アローゼン顆粒は市販されている?有効成分のセンナを含む市販薬は存在する?

便秘でお腹が張ってつらい…お腹がゴロゴロして不快感がある…そんな時に、便秘症改善の目的で使われる「アローゼン顆粒」ですが、市販されているか気になる方はいませんか?以前に使用して便秘改善された方にすれば、効果のあった薬が手軽に購入できれば嬉しいですよね?

そこで今回は、アローゼン顆粒は市販されているのか?という点をテーマにお届けしていきます。また、便秘薬の種類や便秘の基礎知識を併せて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

Contents

便秘薬の種類について

まずは、便秘薬の種類について理解しましょう。よく使われている便秘薬は、大きく分けて、浸透圧性下剤と刺激性下剤の2種類があります。

浸透圧性下剤は、便秘薬としてよく知られる、「酸化マグネシウム」の薬です。便の水分を増やし、軟かくすることで排便をスムーズにします。長期で利用できることから、最も多く利用されている便秘薬です。一方、刺激性下剤は腸の動きが悪くなり、便が停滞している際に服用するお薬です。小腸や大腸へ直接刺激し、腸の弛緩により排便を促します。

刺激性下剤について

胃や腸では吸収されず、大腸に到達してから大腸の腸内細菌により活発化し、排便を促すお薬です。酸化マグネシウムのように、便を軟かくするのではなく、大腸に直接作用し、腸の活動を活発にすることで効果を発揮します。

続いて、刺激性下剤として知られている「アローゼン顆粒」について、見ていきましょう。

アローゼン顆粒とは?

アローゼンは緩下剤(作用の緩やかな下剤)です。大腸の運動を活発にすることで排便を促します。

アローゼン顆粒の有効成分は?

アローゼンの有効成分はセンナとセンナジツです。アローゼン1g中にセンナは577.9mg、センナジツは385.3mg含まれています。センナは古くからヨーロッパで下剤として利用されており、漢方としてもよく知られ、腸の動きを正常に改善させます。便を軟らかくするのではなく、大腸に作用し便秘を解消する薬になります。

アローゼン顆粒の効能・効果

アローゼン顆粒の効能・効果は、便秘(ただし、痙攣性便秘は除く)駆虫剤投与後の下剤となっています。

アローゼン顆粒の用法・用量

通常、成人は1回0.5〜1.0gを1日1〜2回服用します。なお、年齢・症状により適宜増減されます。必ず指示された服用方法に従ってください。

飲み忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く1回分を飲んでください。ただし、次の服用時間が近い場合は忘れた分は飲まずに、次回の服用時間に1回分を飲みましょう。また、医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めず、医師の指示に従いましょう。

禁忌(禁ずること)

以下に当てはまる方は症状悪化の可能性がありますので、アローゼン顆粒を使用できません。
・アローゼン顆粒、センノシド製剤で過敏症の経験のある患者
・急性腹症が疑われる患者、痙攣性便秘の患者
・重症の硬結便のある患者
・電解質失調(特に低カリウム血症)のある患者

アローゼン顆粒の使用上の注意について

同じものを続けて使用すると、耐性の増大により効果が減弱する場合があります。薬剤への依存を防ぐため長期の服用を避けましょう。また、お薬が効きづらくなったからといって自己判断で服用量を増やすことはせず、服用量については必ず、医師や薬剤師に相談してください。

その他の注意

尿が黄褐色または赤色に着色することがあります。

アローゼン顆粒の副作用

主な副作用として、発疹、腹痛、吐き気・嘔吐、腹鳴などが報告されています。
このような症状に気づいたら、医師に相談し適切な処置を求めましょう。

アローゼン顆粒の使用の際に注意が必要な方

一般に高齢者の方は生理機能が低下しているため、慎重に服用しましょう。妊婦または妊娠している可能性のある方は、大量に服用しないようにしましょう。体に合わない場合、子宮収縮の危険性があります。

アローゼン顆粒は市販されているのか?

アローゼン顆粒は市販されているのか?という点については、アローゼン顆粒は医療用医薬品であるため市販されていません。薬は医療用医薬品とOTC医薬品に分類されており、前者の医療用医薬品は基本的に処方箋が必要であり市販ができない薬です。一方のOTC医薬品は、処方箋がなくてもドラッグストアなどで購入できる薬です。

つまり、医療用医薬品は医師や薬剤師による管理が必要であって、医療用医薬品に分類されるアローゼン顆粒は、そもそも市販ができないということです。

アローゼン顆粒の有効成分を含んだ市販薬は存在する?

アローゼン顆粒が市販されていないことが分かれば、その有効成分が含まれた市販薬は存在するのか?という点が気になりますよね?実は、アローゼン顆粒の有効成分であるセンナが含まれた市販薬はいくつか販売されており、ヤマモトのセンナTS便秘錠やセンナ顆粒Sがそれにあたります。

ヤマモトのセンナTS便秘錠(製造販売元:山本漢方製薬株式会社-指定第二類医薬品)

ヤマモトのセンナTS便秘錠は、大腸のぜん動運動を高める日本薬局方センナ末が有効成分となっており、添加物として無水リン酸水素カルシウム、合成ケイ素アルミニウム、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウムを含有しています。

効能・効果は、便秘と便秘に伴う頭重・のぼせ・肌あれ・吹き出物・食欲不振・腹部膨張・腸内異常発酵・痔が挙げられます。用法・用量は、15歳以上で1日1回1回あたり3~6錠を服用します。11歳以上15歳未満で1日1回1回あたり2~4錠服用します。11歳未満は服用できません。服用タイミングは、就寝前または空腹時であり、初回は最小量を用いて、便通の具合を見ながら少しずつ増量または減量します。

副作用として、発疹や発赤・かゆみ・激しい頭痛・吐き気・嘔吐といった症状があらわれることがあります。そのような場合はただちに服用を中止し、医師、薬剤師または販売登録者に相談しましょう。また、1週間程服用しても症状が良くならない場合も同様に、医師などに相談しましょう。

センナ顆粒S (製造販売元:山本漢方製薬株式会社-指定第二類医薬品)

センナ顆粒Sは、日本薬局方センナ末が有効成分であり、添加物として結晶セルロース・乳糖・バレイショデンプン・クロスカルメロースナトリウム・合成ケイ酸アルミニウム・ステアリン酸マグネシウムを含有する指定第二類医薬品です。ヤマモトのセンナTS便秘錠は錠剤タイプでしたが、こちらは顆粒タイプとなっています。効能と副作用の面はヤマモトのセンナTS便秘錠と同様です。

用法・用量は、15歳以上で1日1回1/2~1包服用します。11歳以上15歳未満で1/3~2/3包服用します。11歳未満は服用できません。

便秘とは?便秘の基礎知識

お通じは毎日あるのが、健康な状態です。3日以上排便がない状態や、毎日排便があっても残便感がある状態を、一般的には便秘と言います。便秘になるのは特に女性が多く、上記の症状に加え、食欲不振、腹部満腹感、腹痛の症状があらわれる場合もあります。

排便のしくみ

食べ物は胃や小腸で消化され、どろりとした液体の状態で大腸へ入り、水分が吸収されて固形化します。その後、肛門へと送られます。固形化し、便となった状態で大腸内にとどまると、水分の吸収はさらに進みます。すると、便は小さく硬くなります。

器質性便秘と機能性便秘について

便秘のタイプには、大きく分けて2つあります。なんらかの理由で、腸管が狭くなっているために起こる器質性便秘と、それ以外の機能性便秘が主な便秘の原因です。

器質性便秘とは

症状が極めて重く、緊急の治療が必要な場合もあります。突然、便が出なくなり、腹部の張りや腹痛、嘔吐などがあらわれます。大腸癌やクローン病、腸閉塞、他の臓器の癌による腸の圧迫も原因となります。器質性便秘が原因と考えられる場合は、検査が必要な場合がありますので病院にかかりましょう。

機能性便秘とは

器質性便秘は胃や小腸、大腸、肛門に疾病があり、その疾病が便秘を起こすのに対し、機能性便秘は消化器官検査で特に異常がない、慢性の便秘のことを言います。主に、食生活、ストレスや生活習慣が原因です。

機能性便秘の種類

さらに機能性便秘は3つに分けられます。
・弛緩性便秘
・痙攣性便秘
・直腸性便秘
弛緩性便秘は、運動不足や過度なダイエット、水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下が主な原因で、便秘の中で頻度が高いです。座っている時間の長い方がなりやすく、主に高齢者やデスクワークの多い若者に多くみられます。大腸の機能が落ちて動きが悪くなり、便が大腸にとどまることで、さらに便が硬くなり排泄されづらくなります。

痙攣性便秘は、精神的なストレスや環境の変化が主な原因です。副交感神経の過度な興奮により、腸管が緊張しすぎてしまうことにより、便がうまく運ばれなくなります。大腸の働きを調整している自律神経が、上記のような理由でバランスを崩すことで起こります。

直腸性便秘は便が直腸にたどり着いても、便意を感じないことが主な原因です。高齢者や寝たきりの方のほか、習慣的に便意を我慢している方に多い便秘です。また、浣腸を頻繁に使うことで、排便リズムが崩れることで便秘になる場合もあります。トイレへ行く習慣を身につけたり、便意を我慢しないことで排便リズムを取り戻しましょう。

まとめ:アローゼン顆粒は市販されている?有効成分のセンナを含む市販薬は存在する?

いかがでしたか?今回の内容としては、
・便秘薬には浸透圧性下剤と刺激性下剤の2種類がある
・アローゼン顆粒は緩下剤(作用の緩やかな下剤)であり有効成分はセンナである
・アローゼン顆粒は医療用医薬品であるため市販されていない
・センナが含まれている市販薬にはヤマモトのセンナTS便秘錠などが存在する
・弛緩性便秘は運動不足や過度なダイエットなどが原因である
以上の点が重要なポイントでした。アローゼン顆粒は医療用医薬品であるため市販されていませんが、有効成分のセンナを含む市販薬は存在しますので、受診の時間がなかったりすれば、検討しても良いでしょう。