局のチェーン店です。
現在、関東、東海、関西の都市部を中心に展開しています。
そのうちの多くの店舗が駅から徒歩10分圏内にあります。駅構内の商業施設にオープンした店舗もあり、仕事やお出かけのついでに立ち寄れる便利な薬局です。
セルフケア薬局には薬剤師がいます。したがって病院に行けなくても、医療の知識がある専門家に自分の症状や体調、薬について相談できます。
来店から購入までは約10分ほど。忙しくて週末しか病院に行けない方、長時間待つ病院に行く時間がない方にぜひおすすめです。
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