コロネル錠は市販されているのか?有効成分を含む市販薬は存在する?

「コロネル錠をもらっていたけど、市販はされているのだろうか…?」
以前コロネル錠500mg(製造販売:アステラス製薬株式会社)を病院などでもらっていた方は、市販されているのかどうかを考えたことはありませんか?ドラッグストアなど、近場で購入できれば手にしたい…という方もいるでしょう。

そこで今回は、コロネル錠500mgは市販されているのか?という点をテーマにお届けしていきます。

Contents

コロネル錠500mgについて

アステラス製薬株式会社が製造販売するコロネル錠500mgは、過敏性腸症候群の方に処方される過敏性腸症候群治療剤です。そもそも過敏性腸症候群は、通常の検査では異常が認められないものの、腹痛や下痢などの症状があらわれる病気のことをいいます。過敏性腸症候群は大きく分けて、下痢型・便秘型・混合型(下痢と便秘の混合)の3パターンがあり、コロネル錠は便秘や下痢に効果があるため、広く使用されています。

コロネル錠500mgの効能・効果

過敏性腸症候群における便通異常(下痢、便秘)及び消化器症状

コロネル錠500mgの用法・用量

通常、成人にはポリカルボフィルカルシウムとして1 日量1.5~3.0g(錠:3~6錠)を、3回に分けて食後に水とともに服用します。

コロネル錠500mgの副作用

主な副作用として、発疹、かゆみ、吐き気・嘔吐、口渇、腹部膨満感、下痢、便秘、腹痛、浮腫などが報告されています。
このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

コロネル錠500mgを服用してはいけない人

コロネル錠500mgは、以下に該当する人には投与しないこととされています。
・急性腹部疾患(虫垂炎、腸出血、潰瘍性結腸炎)の患者
・術後イレウスなどの胃腸閉塞を引き起こすおそれがある患者
・高カルシウム血症の患者
・腎不全のある患者
・コロネル錠500mgの成分であるポリカルボフィルカルシウムに対し過敏症の既往歴のある患者

コロネル錠500mgは市販で買えるの?

仕事や学校などでなかなか時間が取れず、病院に行くタイミングが難しいこともあるかと思います。そして、市販されていればつなぎとしても有効活用できるでしょう。しかし、コロネル錠500mgは医療用医薬品であるため市販されていません。薬には大きく分けて医療用医薬品とOTC医薬品があります。医療用医薬品は処方箋が必要であるため、基本的には病院に行き処方箋を発行してもらった上で薬を受け取らなければなりません。一方のOTC医薬品は、処方箋が必要ではなくドラッグストアなどで手軽に購入することができます。

コロネル錠の有効成分を含む市販薬は存在するのか?

医療用医薬品のコロネル錠500mgは市販されていないことがわかりましたが、コロネル錠の有効成分である、ポリカルボフィルカルシウムが含まれた市販薬は存在するのでしょうか?結論からして残念ながら、ポリカルボフィルカルシウムが含まれた市販薬も販売されていません。しかし、有効成分が異なるものの過敏性腸症候群に効果が期待できるOTC医薬品は存在します。

それが、セレキノンS(製造販売元:田辺三菱製薬株式会社-第二類医薬品)です。続いて、過敏性腸症候群に効果が期待できるセレキノンSについて見ていきましょう。
※セレキノンSとコロネル錠500mgは別の有効成分であるため、コロネル錠500mgと全く同じ効果が得られるわけではない点に注意が必要です。

セレキノンS(製造販売元:田辺三菱製薬株式会社-第二類医薬品)について

田辺三菱製薬株式会社が製造販売するセレキノンS(第二類医薬品)は、消化管運動調律剤のトリメブチンマレイン酸塩という有効成分が含有されている、過敏性腸症候群の再発症状改善薬です。再発症状改善薬とあるように、セレキノンSの服用は、以前に診断・治療を受けた人に限ります。過敏性腸症候群には、下痢型・便秘型・混合型がありますが、いずれの症状に対しても効果が期待できる薬であり、OTC医薬品として唯一の過敏性腸症候群の専用薬となっています。

トリメブチンマレイン酸塩の働きについて

トリメブチンマレイン酸塩は、腸を収縮・弛緩する消化管平滑筋に働き、筋肉の動きを適切に調整します。また、筋肉の働きを調節する神経系にも働きかけることで、腸の運動を正常に調整します。

セレキノンSの効能

セレキノンSは、過敏性腸症候群による、腹痛または腹部不快感を伴って繰り返される下痢や便秘に効果が期待できます。

セレキノンSの用法・用量

セレキノンSの用法・用量は、15歳以上で1回1錠を1日3回食前または食後に服用します。15歳未満は服用できません。1週間服用しても症状がよくならない場合や、改善がみられても2週間を超えて服用する場合は、医師、薬剤師または販売登録者に相談しましょう。ただし、2週間を超えて服用する場合には、最大でも4週間までとされています。※長期連用はしないでください。

セレキノンSの副作用

セレキノンSの副作用としては、発疹・かゆみ・じんましんといった皮膚症状、便秘・下痢・嘔吐といった消化器の症状、眠気・めまいといった精神神経系の症状などが挙げられます。副作用と思われる症状があらわれれば、医師、薬剤師または販売登録者に相談しましょう。

セレキノンSを使用してはいけない人

・医師から過敏性腸症候群の診断を受けたことがない人
・過敏性腸症候群の再発かどうかわからない人
・就寝中などの夜間にもトイレに行きたくなったり腹痛がある人
・発熱、関節痛、粘血便がある人
・ひどい下痢、急性の下痢、排便によってよくならない腹痛のある人
・大腸がん、炎症性腸疾患のある人
・嘔吐がある人
・セレキノンSやセレキノンSの有効成分でアレルギー症状を起こしたことがある人
このような人は、現在の症状が悪化したり副作用が起こりやすくなりますので、服用してはいけません。

まとめ:コロネル錠は市販されているのか?有効成分を含む市販薬は存在する?

今回は、過敏性腸症候群に使用されるコロネル錠について解説しました。ここまでの内容をまとめると、
・コロネル錠500mgは過敏性腸症候群治療剤である
・過敏性腸症候群はストレスなどが原因となって繰り返し腹痛や下痢などの症状があらわれる病気のこと
・医療用医薬品のコロネル錠500mgは市販されておらず有効成分を含む市販薬も存在しない
・過敏性腸症候群の治療剤はOTC医薬品にある(セレキノンS)
・第一類医薬品のセレキノンSは過敏性腸症候群の再発症状改善薬であり過去に過敏性腸症候群の診断がされたことのない人は服用できない
以上の点が重要なポイントでした。過去に過敏性腸症候群と診断された経験のある方は、セレキノンSというOTC医薬品を覚えておいて損はないでしょう。