酸化マグネシウムの便秘薬の効果・特徴・副作用について

辛い便秘を改善する目的で、定期的に便秘薬に頼っているという方は多いでしょう。酸化マグネシウムは便秘薬に含まれる成分の一種で、便秘を改善するために働きます。今回の記事では、酸化マグネシウムの便秘薬の効果や特徴と副作用について解説していきます。

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酸化マグネシウムの効果について

酸化マグネシウムは浸透圧性下剤の中でも塩類下剤と呼ばれるものです。服用すると胃の中で胃酸と反応し、塩化マグネシウムに変化します。その後腸内の膵液と反応して重炭酸塩へと変わり、最終的に炭酸塩(炭酸マグネシウム)になるのです。

腸で塩類による浸透圧が働くと、腸内の水分が増えて便が柔らかくなる・便のかさが増えることから、便の排出が促されます。

酸化マグネシウムの特徴について

「腸を刺激せずに働きを助ける成分」として知られている酸化マグネシウムは、いくつかの特徴を持っています。

耐性がつきにくい

便秘薬の中には、繰り返し使用することで耐性がついてしまうものがあります。耐性がついてしまう便秘薬を長期間服用すると、その便秘薬を飲んでも便秘の改善が期待できなくなります。

尿路結石ができにくくなる

酸化マグネシウムは、尿路結石(膀胱や尿道などに石ができる)の原因であるシュウ酸カルシウムを作られにくくする効果も持っています。日本人の場合にはシュウ酸カルシウム結石症と呼ばれるものが多く、シュウ酸の摂りすぎが原因とされています。

胃酸を抑える

胃の中で胃酸と反応する酸化マグネシウムは、胃酸を抑える効果を持っています。胃酸過多の状態を防ぎ、胃潰瘍や胃炎などの疾患になりにくくなるのです。同時に腸内環境も整えられるため、便秘も予防できます。

妊娠中・高齢者・子供も服用できる

酸化マグネシウムは体内にほとんど吸収されない・効き目が穏やかという特徴から、妊娠中の女性や高齢者も服用が可能です。主治医に相談をしてから服用を始めるべきでしょう。

酸化マグネシウムの副作用

どのような薬にも副作用はありますが、酸化マグネシウムにも長期間の服用によって副作用が現れる可能性が考えられます。酸化マグネシウムの摂取を続けると、血液中のマグネシウム濃度が高くなり、高マグネシウム血症になってしまう恐れがあるのです。

マグネシウムは通常タンパク質と結合する・骨に蓄えられるものですが、高マグネシウム血症では、血液中に大量のマグネシウムが留まります。

高マグネシウム血症の代表的な症状は次の通りです。
・めまい
・立ちくらみ
・吐き気
・嘔吐
・脈が遅くなる
・皮膚が赤くなる
・力が入らない
・倦怠感
・眠気が強くなる
このような副作用は、腎障害がある方・高齢者・便秘症の方・長期間酸化マグネシウムを服用し続けている方に発症しやすいです。副作用が発生するリスクのある方は、定期的に血清マグネシウム値を測定する・必要最小限の量を服用するなどの注意が必要でしょう。

万が一副作用が現れてしまったら、すぐに医療機関を受診して適切な治療を受けてください。

酸化マグネシウムを飲む時の注意点

酸化マグネシウムの便秘薬を飲む時には、次の点に注意しましょう。

服用は多めの水やぬるま湯で行う

酸化マグネシウムは牛乳と一緒に飲むと効果が減ってしまう恐れがあります。コップ一杯の水やぬるま湯を用意し、なるべく多くの水分と一緒に服用してください。

服用は就寝前が効果的

酸化マグネシウムの便秘薬はどのタイミングでも服用可能です。個人差があるものの服用後8〜10時間で効果が
現れることから、朝食後の腸管が活発な時間帯に排便を促すためには、就寝前の服用が良いでしょう。※服用タイミングは各医薬品の添付文書をご確認ください。

薬の飲み合わせに注意する

服用している薬の種類によっては、相互作用で効果が強くなり過ぎてしまう・効果が得られなくなることがあります。酸化マグネシウムと一緒に薬を飲む時には、飲み合わせについて医師や薬剤師に確認するべきでしょう。

規定の量より多飲んではいけない

効果が出ないからと言って、定められた用法・用量よりも多くの酸化マグネシウムを服用してはいけません。
酸化マグネシウムは腸内の水分を増やして効果を発揮するため、水分の摂取量を増やすなどして対応してください。過剰摂取は下痢や副作用を招く恐れがあります。

まとめ:酸化マグネシウムの便秘薬の効果・特徴・副作用について

いかがでしたか?酸化マグネシウムの便秘薬は腸内の水分を増やして排便を促す効果があり、効き目が穏やか、耐性がつきにくい、妊娠中・高齢者・子供でも服用できる、といった特徴があるということでした。
理想的な便秘薬であると言えますが、副作用として高マグネシウム血症を引き起こす可能性も考えられることを理解し、用法・用量を必ず守るようにしてください。